こんにちは、「きんどるどうでしょう」というKindleまとめサイトを運営しておりますzon と申します。今回も「キンドる速報」さんのスペースを頂戴し、弊サイトにて実施していますKindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする「KDP最前線」のコーナーをダイジェストでお送りいたします。
今回はタフガイが活躍するSF作品がお2人。あるいは未完成作品を集めた実験作、体当たりの風俗紀行、そして講談社の新人賞応募作品をインタビューしました。

第16回:「月光と猟犬のサーガ」作:川口世文


絶対嗅覚の男−−それが乾彪に与えられた呼び名だった

物語の舞台は東シナ海に浮かぶ島国〈月光〉。非合法だったドラッグが全面解禁され、銃器の所持も認められている半面、カフェインを含むあらゆる製品が禁止されている特殊な国だった。主人公・乾彪(いぬいたけし)は類い稀な嗅覚と記憶力でこの月光であるトラブルに巻き込まれていく。月光と猟犬のサーガを語る上で欠かせないのは、非常に作りこまれた世界観と舞台設定だろう。ドラック、アクション、暴力的な物語はかなりハードだ。

月光と猟犬のサーガ 上弦月光と猟犬のサーガ 上弦
著者:川口 世文
販売元:東京コンテブラザーズ
(2012-11-10)
販売元:Amazon.co.jp

月光と猟犬のサーガ 下弦月光と猟犬のサーガ 下弦
著者:川口 世文
販売元:東京コンテブラザーズ
(2012-11-10)
販売元:Amazon.co.jp


――この作品を書いたキッカケを教えてください
本を買ったり読んだりすることは好きなのに、本が部屋に溜まっていくのが大嫌い。手に入りやすい本はみんな手放してしまうので、ヘンな本ばかりが手元に残る。また、自分でも本を出してみたいのに、実際に本になるのは貴重な資源の無駄遣いのような気がする。そんな風にとても「あまのじゃく」の性格だったため、自分のなかでずっと矛盾を抱えてきました。そして「電子書籍」の可能性が俄かに高まってきて「これだ!」とピンときました。今回の作品を書き始めたのは実はもっと前からなのですが、KDPの仕組みができて、ようやくこの作品の「突破口」が見つかって、一気Kindleに向けて仕上げた感じです。

続きはこちらから:http://kindou.info/5699.html#more-5699

第17回:「関西一夜で三新地めぐり」作:赤線青線


朝起きたときはそんなに姦りたいわけでは無かった。

今回インタビューしますのは、風俗レビュー紀行記です。脱帽した!作者の勢いに脱帽した!!晴れ間を求めて東京から大阪の風俗街までノリと勢いで向かった著者が体験した”大人の時間”を書き下ろしています。なかなか落ち着いたエッセイ風にはじまるのだが、実際の濃密な風俗レビューは生々しい。しかも、12月22日に取材へ出発して、12月23日にはリリースとか、流れるようなコンボ技だ。ライブ感がすごい。生きてる、生きてるよこの本は!

関西一夜で三新地めぐり関西一夜で三新地めぐり
著者:赤線青線
販売元:電書刊行会
(2012-12-23)
販売元:Amazon.co.jp


――この作品を書いたキッカケを教えてください
最初にダイレクトパブリッシングした『日本列島ちょんの間紀行』が20日間で120くらい売れていたから調子に乗ってこれ書いたんだよね。青春18きっぷを買って神奈川から大阪まで10時間かけて行って体張って取材してさ。たかが3回射精するために大阪。バカみたいだろ。

続きはこちらから:http://kindou.info/5751.html#more-5751

第18回:「未完成」作:牟礼鯨


あなたなりの「未完成の美」を見つけてみてください

本作は牟礼鯨さんが『完成させることができなかった』作品の中から光るもののあった6篇が収録された短篇集だ。通常未完成作品は著者の机の奥で眠るだけだが、こんなカタチで世に問えるというのは非常に面白い。たしかに、これは有料で販売されている本だ。ある人が読めば「読者をバカにしている!」なんて顔を真赤にするかもしれない。もちろん賢い消費者である読者は見向きもしないだろう。
だが、そうした読者の行動を恐れて未完成品を世に出さないのはもったいないと思うのだ。著者が個人的に持っているだけでは誰にも評価されることはない。出版とは自由だ!表現とは自由だ!案ずるなKDP作家諸君!こうやって恐れず『未完成品』を世に問うていくのはKDPの新たな可能性でなかろうか。
もちろん本作は未完成品。モヤモヤとしたところで終わる。オチつかず。イライラするムッキー!!しかし、そのモヤモヤもとにを自分なりのフィナーレを考えるというのも面白い。創作というのはこういうものだ。気に入らない結末をぶっ潰せ!読者を試す一冊、それが「未完成」だ。もっと多くの作家の「未完成」が出てくれば面白いと私は思う。


未完成未完成
著者:牟礼鯨
販売元:西瓜鯨油社
(2012-12-20)
販売元:Amazon.co.jp


――この作品を書いたキッカケを教えてください
『コルキータ』や『死に逝く者が貴殿に挨拶を』や『ペレイッラとカカオの森』などの作品群と同じ架空惑星を舞台にして書かれた作品群のうち、生活環境が変わって書くのをやめてしまった、あるいはその作品の存在そのものを忘れてしまった等の理由によって中途で投げ出された未完成作品だけを集めて本にしました。

続きはこちらから:http://kindou.info/5738.html#more-5738

第19回:「ビスマスの母娘」作:矢間たかし


「あのさぁ、500円で勝とうって気なの、ねっ?」
「そりゃあ、そんな気でもなきゃ、行くわけねーだろっ!」


講談社の新人賞に応募したという本作はとても上質な恋愛ミステリーだ。5年前に起きた死亡事故、借金を抱えた父と娘…そして蒸発した母親とホストクラブの関係、それぞれの過去が現代に重なり1つの事件に結びついていく。高い文章力としっかりしたキャラクター、なにより読者を引きつけるストーリー展開のレベルが非常に高い。個人的には主人公・健一が実践してるチラシ配りの個人事業はナルホドなーと感心しました(笑)

ビスマスの母娘ビスマスの母娘
著者:矢間たかし
販売元:Kuro Publishing
(2012-12-16)
販売元:Amazon.co.jp


――この作品を書いたキッカケを教えてください
当時、自転車で街をぶらついていた時に、小さい女の子が猫と遊んでいるのを見かけたんです。猫は女の子の首の後ろに乗っかっていて、女の子が降ろそうとしてもなかなか降りない。
その様子が滑稽というか可愛らしくて、自分の中にイメージとして残りました。頭の中にイメージが残っているうちに、その光景をそのまま文章にしてストーリーも付け加えたんです。
この作品はそんな出来事から生まれました。

続きはこちらから:http://kindou.info/5819.html#more-5819

第20回:「POSTMAN!!-ア・ノーブル・ウーマン-」作:長谷川圭佑


私の名前は、ケンゾー・コシノ。職業は、宇宙郵便配達員だ。

本作は遠い未来、超高速のワープ航法により人類の生存圏は大きく広がったが、通信手段が発達せずに未だに手紙を使っているという面白い舞台設定のSFだ。主人公・ケンゾーは郵便配達員。地球から三万光年離れた人工植民星「ノップス」のとある屋敷に手紙を届けるが、そこに住む少女から、無くなった指輪を捜すことを依頼される。「ハードボイルド」「渋い中年の男」「SF」が好きな人のこころに響くだろう。非常に読みやすい短編小説だ。

POSTMAN!!(1):ア・ノーブル・ウーマンPOSTMAN!!(1):ア・ノーブル・ウーマン
著者:長谷川 圭佑
(2012-12-01)
販売元:Amazon.co.jp


――この作品を書いたキッカケを教えてください
以前から、機会があったらどこかの新人賞に投稿するつもりで考えていた構想があったのですが、そのうちにKDPというものが始まったのを知って、これに出すために設定やストーリーをより「商品」として見栄えのするものに改めました。
1ユーザーとしてKindleを使っていて、東野圭吾さんの『ガリレオ』シリーズがエピソード単位で買えたらいいのにな、とふと思ったので(氏の作品は今のところどれも、単行本単位でもKindle版にはなっていませんが)、自分でそういう売り方前提の作品を書いてみようと思いました。

続きはこちらから:http://kindou.info/5813.html#more-5813

次回予告


「SFが苦手な人にも読んで頂きたいですし、SFアニメ的な作品が少ないと嘆いているライトノベル読者にも読んで頂きたいです」
「電子書籍という世界が、劇作家やシナリオライターにとっての新しい作品発表の場になったらいいなと思ってますし、きっと「なる」と信じてます。」
「大抵は最初にあらすじを決めて書きはじめますが、途中で逸脱して後はアドリブで——というのがいつものパターンであり、今回の作品もそれに違いません。」
「女に生まれていないと…わからないところがある物語、かな…と思いますね」
「不思議なことに、1000冊DLされたブラジル編が、売上も一番上なんですよね」


次回はプロのライトノベル/SF作家さんによる投稿時代の長編作品や、KDPでは珍しい戯曲作品、ハードボイルドアクション、ホラー作品に旅行記とKDPの可能性を感じさせるバラエイティ豊かな作家陣へインタビューしました。引き続き、KDP最前線をよろしくお願いします。

告知


1月28日(月)にはキンドる速報さん主催のイベントにてKDP作品をぶった斬るトークイベントを行います。このダイレクト出版はスゴイ!と表して、あーだーこーだとオフレコでお喋りいたします。是非ご参加くださいっ!

お待たせ!『このダイレクト出版がすごい!Vol.1』トーク&展示イベント開催

きんどるどうでしょうhttp://kindou.info/
このサイトはAmazonKindleってどうなんだろう?という疑問からスタートし、著者の声や新刊、値引き本などKindleのあらゆる情報をお届けしています。

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