こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

ざっくり言うと


・著者は、シャドウハーツシリーズの脚本家
・広義の女刑事ミステリ
・秘湯を有する僻村で起こった殺人事件に挑む

スイッチ1 安麻背伝説殺人事件スイッチ1 安麻背伝説殺人事件 [Kindle版]
町田 松三 (著), 加藤 美也子 (イラスト)
出版: 灰と野バラ文庫 町田 松三; 1版 (2014/1/29)

新潟県は、越後国一の宮とうたわれる弥彦神社で有名な弥彦村。そこから山ひとつ越えたところにある奥弥彦滝村。

取材の要請を受けてこの小さな山里を訪れた温泉探偵・村雨蘭子は、弟の優作と神話の時代から伝わる里神楽の観劇中、殺人事件に遭遇した。

秘祭の夜に現れた血まみれの鬼とはいったい何者なのか!? 事件の謎を追いかけるうちに、村に隠された妖しくも悲しい秘密が明らかにされる。

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。

著者は、有名ゲームクリエイター


町田松三さん。かつてスクウェアで『クロノトリガー』や『ファイナルファンタジーVII』に携わり、のちにPS2ソフト『シャドウハーツ』『シャドウハーツ2』の監督・脚本を務めたという人物です。

今回ご紹介する『スイッチ1 安麻背伝説殺人事件』は、町田さんの公式ウェブサイトにて公開していた小説に加筆修正を施したものだそうです。

ちなみに。本書のイラスト全般を担当している加藤美也子さんは『シャドウハーツ』におけるキャラクターデザイナーです。往年のファンにとっては、ドリームチームといえますね。

元・女刑事のトラベルミステリー


本書は、昔ながらの風習が残っている僻村を訪れた際、殺人事件に巻き込まれてしまう━━テレビの2時間ドラマを連想させるノリのミステリです。

主人公の村雨蘭子は、元刑事。警視庁捜査一課━━つまり殺人課の警部補だったという経歴の持ち主です。

退職後は、作家として活動しており、経験を活かしたミステリー小説を書いたり、全国の湯治場をめぐったレポートを書いて生計を立てています。

取材旅行のお供は、優作という12才の少年です。なにやら、凄惨な事件の被害者であることをほのめかす記述が見られます。蘭子が引き取って、面倒をみているようです。

秘湯の村にうずまく思惑


新潟の奥弥彦滝村で毎年おこなわれるという稚児祭りの晩。里神楽という舞が披露されている最中に、村の長老が何者かに襲われます。

悲鳴のもとへかけつけた蘭子たちが見たもの━━身の丈2メートルの怪物です。形相は鬼そのものであり、巨体を蓑で包み、血がべったりとついたナイフを持っていました。そばには、血まみれの死体が……。

安麻背(あまぜ)という鬼の伝説。秘湯を有する奥弥彦滝村のリゾート開発を目論む勢力。忌まわしい凶行は、人の仕業か? 怪(あやかし)による祟りなのか?

続刊にも注目


本書において発生する『安麻背伝説殺人事件』は解決しますが、シリーズ続刊があるようです。

作者あとがきによると『この先、より奇怪で猟奇的な難事件に立ち向かっていくことになる』そうです。

優作くんにまつわる過去の事件も気になったので、続刊である『スイッチ2 アナフェマ』も読んでみよう思いました。内容説明には、スナッフフィルム催眠による猟奇殺人というキーワードがあるので、不穏な展開とグロテスクな描写が楽しめそうです。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)


「ミステリ」度
★★★☆☆(3)
「期待」度
★★★★☆(4)
「満足」度
★★★☆☆(3)
「総合」
★★★☆☆(3)


著者について


町田松三さん(@MatsuzoMachida)。『まちだ まつぞう』と読みます。ゲームデザイナー。脚本家。


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