こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
この記事では、いつもと趣向を変えて、LINEノベルで発表されている作品のレビューをしていきます。

君のために今は回る_書影君のために今は回る
著者:白河三兎
金額:無料
出版社:講談社


オトコよりもジョギングを愛する女


千穂(ちほ)。26才。年齢イコール彼氏いない歴。ハマっている趣味は、早朝ジョギング。

 恋人の寝息よりも朝の新鮮な空気の方が清々しいから、とクールに同情をかわす自分の姿を夢見てステップを踏む。

 この一歩一歩が理想の自分へ近付かせる。小さなことを積み重ねることで、私は少しずつ自信を持てる。心にゆとりが生まれる。

千穂は、モテないながらも前向きに生きていました。しかし、よりによってジョギングの最中、飲酒運転のトラックに轢かれて事故死してしまいます。

ゴンドラに閉じこめられた幽霊


死んでしまった千穂は、地獄でもなく、天国でもなく、遊園地の観覧車ゴンドラのなかで、ふたたび目を覚ましました。

千穂は、成仏するまで外に出られない『地縛霊』になってしまったのです。

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成仏するために必要なこと


千穂の願いはひとつ。学生時代の親友である山田銀杏(やまだ・いちょう 女性)に、もういちど会うことでした。

会いたいと思う人が、遊園地の、しかも数あるアトラクションのうちの観覧車の、たった1つのゴンドラに乗りこんでくることなんて……とびっきりの奇跡でも起こらないかぎり実現不可能です

生涯いちども恋を知らずに死んでしまった彼女に、はたして幸運の女神は微笑んでくれるのでしょうか?

人には言えない秘密がある


本作『君のために今は回る』は、タイトルのとおり、ぐるぐるまわる観覧車を舞台とした長編小説です。ゴンドラ地縛霊である千穂やその親友の銀杏の目を通して、それぞれ深刻な事情をかかえた老若男女の人間模様が描かれます。たとえば……

・観覧車が1周する15分間だけ口説くチャンスを与える『かぐや姫』
・15分間だけ占いをして、的中率100%の『オッチャン』
・学生時代から数えて13年間つきあい続けているマンネリカップル

きわめつけは、千穂の親友である山田銀杏の元カレは、観覧車の誘導スタッフであり、タチの悪い『盗聴マニア』です。

ゴンドラは、15分間の懺悔室


本作がユニークなのは、ゴンドラに盗聴器が仕掛けられているという設定です。

 観覧車のゴンドラは教会の懺悔室と似ている。秘密が保持される安心感があるからこそ、打ち明けられるのだ。誰かが盗み聞きしているとは夢にも思わない。正に、神のみぞ知る。

これにより、われわれ読者は、乗り込んだ人々の『けっして明かせない秘密』を垣間見ることができます。

たったひとつのゴンドラを通して、はじめは無関係に見えていた登場人物同士の繋がりが明らかになり、ある者は長年のトラウマから解放され、ある者は新しい人生にむかって再スタートします。

ぐいぐい読ませる群像劇


本作『君のために今は回る』は、淡々とした読みやすい文体であるのとは裏腹に、時には、目をそむけたくなる人間の心の深い部分まで踏みこんで書かれています。

幽霊と盗聴器というふたつの『神の視点』によって紡がれたストーリーはたいへん魅力的であり、登場人物たちの秘密が明らかになっていくたびに先が気になってしまい、最新話の更新が待ち遠しくなること請け合いです。


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君のために今は回る_書影君のために今は回る
著者:白河三兎

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