みなさんこんにちは!
今週末29日から、世界的同人誌即売会「コミックマーケット」(通称コミケ)が開催されますよ。同人作家のみなさんは、原稿を印刷ついでに電子書籍化してみたらいいのに・・・。
はい、言うのはタダ☆カンザキです。

本日おススメしたい一冊はこちら!

王殺し王殺し
著者:牛乃あゆみ
販売元:SUSSANRAP
(2012-12-19)
販売元:Amazon.co.jp

耽美系短編小説 文庫換算(38字×18行) 約57ページ
【美しき蛮族の王と、彼を訪ねた学術調査団。出会いは幸運なのか、悲劇なのか。「何をもって野蛮と決めつけるのですか?われわれの文明が彼らより洗練されたものであると、どうやってあなたは知るのですか?」…】

十九世紀。
イギリスの学術調査団が、南米奥地に住む幻の部族を訪ねる。
一行を率いる初老の研究者キャバリエは、若く美しい王と念願の対面を果たす。
いっぽう、キャバリエを父と慕う青年マイヤーは、その部族が儀式に使う香を手に入れるため神官に取り入り、本来「異国人」には許されない託宣の儀式を受ける。
その行為はキャバリエとマイヤーの関係を狂わせ、やがては王の運命を狂わせる。

耽美系という女性向けジャンルですので、この系統(ボーイズラブ含む)がお好きな方にオススメしたいのはもちろんですが、ラブ要素よりアドベンチャー要素がほとんどを占めていますので、冒険モノがお好きな男性にもお楽しみいだたけます。

傾いていく黄金の国


こちらを読了したあと、倫理観の相違といいますか、良かれと思って行うことがベストではないもどかしさを感じました。

読者のみなさんはこれを読むとき主人公らイギリスの調査団の感覚に近いと思います。
科学の恩恵を受け、コミュニケーション社会を生きる。
学びを追求したければ、現地へ行って見聞し記録することができる。

しかし、先住民側ならどうでしょうか?
勝手に踏み込んできて、異国の文明を見せ付け、秩序を壊していく。金品や民を奪っていく。ときに伝統をと批判する

思想がかみ合わない正義は、残酷な結果を招きます。


短い物語なので中盤から少し慌しさを感じますが、設定がしっかりしているので引き込まれてしまいます。
黄金の国を冒険できる、耽美小説です。
思えば、日本の開国や高度経済成長って、稀な成功例だったんでしょうか…。

科学の恩恵は出版でも


あとがきによると、本作は

2008年発行の同人誌『蛮族の王―陵辱される太陽―』に収録した短編小説『王殺し』を一部改稿したものです。


とのこと。
作者の牛乃あゆみさんはTwitterで、コミケへ出品(既刊同人誌の委託販売)を告知していらっしゃいます。
電子書籍のリリース以前から、同人作家としてご活躍なんです。

もともと同人誌を作っていて、電子書籍も出版するようになった作家さんが増えてきました。コミケに限らず、文芸フリマなどのイベントへ積極的に参加する方もいらっしゃいます。
Twitterやブログで、作者さんが発信する販売情報を探してみてはいかがでしょうか。
こちらも参考にどうぞ。
フォローすべき電子書籍&個人出版系Twitterまとめ(メディア編)

  • 王殺し
  • 著者:牛乃あゆみ
  • 価格:160円
  • 読了にかかる時間:約40分(個人差があります)
耽美度
★★★☆☆(3)
探検度
★★★★☆(4)
ボリューム度
★★☆☆☆(2)
総合
★★★☆☆(3)

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