こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

いちばん好きなコンビニ食品は、セブンイレブンの『ハムサンド』(200円)です。2番目に好きなのは、ファミリーマートの『ジャンボチーズフランク』(170円)です。ご清聴ありがとうございました!


コンビニの戦士達 本篇コンビニの戦士達 本篇 [Kindle版]
著者:幻夜軌跡 イラスト:浦賀瑛徳
出版:のぎのぎ出版
(2013-05-18)

『コンビニの戦士達 序章』は喜劇だった。
今、物語は喜劇から熱きドラマになる! 

明らかになるヘルマートシステム。そしてヘルマート閉店の危機! 
だが戦士は不在。ヘルマートは戦士の帰還を待つ。

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。


好評だった異色作の続編


本書の書き出しは、前作『コンビニの戦士達 序章』のラストシーンから再開されます。すなわち『ガテン系の客が店内のATMを破壊しはじめるシーン』です。

この事件により、主人公の男子大学生『善人面』は大ケガをして、それがきっかけでヘルマートを去っていきます。

新人アルバイトの視点による内部告発


入れ替わるようにして採用されたのは、大学1年生の女の子です。ニックネームは『新入り』。わかりやすい(笑)

本編では、あらためて『新入り』の目を通して地獄のコンビニチェーン店の実態が描かれます。前作のおさらいといったものではなく、あらゆるものが具体的に描き出されており、ますます世界観の解像度が上がっています。

アルバイトたちの職場放棄にはじまり、労働法違反、性の乱れ、本部社員のモラルハザードなど、ヘルマート内部はまさに醜悪の見本市なのです。

新旧主人公たちが交互に語る


この物語は、2人の語り手によって進行していきます。つまり『新入り』と『善人面』の視点によって交互に描かれるダブル主人公制が採用されています。

ブラックな労働環境に業を似やしてヘルマートを去った善人面は、ひさびさに自由と解放感を満喫しますが、じぶんでも意外なほどの空虚感に苛まれます。あたかも、死と隣合わせだった戦場の血煙を恋しがる歴戦の傭兵のごとく。

ほかにも、前作の読者たちを震撼させた魔性の女『男喰い』の意外な一面も明らかになります。彼女は、けっしてXXXじゃなかった!

続編は、一転して社会派ドラマに


この作品の評価を大げさに書くとすれば、『白い巨塔』や『沈まぬ太陽』の作家・山崎豊子のような、エンターテイメント性をともなった社会派小説の系譜につらなります。見事なまでに、コンビニチェーンの24時間稼働にひそむ歪みと欺瞞が活写されているからです。

さらに付け加えるなら、25名もの人物を登場させながらそれぞれに見せ場を用意して、よどみなくストーリーを進行させている点においては、三谷幸喜『王様のレストラン』を彷彿とさせる出来栄えです。自信をもってオススメします。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

  • コンビニの戦士達 本篇
  • 著者:幻夜軌跡 イラスト:浦賀瑛徳
  • 価格:200円
  • 読了にかかる時間:約2.5時間(個人差があります)
「内部告発」度
★★★★☆(4)
「魅力的なキャラ」度
★★★★★(5)
「入店音が特徴的な、あのお店?」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)

著者について


幻夜軌跡さん(@Osefly)。『まぼやのきせき』と読みます。好きなマンガは『テラフォーマーズ』。

1984年東京生まれ。大学在学中から小説のことを考えて書き続けてきたという、筋金入りの書き手です。Kindleストアが開始して以来、2013年5月現在、すでに6冊の長短編を発表しています。(参照リンク

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著者:幻夜軌跡
出版:のぎのぎ出版
(2013-01-04)

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こんなコンビニで働きたくないw ☆『コンビニの戦士達』 - つんどく速報(電子書籍の感想・レビュー)


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