恋愛工学とは何か?


理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得し、いわゆるクオンツとして外資系投資銀行に勤務する著者が、その高度なリスクマネジメントの技法を応用した恋愛テクニックのことです。

有料メルマガでやる理由


メルマガの著者、すなわち恋愛工学研究所の所長である藤沢数希さんは、ブログ『金融日記』で有名です。

すでにオープンな場にて月間100万PVという圧倒的な情報発信力をもっているのに、なぜ、新たにクローズドなメルマガでも情報発信することを選んだのでしょうか?

ブログとメルマガ、双方における情報の質の違いについて、その理由が明確に語られていますので、一部引用してみます。

読者数が限られたメルマガで、レストランのレビューを書く理由
ブログはあまりにも読む人が多くなってしまったので、素敵な異性をゲットする方法や、テーブル数の限られたレストランなんかは、有限のリソースの奪い合いになるので紹介できません。

----- 週刊金融日記 第7号から引用

メルマガ価格と既存出版物とのコストパフォーマンス比較
毎週2万文字超えてて、単純に文字数単価で見ると、新書とそんなに変わらないんですよね。(中略)ということで、人気メルマガは少なくとも文字数単価で見ると、新書より安いんです。

----- 週刊金融日記 第20号から引用

メルマガを有料配信する必然性が、きわめて数理的に語られています。金融市場の因果と日々向き合っている著者の面目躍如ですね。

効率的恋愛市場仮説


前置きが長くなりましたが、今回ご紹介したいバックナンバーは『週刊金融日記 第9号』です。

週刊金融日記の画像週刊金融日記 第9号
著者:藤沢数希
出版:BLOGOSメルマガ
(2012-06-10)

1.効率的恋愛市場仮説
2.今週のマーケット
3.ブログではいえないお店 #9
―Rで終わらない月にも行きたいオイスター・バー
4.藤沢数希の身もフタもない人生相談

2013年4月現在、すでに54号を数えている本メルマガ。およそ1年前に発行されたこの『9号』には、のちに読者たちを熱狂させる『効率的恋愛市場仮説』という理論がくわしく解説されています。

これは金融工学を支える礎のひとつである『効率的市場仮説(Efficient Market Hypothesis, EMH)』を応用した考え方です。

恋愛市場も、株式市場と同様に激しい競争が行われている。女子は、自分が付き合える中で最上の男を捕まえようと必死になっているし、男子も同様に少しでもいい女と付き合おうとしている。

この恋愛市場での競争は、株式市場の中で株価が決定されるメカニズムに酷似している。

(中略)

つまり、株と同じように、恋愛市場では男にも女にも価格が付いていると考えるのだ。女がこれぐらいの男に身を許したい、と恋愛市場に提示しているオファー・プライスに、男が自分の魅力で提示できるビッド・プライスが届いて、オファーとビッドがクロスした時に恋愛がはじまる。

(中略)

つまり、カップルを観測すると、次の関係式が概ね成り立つ。

 男のモテ度 = 女のモテ度 + 付き合い方での調整分

----- 週刊金融日記 第9号から引用

この号では、のちに多くのメルマガ読者たちを大躍進させる基礎理論の解説が、およそ6,000文字を費やして書かれています。

もっとも読者との距離が近いメルマガ


『週刊金融日記』の最大の特徴は、読者からの膨大なフィードバックです。2013年4月現在、毎週2~3万字に達するコンテンツ量のうち、およそ7割を占めるのが『藤沢数希の身もフタもない人生相談』というコーナーです。

メルマガ開始当初は、単なるQ&Aの形態をとっていました。しかし最近では、前述した『効率的恋愛市場仮説』の熱き実践者たちの結果報告の場と化しています。その熱気は、読んでいると思わず嫉妬してしまうほど。

たとえば数号前に相談者として登場した恋愛初心者が、誇らしげに武勇伝を持ち帰ってくる様子は、すこし面映さを感じるものの、読んでいるこちらも思わず希望を抱かざるをえないほどです。うらやましい!

貪欲な男女たちの恋愛私塾


ギラギラしているのは男性読者ばかりでありません。女性の読者の数も多いようで、ここでは書けないような生々しい質問や結果報告がメルマガ内に飛び交っています。

本メルマガに宿る熱気は、まさに最盛期の深夜ラジオ文化、あるいは幕末期の私塾に匹敵するものです。できることならリアルタイムで体験することをオススメしますが、まずはバックナンバーを覗いてみるのも良いと思います。ぜひ!

週刊金融日記の画像
「お役立ち」度
★★★★☆(4)
「恋愛の必勝法」度
★★★★★(5)
「いつやるか? 今でしょ!」度
★★★★★(5)
「総合」
★★★★☆(4)



著者について


藤沢数希さん(@kazu_fujisawa)。外資系投資銀行勤務。人気ブログ『金融日記』管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』等があります。

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