つんどく速報（電子書籍の感想・レビュー）

こんにちは！
つんどく速報ライター☆イマガワです。

ざっくり言うと

・会社員という仮面をかぶったひきこもりの話
・女性アイドルが好きな女性ニート
・ニコニコで人気の漫画家がKDPを利用した

対人関係断絶系少女改（１） [Kindle版]

まことじ

出版: まことじ (2014/3/3)

誰とも付き合いたくない。付き合いたいけど付き合えない。
そんな人たちのギャグ漫画。表紙を含めて63ページ。

※下記プレビューはPC向けです。

仮面社会人とは

このマンガには、共通点のある2人の女性主人公が登場します。

ひとりは、今宮ノノ子。20代前半の会社員です。人語を解するぬいぐるみと一緒に暮らしています。



一見すると、ごく普通の社会人です。仕事上のコミュニケーションは完璧にこなし、どんな場所にでも一人で行けます。ただし、本心では他人と仲良くする気がありません。

いわば、隠れヲタ・腐女子ならぬ、隠れひきこもりとでも申しましょうか。可能なかぎり人付き合いをしたくないのですが、表情や態度には出さずに本心を隠して生きてます。

貯金3000万のアイドルオタク

もうひとりの主人公は、ぼっち・コミュ障・ひきこもりの三重苦を抱えています。ネトゲ上のハンドルネームである『フジオ』が通称です。



フジオは『ワタモテ』における黒木智子（もこっち）みたいな風貌ですが、性格は悪くありません。

ゲームアプリ開発で一発当てており、貯金が3000万円あるという設定。ノノ子とは異なり、まともに外出もできないほどの対人恐怖症であり、さみしがり屋です。（友達がいないのは共通）

新ジャンルを開拓

フジオは典型的なひきこもりキャラですが、仮面社会人であるノノ子のキャラクターは新鮮に感じました。

本書『対人関係断絶系少女改（１）』は、ニコニコ静画（マンガ）において合計再生数170万回を記録しています。無料で公開されているとはいえ、大ヒットの部類です。

作品に寄せられたのコメントを見ると、ノノ子の『仮面生活』に対して共感を示しているものが多いです。現代的なリアリティがあるような気がします。

SNSは、人間のつながりたい欲求を満たしてくれますが、反動で「つながたくない」という欲求も生まれますよね。本書は、そのあたりの機微をうまく表現しているように思います。

ニコニコ発の人気まんが

本書『対人関係断絶系少女改（１）』は、ニコニコ静画で連載していものを、作者みずからがKDPを利用して電子書籍化したものです。

同様の事例としては、記伊孝『アニウッド大通り』が存在します。こちらも好評連載中。

ところで、タイトル末尾に『改』という表記があります。じつは、原型として『対人関係断絶系少女』という漫画作品が存在します。ここでは『無印』と呼びます。



今回ご紹介した『改』はもちろんのこと、『無印』も面白かったので、作者（まことじ）さんのことを調べようと思ってググっているうちに、春原ロビンソンさんとの対談インタビューにたどりつき、元公務員（税務職員）という経歴を知りました。

のうぜい! ~同人作家のための確定申告ナビ~ [単行本（ソフトカバー）]

まことじ

ハーヴェスト出版

2010-12-16

趣味と業務知識を活かしたマンガも出版しています。

で、ニコニコ大百科の項目から、『らき☆すた』の二次創作マンガである『へんたいかがみさん』に辿りついて、遅ればせながらむさぼるように読み進めたあとに『クローン病日記』というウェブ漫画も見つけました。

まことじさんは、クローン病患者です。

クローン病は、若年期かつ1万人のうち1～2人ほどしか発症しない難治性疾患。しかしながら。まことじさんは、難病を患っているとは思えないほどのペースで、ニコニコや商業雑誌に作品を発表しつづけています。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。（スマートフォン、タブレットでもOK）

著者について

まことじさん（@makotoji16）。1986年生まれ。新潟市出身。税務職員を経て、専業の漫画家になる。月刊アクション連載の『月が爆発したので』好評発売中。

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