こんにちは。編集部のまなごんです。
本日のキンドる速報イチオシタイトルをご紹介します。

demi - spring and autumn -demi - spring and autumn -
犬子 蓮木
(2012-10-29)
販売元:Amazon.co.jp

demi - winter and summer -demi - winter and summer -


本文より:
僕は、そういった風に作られているのである。感情のない草木のような亜人として。

感情を欠落させて作られた人間が、いくらかの人間達とふれあいながら生きていく二年間のうち春と秋の物語。
感動を呼び起こすような作品ではありません。
大笑いをさせたり、元気がでるような作品でもありません。
むしろ苛立ち覚えることもあるでしょう。
ただ、少しだけ、はっとするような瞬間があればいいなと願います。

注意:この作品は上巻です。以降は「demi - winter and summer -」に続きます。
39文字 × 18文字換算で74ページ相当の内容です。

目次:
 淡々と沈んでいくプロローグ
 第一章 ただ猫と暮らし始めただけの春
 第二章 秋は拒絶される暖かさ

 以降は下巻につづく
 第三章 冬の終わりに吹く強風
 第四章 夏の柊
 深々と溶けていくエピローグ




博士が作ったのは、感情を欠落させた自らのクローン。


クローン誕生後に博士はなくなり、感情のない人間が生き残る。
自分の生命と引き替えに誕生させたクローンに博士が求めたものとは?

※ 「demi - spring and autumn -」は上巻、「demi - winter and summer -」は下巻です。2冊同時に読まれることをオススメします!

下巻のラストシーンで、感情のない人間を誕生させた博士の意図が明らかになります。



感情のない人間の日常


主人公は、感情のない人間です。感情は自分の気持ちを伝えるものと同時に、人の気持ちを推し量ることができるものです。だから、彼は友達をなくしてしまいかねない失礼な言動もしてしまいます。

日常生活のなかで、感情がないからこそできる行為、できない行為を認識させられながら、私たちの感情が私たちの人生にどのような影響を与えているのか考えさせられます。


クローン器官を移植された喜びと悲しみ


クローン技術で作成した器官を移植された人物が登場します。それによって彼はそれまでの苦しみから解放されますが、新しい社会的な問題にも直面します。


人々のやさしさと、社会の厳しさが交差する「かわいそうな」現実に直面した彼は、悲しみを感じますが、決してそれだけではありません。そこに、人間の感情が生み出す救いを感じることができました。

感情と人間


あるTV番組で、芸能人の方が「僕は人見知りをする方で、、、」と語っていました。彼は笑顔を作るのが苦手のようで、そのときの彼の表情は真顔でした。

ほほえみのない表情は、向ける相手に受け入れていないというマイナスのシグナルを与えることなります。彼の表情をみた人の顔も、きっと真顔になってしまうのでしょう。 それで、自分の性格を出せなくなり、次第に人見知りになっているのではと思いました。

感情は人々のコミュニケーションを円滑にしてくれるものであり、また生きていることを実感させてくれるものでもあります。

感情を欠落した主人公の気持ちを通して、感情を抱いたり感情を表現したりできる人間のすばらしさを感じることができました。

最近、感情表現がうまくできていないのではとお考えの方に、読んでいただきたい本です。


考えさせられる度
★★★★☆(4)
主人公の好感度
★★★☆☆(3)
(下巻の)ラストの衝撃度
★★★★☆(4)
(上巻・下巻)総合
★★★☆☆(3)

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. あ
    • 2012年12月28日 13:03
    • 俺は自分のことを、無口で人見知り、大人しい控えめな人だと思っている。
      だが友人から言わせると、感情的な気分屋で、顔見れば機嫌が直ぐ分り、お喋りで自分勝手で短気で気難しいと言われてる。

      分らん・・・
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