こんにちは。昨日、初めて京王井の頭線に乗った編集部のまなごんです。
下北沢で迷子になったことは、まだ秘密にしています。

本日は、戯曲作品をご紹介します。

DISTANCE (がんばれ!アクターズ戯曲シリーズ)DISTANCE (がんばれ!アクターズ戯曲シリーズ)
著者:こくぼ しんじ
(2012-12-23)
販売元:Amazon Services International, Inc.
『卒業式の夜、流れ星に願いをかけると、どんな願いでも叶う』

高校生活最後の夜、主人公ひかりと4人の少女たちは、他愛のない学園伝説を信じて、流れ星にそれぞれの夢が叶うことを願った。

この不思議な流れ星が、願った者の夢を叶えたあとで、夢の大きさに見合った「跳ね返り」を必ず求めてくると知らないまま‥‥

「交通事故で死んだ初恋の人、桂一くんともう一度会いたい」

ひかりの願いは流れ星に届き、やがて死んだはずの桂一がひかりの前に再び現れる。
だが、この世の摂理に逆らう彼女の願いには、この上ない「跳ね返り」が待っていた……!

2010年春に行われ、大好評だった青春サスペンス群像劇。その公演台本を電子書籍化!


最初、戯曲の読み方がわからずに戸惑うかもしれません。しかし、役者気分になって大いに、つまりオーバーアクションで、読もうではありませんか。黙々とではなく、声をだして読むことを私はオススメします。


観客を飽きさせないテンポのよさ


この作品は戯曲用なので、実際には観客がいます。観客に飽きさせないための工夫がなされています。

主人公のひかりは、元彼を8年もわすれることのできず、前を向けずにいる女性です。この主人公に引きづられると、物語全体が暗くなりすぎてしまいます。

小説ならアリだと思うのですが、演劇全体がどよんとしてしまうと、観客としては疲れてしまいます。


対照的に、ひかりの友人たちの会話は、女子会に参加している女性同士の会話のようにリズミカルで、テンポも早く、クスッと笑えるものになっています。

この喜怒哀楽の濃淡。どのタイミングで、どのように差し込むか、このあたりは戯曲ならではのノウハウが詰まってると思いました。



戯曲をそのまま


著者があとがきに記されていますが、戯曲のまま出すか、小説風にして出すか直前まで悩まれていたそうです。しかし、戯曲のまま電子書籍化されることを選択されます。

実はこれまで、シナリオや戯曲は尺が短いため書籍化が難しく、なかなか世に出てこなかったそうなんです。
しかし、電子書籍の普及によって自由に、そして適正な価格で随時出版できるようになります。

著者は、同じシナリオライターや劇作家の皆さんに呼びかけます。

「シナリオや戯曲をそのまま電子化してみよう」と思い立ち、続いてくれたら、本当に戯曲やシナリオを取り巻く環境が変わるかも、なんて8年っています。

この声に呼応する人がきっとでてくるでしょう。
新しい世界がすぐそこに待っていると私は思います。


戯曲度
★★★★★(5)
ウジウジしてんじゃないわよ度
★★★★☆(4)
流れ星ひどい度
★★★★☆(4)
総合
★★★★☆(4)

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