こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

もはや、プロもアマチュアも関係ない! 読まれるか or 読まれないか。相撲でたとえるなら魅せるデブか or そうでないデブか。この世のすべての表現者に再考をうながす一冊!


セルフパブリッシング狂実録 - 誰でも作家時代の作家論セルフパブリッシング狂実録 - 誰でも作家時代の作家論 [Kindle版]
著者:佐々木 大輔
出版:焚書刊行会
(2013-05-10)

KDPが日本で発表されてから半年。セルフパブリッシングからデビューした作家が、商業出版にも進出してフルタイムの専業作家として独立するなど、出版をめぐる状況に大きな変化が生まれてきています。
誰でも作家になれる時代に、作家であるというのはどういうことなのか? インタビューや鼎談やトークイベントなどを通して、セルフパブリッシングをめぐるさまざまな言説を集めた実録集です。

■もくじ

1. はじめに
2. 日本電子出版協会講演録「注目の“セルフパブリッシング狂”10人」
3. いしたにまさき+鈴木秀生 「鼎談・セルフパブリッシング狂時代」
4. 忌川タツヤ+きんどるどうでしょう 「2013年上半期の必読本」
5. 田端信太郎インタビュー 『MEDIA MAKERS』で語れなかったこと
6. 藤井太洋インタビュー 「2014年、インターネット崩壊」のアイデアの秘密
7. 佐渡島庸平トークイベント 「超一流のプロとその他のアマ」論の行方
8. 誰でも作家時代の作家論(書評『Gene Mapper - full build -』)
9. あとがき

※製品版は、ヨコ書きです。下記プレビューはPC向けです。


祝 ハヤカワ文庫デビュー! 作家・藤井太洋の秘密


本書のみどころその1。わずか11ヶ月間で出版社デビューを果たした、藤井太洋さんのインタビューが収録されています。

2012年6月にセルフパブリッシングで『Gene Mapper』を出版 → 2012年12月発売の『小説トリッパー』紙上に『UNDER GROUND MARKET』が掲載 → 2013年4月。初期版の1.8倍の加筆修正を経て、早川書房から『Gene Mapper -full build-』を刊行 → 専業の作家・セルフパブリッシャーに。

Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA) [文庫]
著者:藤井 太洋
出版:早川書房
(2013-04-30)

いかにして神業ともいえることをやってのけたのか? 南方からやってきた超人なのか? いえ、それだけではありません。『ジーンマッパー』における斬新な世界観の着想を得たときのエピソードや、次回作の構想について惜げもなく語られています。

電子書籍で成功するのは〈やめない人たち〉である


みどころその2。本書の圧巻ともいえるのが、いしたにまさきさん・鈴木秀生さん・佐々木大輔さんによる鼎談です。

この鼎談は、2013年4月24日に開催された日本電子出版協会(JPA)セミナーにておこなわれたものです。司会を高瀬拓史さんが務め、出版業界とウェブ業界とソーシャルメディア、それぞれのプロフェッショナルたちが熱い持論をぶつけあっています。

鼎談では、セルフパブリッシング作品が広く読まれるためには? 新しい出版時代をサバイバルする方法は? という本質的な問いに対して、司会の高瀬さんも含めて4者4様の持論が展開されています。

答えがここに書いてある!


幾度も読み返しましたが、ここで語られている施策や方法こそが、まさに『FA(ファイナルアンサー)』ではないでしょうか。やるべきことは瞭然としており、あとはいかに実践してみせるかという段階なのです。のんきに暗中模索している場合ではありません。

この鼎談の至るところにセルフパブリッシングに携わる創作者が目を通しておくべき金言を見つけることができるはずなので、ぜひ。

最新にして最前線の情報が詰まっている1冊


このほかにも、いま読んでおくべき注目のインタビューや考察が収録されています。

なかでも、大ヒットした『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』の陰の立役者である佐渡島庸平さんが大いに語ったイベント『うまい編集ってなんだ?プロとアマの境界線』において、その場にいた参加者たちを震撼させた、

『超一流以外は全員アマチュア』
『そもそも編集者が必要なプロなんて100人ぐらいしかいない』

という発言を受けての考察と総括は、職業作家であれ、作家・マンガ家志望者であれ、同人作家であれ、創作に携わっている人間ならばゼッタイに見過ごせない内容です。読めばわかる!

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「KDPの現状がわかる」度
★★★★★(5)
「ためになる」度
★★★★☆(4)
「永久保存版」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)

著者について


佐々木大輔さん(@sasakill)。『ささき・だいすけ』と読みます。LINE株式会社に所属。『ダイレクト文藝マガジン』の発行人であり、当ブログ『つんどく速報』の編集長です。

好評だった前作『セルフパブリッシング狂時代』は、今回ご紹介した『狂実録』と同じくらいの必読本なので、ぜひチェックしてみてください。

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