ミカンのおいしい季節がやってきましたね! 毎冬、温州みかんを箱買いしています。
そんな柑橘ライフを満喫している、キンドる速報☆ライターのイマガワです。

今回ご紹介するのは、セルフパブリッシングで「ひと山当ててやろう」と考えている人にこそ読んでほしい一冊。

[新版]平成テクニカルライター養成講座[新版]平成テクニカルライター養成講座
著者:武井一巳
販売元:武井一巳
(2012-12-12)
販売元:Amazon.co.jp

はじめに
第01講 テクニカルライターという仕事
第02講 テクニカルライターの毎日が日曜日
第03講 鮮度の高い企画が命
第04講 失敗しない企画書の書き方
第05講 ライター不足時代の売り込みとコネ
第06講 日常生活すべてが取材だ!?
第07講 テクニカルライティングのための道具
第08講 テクニカルライターの執筆現場 
第09講 テクニカル文章読本
第10講 技術文章上達法
第11講 ライターの収支事情
特  講 新時代のテクニカルライター事情
あとがき
電子版あとがき

テクニカルライター志願者ばかりでなく、ブロガーや一般ライター、エッセイスト、コラムニストなどにも必要となるテクニックとノウハウが解説されています。

 本書は、ライター向けの文章術が書かれた本ではありません。出版バブル期を生き抜くための「覚悟」と「心構え」に加えて、プロだけが知っているノウハウを学ぶことができるサバイバル入門書です。

出版バブル時代を勝ち抜いた猛者


 著者である武井一巳さんは、フリーランスのテクニカルライター。現在までに200冊以上の単行本を出版しています。

 全盛期につけられたニックネームは「月刊単行本」。毎月1冊以上のペースでコンピュータ関係の単行本を書いて出版していたために、そう呼ばれていたそうです。とある一ヶ月間に書いた文字数は52万字。原稿用紙にして1300枚。なんと1日43枚というペースです。すごい!

 武井さんの単行本は、現在でもAmazonの著作リストで確認できます。毎月1冊のペースで出版しているのだから書き散らかしているかなーと思いきや、ユーザー評価は上々。これは質と量のバランスを保ちつつも、たしかな実績を残してきた証明といえるでしょう。

1997年と2012年の共通点


 本書の内容は、技術評論社「The BASIC」誌面上で1997年に連載されていたものです。それが電子書籍になったわけですが、わたしはベストタイミングだと思います。まさに、いま読まれるべき内容だからです。

 1997年は、Windows95に端を発した家庭用パソコンの熱狂がいまだ冷めやらぬ時代でした。パソコン雑誌が数多く創刊されたり、急激に普及しはじめたWin95対応のハードウェアやアプリケーションの解説書が無数に出版にされた時代であり「バブル」の様相を呈していました。

 それから15年が経った2012年現在。従来の携帯電話ユーザーが次々とスマートフォンに乗り換えており、猫も杓子もスマホアプリの情報を求めてヒマさえあればネット上に乱立するアプリ紹介サイトをさまよっています。

 書店のコンピュータ書籍コーナーに目を向ければ、iPhoneを筆頭するスマホやiPadなどのタブレットの操作説明本やアプリ紹介本がズラリと並んでいます。まさに「バブル」であり、15年前とよく似た状況といえます。

 さらに2013年以降には、Kindleストアを震源とした電子書籍バブルの到来が予想されます。本書は、そんな時代の前夜だからこそ読まれるべきものです。特に、これからKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)を利用して物書きとして生計を立てたい、名を馳せたいと考えている人には必読の書です。

内容の実用度はどうなの?


 書かれているノウハウは、現在でも通用するものばかりです。特に「企画の作り方」「コネの作り方」は参考になります。なんといっても、今までに200冊以上も出版してきた「デキる」著者が書いていることなので説得力があります。

 ただし1997年に書かれている本なので、参考にならない部分もあります。具体的には「第07講」と「第08講」の記述。執筆に使っているマシンが骨董品であったり、記録媒体がカセットテープ(!)だったり。30代~50代くらいの読者にとっては懐かしい名前がバンバン登場します。

 最後に、いちばん印象深かった著者の言葉を引用させてください。

 ぼくの書く解説書の、賞味期限は短い。10年も20年も読み継がれる、などというものではない。本を読みながらひととおりの操作を終えたら、あとはたまに開いて、わからないところを確認するといった使われ方をする本だ。

(中略)

 でも、それでいいと思っている。いま、そこに、必要としてくれる読者がいれば、その読者に向かって情報を提供するだけでいい。それがテクニカルライターという生き方なのである。



実用度
★★★☆☆(3)
タイムリー度
★★★☆☆(3)
超速筆ライター度
★★★★★(5)
総合
★★★☆☆(3)

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