こんにちは!
キンドる速報ライター☆イマガワです。

本日レビューするのは、読むだけでベストセラー作家になれるかもしれない、魔法のようなノウハウ本です。

それゆけ!ライターズ Vol.01 【設定編】それゆけ!ライターズ Vol.01 【設定編】 [Kindle版]
著者:こくぼしんじ(@gactors)
出版: がんばれ!アクターズ出版部
(2013-03-19)

面白い物語は面白いキャラクターが作る! 本書Vol.01「設定編」では、ハッタリの効いた人気キャラクターの生み出し方と、その動かし方を大公開します!

ちなみに、本書はあくまでマンガ原作やラノベ、キャラクター小説といったエンターテインメントの入門書。物語を描くことに興味のない人が読んでも「まったく意味がない」ことはご承知ください。しかし、だからこそ、作家志望者が読めば感激に打ち震えること必至です!

■第1章 「システムとしての主人公」を作れ!
■第2章 主人公には何か、日本一、世界一、いや宇宙一の特技を持たせろ!
■第3章 「読者にウケるキャラ」とは何か?
■第4章 全8タイプ! 名ゼリフはこうやって生み出すんだ!
■第5章 感情移入を支配せよ!
■第6章 さあ、主人公を動かそう!



物語を作るには?


多くの小説家や漫画家は「キャラが勝手に動いて、物語を作ってくれる」と証言しています。これは「物語をつくる才能」を言語化したものだと思いがちですが……ちがいます!

魅力的なキャラクターを作るには、おおげさな才能など必要ありません。あなたにも「勝手に動いて、物語を作ってくれる」キャラクターを生み出すことは可能なのです。

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禁断の創作ノウハウ


著者のこくぼさんは、物語(ストーリー)というものを「架空人物の伝記」であると定義します。「伝記」とは、偉業を成し遂げたひとの人生を記録したものです。

なるほど。実際の人生には、あらかじめ脚本が用意されているわけではありません。それなのに、偉人の伝記というのは波瀾万丈な内容であり、小説や漫画に負けないくらい読んでいて面白いものです。

つまり、現実の偉人に匹敵する架空人物(キャラクター)を生み出すことができれば、それにともなって面白いストーリーやエピソードが発生するはずです。現実に存在した偉人たちの人生が、そのことを証明しています。

エピソードを量産できるキャラとは?


物語のメインとなるキャラクターのことを「主人公」といいます。魅力的な主人公というのは、そこに存在するだけで「100話のエピソードを作ることができる」キャラクターのことです。具体例を挙げてみましょう。

『ゴルゴ13』(さいとうたかを)
主人公の「デューク・東郷」は、世界一の暗殺者という設定なので、大企業や大物政治家やCIAなどから依頼があったとしても不自然ではありません。超スゴ腕という設定なので、あらゆるパターンの依頼をきっかけにしてストーリーを展開させることができます。つまり、時事ネタを取り込みやすいので、この世にニュースが存在するかぎり、いくらでも物語を作り続けることができます。

『ONE PIECE』(尾田栄一郎)
ルフィの「海賊王になる」という壮大な夢。様々なバリエーションの「悪魔の実」。海賊たちは海を移動するので、未知の大陸や世界がつぎつぎと登場する必然性があります。これら3点の組み合わせることで、ストーリーのバリエーションはなかなか尽きないでしょう。

ドラえもん』(藤子・F・不二雄)
あのネコ型ロボットは「究極のエピソード量産型キャラ」です。四次元ポケットいう無限の収納スペースから繰り出される「ひみつ道具」という設定のおかげで、作者亡きあともエピソードを作り続けることができます。

著者のこくぼさんは「ストーリーなんて後回しで良い、一心不乱に魅力的なキャラだけを考えろ」と言います。上記の具体例を見れば「エピソード量産体質」の主人公の重要性は明らかです。これは納得せざるをえません。

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シングルスタンダード


主人公は「こうと決めた信念や約束事に、かならず従う」キャラクターであるべきだと、著者は言います。それが「シングルスタンダード」です。

たとえば、普段は「不正は許さない」と言っている主人公が、相手が怖いヤクザだと見るや信念を曲げて逃げてしまったら物語として成立しません。具体例を挙げて言えば「どんなに恐ろしく強い怪獣が来ても、必ず立ち向かう」という設定があるからこそ『ウルトラマン』という作品が成立するのです。

主人公に「シングルスタンダード」を設定すれば、自動的に「長所」と「短所」が生まれます。それこそが、キャラクターの性格になるのです。

長所と短所


本書では、2つの漫画を具体例として挙げています。

1.長所を設定したうえで、あえてそれを封じるような短所(弱点)を考える
『るろうに剣心』(和月伸宏)
主人公は、緋村剣心という剣客。

圧倒的な剣の才能、実力をもつ(長所)
人を殺さない「不殺(ころさず)」という信条がある(短所、弱点)

剣心は、殺す気で向ってくる敵を「不殺」で倒さなければなりません。殺さないで勝つためにはどうすれば良いか? そのパターンをたくさん考えることで、自動的に必殺技のバリエーションが生まれるのです。

2.長所を1つ決めて、他の全ての要素をダメダメにする
『美味しんぼ』(雁屋哲・花咲アキラ)
主人公は、山岡士郎という新聞記者。

味覚と料理の腕だけは、超一流。(長所)
仕事に関しては無能な、薄汚いオッサン(短所)

この指摘を読んで、最近の『美味しんぼ』がつまらない理由がわかったような気がします。すなわち「山岡がダメ人間でなくなった」ことが大きな原因です。

初期の頃のような「問題解決エピソード」が減ったせいもありますが、いちばんの原因は「山岡がリア充になったこと」だと思います。むかしは洗面所の雑巾で顔をふいても平気だったくせに、いつしか年下の才色兼備な女性と結婚し、3児の父親になることで、すっかり小奇麗なお父さんになってしまいました。嗚呼。

他にもノウハウがたくさん


たいへん長くなりましたが、ここまでご紹介したものは、全体の半分にすぎません。他にも「名セリフの8タイプ」「感情移入を支配せよ」など、具体的な作品と事例を挙げて、きわめて合理的に「魅力的な主人公」を作るコツが解説されています。

本書の特徴は「自動的にエピソードが生まれる」ことを重視していることです。書かれているとおりに考えていけば、本当に100エピソードくらいは生み出せそうな気がします。とにかく実践的で、わかりやすい内容だと感じました。お見事!

著者について


こくぼしんじ(@gactors)さん。慶応大学を卒業後、専門学校の事務員生活を経て、漫画やゲームのシナリオライターになったという異色の経歴の持ち主です。本書は、電子書籍情報サイト『きんどるどうでしょう』の連載を書籍化したものです。(参照リンク

書籍化にともなって加筆修正が行われており、いっそう読みやすくなっています。ひとつ感心したのは、本書内の挿絵イラストについてです。

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著者みずから『コミPo!(コミポ)』を使って作成しています。なかなかユニークな仕上がりです。本書における『コミPo!』の活用例は、KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)を利用している個人作家にとって、おおいに参考になるはずです。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。

わかりやすさ
★★★★★(5)
実用度
★★★★★(5)
作家になれる度
★★★★☆(4)
総合
★★★★☆(4)

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