つんどく速報（電子書籍の感想・レビュー）

みなさんこんにちは！
今年もあと3日。
やり残したことはありませんか？ 忘年会しましたか？ 年賀状書きましたか？
年末年始は、郵便局が一年で一番忙しい時期なんです。年賀状の前にお歳暮やクリスマス関連品も配りますからね！
メールよりハガキ派☆カンザキです。

今回は、宇宙を飛び回る郵便配達員(ポストマン)の小説をご紹介しましょう。

POSTMAN！！（１）：ア・ノーブル・ウーマン
著者：長谷川 圭佑
(2012-12-01)
販売元：Amazon.co.jp

遠い未来ーー
ワームホール・ワープ航法の実用化により、人類は、数万光年もの距離を一週間程度で移動することを可能にしていた。
宇宙開拓の夜明けから400年余り、今や、宇宙の様々な場所に人工植民惑星が存在し、人々が暮らしている。
一方で超光速の通信手段は未だ発明されていないため、人々は惑星間の連絡を、ワープ航法を使って直接書類を届けるという、原始的な「手紙」に頼っていた。

国際宇宙郵便の配達員であるケンゾー・コシノは、地球から三万光年離れた人工植民星「ノップス」のとある屋敷に手紙を届けるが、そこに住む少女から、無くなった指輪を捜すことを依頼される。
指輪に隠された、本当の“価値”とは？　
SFハードボイルド探偵小説シリーズの第一弾。（続刊予定）

2012.12.1　発行
2012.12.13　一部修正　

配達ついでの酷い依頼

こちらは、『POSTMAN！！』シリーズの第一巻で、短編小説くらいのボリュームです。
事件をどんどん片付けていく、爽快感あるハードボイルド小説がお好きな方におすすめします。

Noble(ノーブル)とは「高貴な」「貴重な」「貴族」を意味する英語。
サブタイトルのア・ノーブル・ウーマンは、依頼人の少女・ハヤのことでしょうか。girlではなくwomanと表現しているのは、物語後半で明かされる彼女が大人びてしまった理由の伏線なのかな、と。読了したあと感じました。

主人公は彼女を12～3歳の少女と表現していますが、頭の回転がよく、相手がサラリーマンなのを逆手にとってしまいます。しかも大事な事は伏せておく、大人の交渉術も手馴れたもので…。
これはもうモンスターなんとかや、パワハラに近い。
しかし、単なるワガママ小娘ではありません。彼女はまっとうしたい信念があったのです。

有りそうで無かったSF設定＋ハードボイルド＆ミステリー＋ヒューマンストーリーで、読み応えあるエンターテイメント短編小説です。

電子書籍の活用アイディア

筆者の長谷川圭佑さんは「連作短編シリーズのバラ売り」という電子書籍向けのビジネスモデルを企画しており、その第一弾タイトルです。
シリーズものを読む場合、紙の本なら4～5冊売らなければならないところ、電子書籍なら1話1章分からバラ売りが可能なので、売り手＆買い手双方に配慮しています。

続巻が気になるタイトルですので、まず1巻、ぜひお手にとってお試しください。