こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

ざっくり言うと


・元家具職人が、法廷画家になった理由
・ワイリーステージのごとく迫りくる、逆境の数々
・ロックマンのあるボスキャラをデザインした人です

トコノクボ ーとある絵描きの半生記ートコノクボ ーとある絵描きの半生記ー [Kindle版]
榎本 よしたか (著)
出版: マイナビ (2014/1/29)

絵が大好きだった地方在住の一少年が、どういう過程でプロのイラストレーターになったか、どういうきっかけで法廷画家として絵筆をとったか、伴侶との出会いなどプライベートなシーンも赤裸々に綴った

フリーランス10周年記念エッセイ漫画、100ページ。

「夢」を持ち、それに向かって進むアナタにおすすめの一冊です!

※下記プレビューはPC向けです。

知られざるの 知られざる過去


本書『トコノクボ ーとある絵描きの半生記ー』の作者。榎本よしたかさん。

日本人の多くが目にしている――はずなのに、一般にはあまり名前を知られていないイラストレーターです。

榎本さんの業績。いろいろあります。ひとつは、法廷画家のお仕事です。

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いちばん有名なのは、2006年におけるライブドア事件初公判を描いたものです。当時の報道番組において使用されました。(参考リンク ←当時の法廷画を鑑賞できる)

榎本さんは、イラストレーターとしても活躍中です。現在もTBS系列『ひるおび!』というテレビ番組において、特集や事件に関する、直感的で親しみやすいイラストを提供しています。(参考リンク

――いまから10年前。榎本さんは、自殺を考えるほど追い詰められていました。

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本書『トコノクボ ーとある絵描きの半生記ー 』は、いちどに不幸が重なってしまい、絶望的な状況に陥ったひとりの青年の10年間を描いた実録マンガです。

忌まわしい父親


榎本さんのお父上は、まさに鬼畜です。マンガに描かれた数々の所業を読んでいると、思わずキチなんとかという言葉が口から出そうになりました。

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少年時代。榎本さんが可愛がっていたハムスターを壁に叩きつけて殺しさらに飼い猫を蹴り殺す。そのうえ、しょっちゅう暴れては家の中のガラスを叩き割ります。

くしくも、榎本さんの生家は和歌山県。大げさに言うならば、中上健次における『紀州サーガ』の凄絶さを彷彿とさせる――親族のしがらみが生み出す、いつ終わるとも知れぬ陰鬱な日々が描かれています。

泣いていた少年が法廷画家になるまで


工業高校を卒業後。榎本さんは、家具製造会社に就職します。長い労働時間に見合った分の賃金が支払われない、いわゆるブラック企業でした。

家庭の状況はあいかわらず劣悪。悪いことは続くもので、連日の激務のせいで、榎本さんはバイクや自動車で事故を起こします。

さらに。お父上が運転中に脳梗塞を起こしてクラッシュ。介護が必要になります。寝たきりになっても行状は相変わらずであり、今度は運子を投げつけられる日々がはじまります。

このあとも。榎本青年には、さらなる試練が課せられます。

2014年現在には、法廷画やイラストの仕事があります。しかし。榎本さんのもとに地元のテレビ局や『みのも●たの朝ズバッ!』から依頼があるのは、運子を投げつけらていた時代よりも、ずっと後になってからです。

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 はたして。どのような心構えと手段によって、榎本さんは酸鼻を極めていた生き地獄から脱出したのか?――読めばわかる!

画業は宿命だった!?


突然ですが。ブライトマン、ご存じですか? 歌手のサラじゃないほう――ロックマン4のボスキャラのひとりです。



じつは『ブライトマン』のキャラクターデザインを発案したのは、中学生時代の榎本さんです。くわしい経緯については、マンガ本編をご覧ください。ロックマンと法廷画。思いがけない組み合わせに驚きました。

他にも、エピソードが盛りだくさんです。1ページに描かれている内容が特濃! 最後まで読み終えたとき、やや陳腐な言い回しですが――

勇気をもらった!
希望がみえた!


(´・ω・`) 恥ずかしげもなく、そんな感情が湧き上がってきました。

大きなケガや、身内の忌まわしいしがらみをすべて引き受けた。逆境に真正面から立ち向かい、やれることは全部やった。いくつもの夜を越えて、ようやく10年が経った。

2014年現在。榎本さんは、その道の第一人者として、いまなお邁進し続けています。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「マンガみたいな不運」度
★★★★★(5)
「じつはイケメン」度
★★★★★(5)
「満足」度
★★★★★(5)
「総合」
★★★★★(5)



著者について


榎本よしたか さん(@YoshitakaWorks)。『えのもと・よしたか』と読みます。フリーランスのイラストレーター、法廷画家。1977年生まれ、 和歌山県出身。

最近では、2013年10月の木嶋佳苗控訴審の法廷画を担当しています。(参考リンク

このエッセイマンガを読んでから、俄然、榎本さんの絵に興味がわいてきました。法廷画やフリップイラスト見たさに民放ニュースを眺める、なんて日が来ようとは……。


※出版社変更に伴い、商品リンクを更新しました。 (2014年2月3日)


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コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. 榎本よしたか
    • 2014年02月05日 00:54
    • 5 リンクの変更、迅速な対応に感謝いたします!
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