こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

ざっくり言うと


・ユーラシア各国の千差万別な粉食レパートリーがおもしろい
・アフリカ大陸における知られざる芋食文化の紹介
・ヨーロッパ旅行記や『イギリス料理』レポートもある

バイクで駆ける 地球食べある記 [増補版電子書籍]バイクで駆ける 地球食べある記 [増補版電子書籍] [Kindle版]
賀曽利隆 (著), ウザワ・K (編集)
出版: 株式会社ヘンテコ・インターナショナル; 1-1版 (2013/6/6)

カソリ自身による「サハラ砂漠横断メニュー」をはじめ、サハラ遊牧民の簡素な食事、サバンナの村の雑穀食「トーとナン」、熱帯雨林のヤシ酒づくり・・・。

ヨーロッパ、中東、アジアの食へ。そして中国は新疆の食文化も。地球を駆け回り記録した、“食の民俗誌”です!!

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。

グローバルなヨネスケ


本書は『地球食べ歩き』と銘打たれた世界各国の食卓エッセイ本です。著者が海外でたいらげた、1万食ちかくの現地民たちの日常食を厳選して取り上げています。

前半は、アフリカ大陸。アルジェリア・ガーナ・コートジボアール・マリをはじめ、ニジュール共和国・ベニン王国・トーゴ共和国など耳慣れないアフリカの各国における知られざる豊かなイモ文化の全貌が紹介されています。

ほかにも、ヨーロッパ各国や中東、東南~中央アジアからオーストラリア大陸、果ては新疆ウイグルまでをも網羅し、現地民たちが食べているものを率先して口にしています。

土地の人たちと同じものを一緒になって食べていると、「同じ釜の飯を食う」ではないが、言葉のハンデを補ってあまりあるほどに、心をかよい合わせることができる

現地料理の写真も収録しており、尋常ならざる描写力をそなえたテキストが楽しめます。

わざわざ調理しているところへ首を突っこみ、いっしょに囲んだ食卓の情景を書くことで、現地民たちの人柄がよく伝わってくる一冊です。

アフリカは、おいもさん大陸


ジャガイモもやサツマイモだけが芋じゃない! タロイモ・ヤムイモをはじめ、見た目はバナナにそっくりだけど熟れても甘くならないプランタインという芋類も存在します。

きわめつけは、キャッサバです。タピオカの原料であることや、青酸毒を含んでいることは有名ですね。

それでは、キャッサバには大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか? ビターキャッサバ(苦味種)とスウィートキャッサバ(甘味種)があります。

苦味種には強力な毒性があり、入念に毒抜きをしなければ食べられません。甘味種は皮をむけば、焼いてすぐに食べられます。

アフリカの現地民たちは、どちらを好むのでしょうか? じつは 苦味種 を好みます。

苦味種のほうが美味しいからです。毒抜きをしたあと、おモチにして食べます。甘味種にくらべると作付面積あたりの収穫量が多いのも人気の一因です。

毎日イモばかり食べているだけあって、家庭ごとに、種類のちがう芋をブレンドする割合にこだわりがあるそうです。日本のぬか漬けにおける味の差異と同じですね。

数十カ国を、ひとつの胃袋におさめる


本書『バイクで駆ける 地球食べある記』には、シルクロードを爆走した記録も収録されています。

著者は、小学三年生のとき国語の教科書に載っていた『タクラマカン砂漠横断記』を読んで中央アジアへの憧れを抱きました。大人になって、とうとう夢を叶えたわけです。

アフリカ大陸やユーラシア大陸を一つの胃袋に収めたのだから、チンギス・ハンやアレクサンドロス3世も顔負けの征服王であるといえるでしょう。

旅行記にありがちな自己陶酔や湿っぽさは皆無であり、見栄や誇張とは無縁の、見てきたありのままが書かれている印象を受けました。オススメの1冊です。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「アフリカグルメ」度
★★★★☆(4)
「コミュ力高い」度
★★★★☆(4)
「満足」度
★★★★★(5)
「総合」
★★★★☆(4)



著者について


賀曽利隆さん(@kasori3000)。『かそり・たかし』と読みます。

賀曽利さんは、料理専門書でおなじみ柴田書店から『キャッサバ文化と粉粥餅文化 』という本を出版しているほどのキャッサバ通でもあります。


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