こんにちは。つんどく速報☆イマガワです。

さて、つんどく速報では、読者からの自薦・他薦を受け付けているのですが、毎日たくさんの情報を寄せていただいており、読むのが追いつきません! ありがとうございます!

そこで、いただいた推薦本のなかから、熱いコメントが寄せられた本を厳選してご紹介いたします。

本来であれば、編集部が読んでからレビューするのが「つんどく速報」のスタイルなのですが、おもしろそうな本の紹介を長い間ため込んでしまうのも申し訳ありませんので、推薦文を添えてここに掲載いたします。

それではどうぞ!



アイドルはソプラニスタアイドルはソプラニスタ [Kindle版]
笹野 高行 (著)

【内容紹介】
話題の女性アイドルシンガーは、実は男子高校生だった――

大人たちの思惑に巻き込まれ、メジャーデビューを果たすことになった「村上愛」こと村上新之介。
プロモーション撮影のため訪れたギリシャで、“彼女”は美しい女性“エレフテリア”と知り合うが、国際的なテロ・グループの襲撃に遭い、ふたりとも誘拐されてしまう。

コミカルで多少脱力系(?)なファンタジック・サスペンスです。現代のギリシャ・エーゲ海の島々を舞台に、ロードムービー風に物語は展開していきます。


【自薦コメント】
この物語はエンタメ作品ではありますが、想定外の危機的状況から脱出しよう、生き延びようともがく姿を、ちょっとファンタジックなテイストも交えて、コミカルに、ときにシリアスに描いています。

加えて、少年期から青年期へと向かうひとりの男子が経験する異性との遭遇。そして葛藤しながらも成長してゆく姿を織り交ぜて物語は進行します。

タテ書き。著者は、笹野高行さん。新人女性アイドル。じつは、女装した男の子だった!━━下世話な言い方をするならば『女装男子』あるいは『男の娘』ですね。

本書は、女装男子アイドルがたまたま訪れたギリシャで、運悪く国際的なテログループに遭遇してしまい、誘拐されて、その状況から脱出を図るというサスペンス小説です。意表をつくストーリーですね。

『あとがき』によれば、元はブログ掲載の小説だそうです。(~2012年ごろ)



超絶簡単にどういう風にパソコンにお金をかければ良いか教えるぞよ。: ~90%の人が4万円のパソコンで満足してしまう9の理由~超絶簡単にどういう風にパソコンにお金をかければ良いか教えるぞよ。: ~90%の人が4万円のパソコンで満足してしまう9の理由~ [Kindle版]
表裏未里 (著), 相武祐兎 (イラスト)

【内容紹介】
10万円のパソコンを買うより、4万円のパソコンを買い、さらにオーディオにお金をかけたり、液晶モニターにこだわってみたり。そういうコストパフォーマンスの良いパソコンの買い方をしませんか?

どうせなら賢いパソコンの買い方をしましょう! 約20年近くパソコンをいじっている著者による究極のパソコン購入ガイドがここに登場!


【自薦コメント】
10万のパソコンを買っても、普通の使い方では15%の性能も生かせません。

4万円のパソコンを買い、その他の6万円をパソコン周辺機器(液晶モニターやオーディオ、外付けハードディスクなど)を買うために当てるべきだと解説する本です。

パソコン初心者が戸惑いがちな横文字(例:Skype、ASUS、Corei7等)すべてに、フリガナ表記を添えているところが良いですね。

全15章を収録しています。個人的には、以下の項目が気になります。

2. なぜ4万円のパソコンで満足できてしまうのか。そしてCPU《シーピーユー》の話。

5. 目に優しい液晶と目に優しくない液晶。世界一目に優しい液晶モニターを使おう。

10. コストパフォーマンスの良いプリンタの選び方。レーザープリンタをおすすめ。

12. 4万もお金がない。そういうときは1万5千円の中古を買う。中古パソコンの選び方。

超絶簡単にどういう風にパソコンにお金をかければ良いか教えるぞよ』目次

わたしの経験においても、プリンタの選択は、パソコンが苦手な友人たちの悩みトップ3に必ず含まれています。液晶モニタにおける、グレア or ノングレアの選択も初心者の悩みのタネです。

元は、SNSの日記で連載していた初心者向け記事だそうです。評判が良かったらしく、あらためて1冊の本にまとめた、という経緯があります。



審問官 第一章「喫茶店迄」審問官 第一章「喫茶店迄」 [Kindle版]
積緋露雪 (著)

【内容紹介】
既に鬼籍に入ってしまった「黙狂」であった「私」が書き綴った、男に凌辱された窈窕の女性「雪」との邂逅からの五日間の物語。

【自薦コメント】
この作品は、存在論的な危機に陥ってしい、もう鬼籍に入った「私」と、男に凌辱された窈窕の女性「雪」との邂逅からの五日間の物語の第一章です。

ヨコ書き。著者は、積緋露雪さん。『せき・ひろゆき』と読みます。かっこいいペンネームですね。

と、言つて彼が不意に黙り込んでしまふ事からも明らかに思へたのであつた。つまり、彼は自同律の陥穽に終生堕ち込んだまま、其処から這ひ出た事は一度としてなく、そして、彼はそれを「善し」と自己納得してゐる風でもあつたのである。

審問官 第一章「喫茶店迄」』から引用

丸谷才一っぽい━━つまり、旧仮名遣いの小説です。いいですね。かえって新鮮に感じます。単なる懐古趣味の内容ではなく『U2』という単語も登場します。こういう気骨のある書き手は、ぜひとも西村賢太に続いてメジャーデビューを果たしてほしいです。

作者の積緋露雪さん向けにアドバイスをするならば、KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)等の電子書籍ストアに提出するデータは、なるべく専用ツールで制作したほうが良いと思います。
2014年4月現在における、Kindle本『審問官 第一章「喫茶店迄」』のフォーマットには、やや心もとない部分があるからです。

■無料で利用できる電子書籍制作ツール

EPUB3::かんたん電子書籍作成
テキストデータに簡単な専用タグを加えるだけで、縦書きのEPUB3ファイル(電子書籍)を制作できます。まさに『かんたん』なので、多数のセルフパブリッシング作家が採用している実績があります。

でんでんコンバーター
Markdown形式という国際的な記法を使って、EPUB3ファイルを制作できます。セルフパブリッシング作家だけでなく、出版社によるサンプルデータ制作の利用実績もあるようです。

でんでんエディター
インターネットブラウザだけで、EPUB3データを作成・編集できる。プレビュー(表示閲覧)機能が使えるので、仕上がりを確認しながら執筆できるという利点があります。



あした、ネトウヨ治るかな?あした、ネトウヨ治るかな? [Kindle版]
Taka (著)


【内容紹介】
近年、インターネットを中心に蔓延する人種差別や誹謗中傷。
それらの主要な担い手である「ネトウヨ」と呼ばれる人々を一個の人格に統合し、 時にその人物を、時にネトウヨという抽象概念を主人公にし、二人称で綴った本格的ネトウヨ小説。

新進気鋭の著者が、いわゆる差別用語や放送禁止用語のたぐいを使わず、 また一切の固有名詞を廃することで普遍性を持たせつつ、新たな視点でソフトかつユーモラスに斬りかかる。

【自薦コメント】
ネットを利用する上で避けても避けられない差別や誹謗中傷の問題に関して、 ノンフィクションではなく小説というフィクションのほうから、日本ではおそらく初めて本格的に取り組んだ作品です。

ちなみに某賞に投稿したら、「書き慣れていて読みやすいが、メッセージ性が高いために読者を限定している」などと言われて落選してしまいました……(大泣き)。

タテ書き。著者は、Takaさん。サンプルを読んでみましたが、確かに二人称小説です。

主語は『アンタ』━━ネット右翼(通称・ネトウヨ)と称される人々を統合人格として扱っています。いわく、

人間である、ネットユーザーである、軍事と国防に関心がある、外国人を嫌っている、外国人と仲良くする自国民も嫌っている、自国と自国民はとても優秀だと信じている、もしも劣った部分があるなら卑劣な外国人による謀略のせいだと信じている、マンガが好き、ゲームが好き、アニメが好き
(中略)
他人の不幸が好き、他人の成功が嫌い、うわさ話が好き、
(中略)
異性が嫌い、正直に言うと異性が好きで怖い、特に美形の異性が大好きだけどなんであれ同棲より劣っているのは確かだと思う、
(中略)
所得が少ない、自分より金持ちは陰でズルしてるだけだと思う、自分より貧乏人は無能だと思う、
(中略)
社会経験が乏しい、一方で差別用語やネットスラングには精通してる、
(中略)
マスコミが嫌い、ネットが好き、ネコが好き、
(中略)
自分が戦地に行くのはまっぴらゴメンだけど徴兵制には賛成、独裁制に賛成、共産主義者が嫌い、
(中略)
団塊世代は左翼なので嫌い、バブル世代は贅沢したので嫌い、ゆとり世代は役に立たないので嫌い、引きこもり、ニート、精神年齢が低い、端的に幼稚……(さらに続く)

本書冒頭に掲げている『ネトウヨ』の定義……の一部です。800字以上を費やしています。たくさん該当する人は怒り狂うでしょうね、きっと。

しかしながら。ネトウヨと呼ばれる人々を揶揄することは、著者の本意ではないようです。
本編では、当事者たちに向けて穏やかな口調で懇々と語りかけています。書簡体小説っぽいので、さしずめ『ネット右翼たちへのお手紙』という印象。このテーマを表現したものとしては斬新な形式です。

長編フィクションという表現形式を借りて、なにか伝えたいことがあるように感じられます。



これでいいのか日本人これでいいのか日本人 [Kindle版]
久和 清幸 (著)

【内容紹介】
本書は、通勤途上の歩道、駅、電車やバス等の中で遭遇する光景のうち、 首をかしげたくなるようなできごとについて、 記憶の新しいうちにその思いを文字に表したいと考え、通勤電車の中で、書きあげたものです。

本書では、日常生活の中で、よく見かける光景を取り上げて、 あるべき姿について私なりの見解を述べましたので、賛否両論あろうかと思います。

【他薦コメント】
頑固親父の鬱憤晴らしでもなければ、老人の繰り言でもない、建設的な提言を読むことができます。首肯できる箇所が多かった。勤勉な著者が、通勤電車のなかで書いた━━という背景をもつエッセイ集です。

ヨコ書き。著者は、久和清幸さん。1950年生まれ、福岡市在住。定年退職していますが、元・海上自衛官です。プロフィールによると、護衛艦や補給艦の艦長を務めていたとか。すごい。

内容は、現代日本に警鐘を鳴らす━━といっても政治経済の話ではなく、日常生活において目につく風紀の乱れや社会道徳について、けっして感情的ではない理路整然とした調子で書いています。

現状に対する不満や嘆きではなく、ある問題や状況に対して、建設的な代替案を挙げることも忘れない。文芸的ではないので、自己陶酔しているわけでもなく、じつに正論が述べられています。

これは皮肉でも何でもなく、パンフレットに印刷して中学校や高校の図書室にでも置けば良いと思います。あまり説教臭くなくて、ちょっとした暇をつぶす読み物としても優れているので。





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コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. Taka
    • 2014年05月15日 08:39
    • お礼が遅くなってしまい、申し訳ありません。『あした、ネトウヨ治るかな?』の著者です。ご紹介ありがとうございました! とても光栄です。これからも応援しております。
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