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つんどく速報ライター☆イマガワです。

ざっくり言うと


・混浴まんが
・全裸の美少女たちが江戸文化を教えてくれる
・なによりも絵がうまい

さんばか 1
富沢義彦(著) たみ(著)
出版: 脱兎社 (2014/1/26)
2014-01-26


文化文政期の江戸。出版文化華やかなりし時代。作家を目指す少年と読み本マニアの三人娘の出会いが時代を変えていく。読み本、浮世絵、数多の発想は湯屋から生まれた?! 大江戸文学コメディー、ここに開幕。

第一景「湯屋最高!」
電子書籍用描き下ろしコミック。白黒42P。キャラクター紹介6p。

※下記プレビューはPC向けです。

江戸時代まんが


本書『さんばか』は、江戸後期に花開いた出版文化を、美少女たちとの混浴シーンをまじえて楽しく学べる、画期的な学習マンガです。

日本における出版というものを考えるにあたって、寛政━━江戸時代の後期は、たいへん示唆に富む時代です。セルフパブリッシング黎明期の現在、知っておいて損はないと思います。

たとえば。寛政7年(1795年)は、鬼平こと長谷川平蔵が火付盗賊改長官として活躍していたり、実質10ヶ月ほどで姿を消した東洲斎写楽が活動していた時期です。

いずれも、後世の作家や読者たちによって、いまだに語り継がれるほどの強力な魅力をそなえているキャラクターであり、数百年を経た現在も、出版文化に恩恵をもたらし続けています。

専業作家の誕生


寛政~文化~文政年間は、読本や滑稽本と呼ばれる『挿絵入り・会話文主体の大衆本、伝奇物語』が、本格的・大量に流通しはじめた時期でもあります。強引にこじつけるならばライトノベルみたいなものですね。

まとまった額の印税(潤筆料)を支払う慣習がはじまったのも、この時代以降です。

それ以前は、作者のほとんどが学者や武士や商人━━兼業作家だったこともあり、食事をおごったり、遊郭において接待することで済ましていました。

江戸後期においては、大衆による切実な需要に対して、娯楽本の供給が追いつかない状況が発生します。

大衆受けする作家の争奪戦がはじまる━━すなわち生計を立てることができる印税額を得られるようになり、専業作家が誕生します。『東海道中膝栗毛』の十返舎一九、『南総里見八犬伝』の曲亭馬琴などが有名です。

半分くらい全裸シーン


さて、能書きが長くなりましたが━━本書『さんばか』の主人公は、文化文政期に活躍した作家です。

若き日の式亭三馬(しきてい・さんば)。のちに『浮世風呂』という大ヒット作品を生み出す人物です。その名のとおり、江戸時代の公衆浴場における人間模様をおもしろおかしく書いた、大衆向けの娯楽本です。

本書『さんばか』は、三馬(さんば)の掛詞━━であると同時に、バカがつくほど娯楽本を愛してやまない3人の美少女たちのことを指しています。

彼女たちをガイド役にして、江戸時代における出版文化や大衆浴場(混浴)の有り様を理解することができます。

で、なぜ漫画のレビューなのに、能書きばかりで画像引用の1枚も出てこないかというと……。

浮世風呂』の作者に関する漫画なので、当時主流だった混浴における登場人物(美少女たち)の全裸シーンが多く、画像引用するのが難しいのです。

うれしいことに、およそ50ページのうち半分くらいに女性の全裸が含まれているわけで、ことごとく重要なシーンなわけで、引用しようにも出来ないわけで。

sanbaka

こんな感じです。本編においては男女問わず、にゃんぱいやにゃんこ丸出しです。モザイクや墨消しを加えると余計に卑猥になるので、これが限界です。あとは実際に手にとってお確かめください。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

  • さんばか 1
  • 著者:富沢義彦 たみ
  • 価格:200円
  • 読了にかかる時間:約20分(個人差があります)
「混浴文化」度
★★★★★(5)
「絵の魅力」度
★★★★★(5)
「満足」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)



著者について


富沢義彦さん(@Clockwork410)。『とみさわ・よしひこ』と読みます。漫画原作者・シナリオライター。

たみさん。(@tamihoihoi)。横須賀市在住の漫画描き。


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