こんにちは、『きんどるどうでしょう』のZONです。

今回も「キンドる速報」さんのスペースを頂戴して、Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビュー「KDP最前線」ダイジェストをお送りします。

今回も5名のKindle著者さんの作品の特徴や出版のキッカケを聞いてきました。引きこもりエッセイや戦争をテーマにしたイラスト本、暴力と破壊の小説やぐにゃぐにゃマンガとKindleの世界はバラエティ豊かです。


第56回:「夏の駄駄」作:福森亮太


「私という人間は、まったく困ったものだ」

これは引きこもり随筆と呼べばいいのかしら。作者の福森さんが引きこもっている夏のことを綴ったものです。過去の思い出や自分自身のことを客観的にしたり顔で語るのがなんとも味わい深い筆運びで語られている。いやはや、著者自身は「淡々とした つまらないもの」といっちょりますが、これはこれで骨のある文章ですな。
たぶん、リア充の人が読むのと、絶賛引きこもり中の人が読むのは感想違うんだろうなぁ…引きこもりを満喫している私にとって、この文章はクセになる。面白い。


夏の駄駄夏の駄駄 [Kindle版]
著者:福森 亮太
出版: 福森 亮太
(2013-02-03)


――この作品を書いたキッカケを教えてください
就職してもすぐに辞めてしまいます。
働くことが億劫で、でもお金がないと生活していけないので再び就職活動をするのですが、落とされたり、うまくいかなくて、現実逃避をして自宅にひきこもるようになりました。
人とも会わず、次第に自分への自信もなくなり、膨れ上がっていくカードローンに怯えながら生活していたところ、「14年連続自殺者3万人」というニュースが流れました。
私の「死」は私自身の固有なもの、「私個人」の問題であったはずなのに、私の「死」が社会化されていること、「社会」の問題となっていることに、私は、私の死さえ選べないのでした。
独り言や妄想ばかりの毎日の中で、文学だけが唯一の対話相手でした。特に、武者小路実篤『友情』との出逢いは、「私はまだ何も人生について知らないのだ」と気付くきっかけとなりました。
“喋りかけてくる”文学に、私は応えようと思いました。文章を書き始めました。やがて、「私は私の人生に、何かを残さなければならない」という使命感が芽生えました。書き終えた文章を読んだとき、初めて気付いたのですが、「これはひきこもりの自分語りだ」と思いました。
内容紹介で「ひきこもり」というフレーズを用いていますが、それは書き終えてから付けたものです。そしてこの際であるからと、思い切って「ひきこもり文学」と呼ぶことにしました。都合がよすぎるなぁと思いますが、大きくはずれているわけでもないので、そう呼ぶことにしました。


続きはこちらから:http://kindou.info/8202.html#more-8202


第57回:「故郷を百万歩」作:寺田雅彦


『敵ブロックの爆弾で作られたこの模様は「爆条紋」と呼ばれ、色々な物が溶けて混じり合っている。』

本作は戦争をテーマにしたイラストストーリーだ。核爆弾を彷彿とさせる爆弾で吹っ飛んで、ボロボロになった故郷をさまよう少年の話。悲劇ってやつは向こうから勝手にやってきては根こそぎ全部奪っていくからね。諸外国と大変キナ臭いことになっていますが、何かあれば誰かが被害を負うわけで。それは自分かもしれないし、他人かもしれないのですが、少しそういう不幸について考えを巡らせるキッカケになるかもしれませんね。

故郷を百万歩故郷を百万歩 [Kindle版]
著者:寺田雅彦
出版: 寺田雅彦
(2013-01-24)


――この作品を書いたキッカケを教えてください
元々は自分のサイトで発表したもので、2004年2月に第1話、2005年3月に最終第4話をアップしています。9.11テロから、アメリカ合衆国によるアフガニスタン、イラクへの侵攻へと続いていった頃、戦争への恐怖感が高まり、自分や家族が生活しているところが戦場になり爆撃されたらどうなっちゃうんだろう?と想像し始めたのが執筆のきっかけです。
自分の家族を悲劇が襲ったら、というところを想像の足がかりにするため、主人公は当時の息子と同い年にしました。
少年の思い出も、我が家で実際にあった出来事をちりばめてあります。
現実には一歳になる娘もいたのですが、物語世界では主人公に妹はいません。戦争が無ければこの少年にも妹がいたかもしれないと思いながら書き進めました。
ちなみに息子も娘もすくすく育ち、健康に毎日暮らしています。


続きはこちらから:http://kindou.info/8286.html#more-8286


第58回:「@ルーザー」作:安東洪児


「あまねく全ての汗臭い体育会系男に死を!」

うあぁぁぁあああ、なんて暴力が支配する小説なんだ…開始直後からフルスロットルの世紀末感が漂っている。そうだね、クロマティ高校が数百倍濃くて厳しい学園生活間違いなしだなー。銃声、爆発、拷問、革命。ありとあらゆる暴力が詰め込まれた学校にはいった主人公の生活を書いた作品だ。淡々としているが、この主人公も相当イカてるよ…。ぜひ、サンプルを読んでこのグロテスクさをお楽しみいただきたい。不謹慎と思う人も多いだろうなあ…というか、R15くらいはつけたほうがいい。ダメ、ゼッタイ。

@ルーザー@ルーザー [Kindle版]
著者:安東洪児
出版: VIOLENT VIDEO INFO
(2013-01-27)



――この作品を書いたキッカケを教えてください
もう13年前のことで随分記憶が薄れています。ちょうど高校卒業前で己の総括のつもりだったかも知れません。
また当時はブックデザインの勉強をしていたので素材を作る目的もありました。

続きはこちらから:http://kindou.info/8429.html#more-8429


第59回:「ぐにゃぐにゃ星人ぐにゃくん!!」作:よしおかぶるげ


『脳みそぐにゃぐにゃにしてお読み下さい。』

恐らくKDP本で一番脱力させてくれるマンガでしょうなあ。とにかくロックな生物ぐにゃくんの身体を張ったシュールギャグ4コマ。カラダが柔らかく、切っても再生。そして伸びる。作品全体に流れている、ストーリーなしの勢い勝負なネタに癒されます。


ぐにゃぐにゃ星人ぐにゃくん!!ぐにゃぐにゃ星人ぐにゃくん!! [Kindle版]
著者:よしおかぶるげ
出版: よしおかぶるげ
(2013-01-22)


――この作品を書いたキッカケを教えてください
小学校の頃描いていた長編マンガの途中に、箸休め的に何か数ページのマンガを差し込みたいなと思って描き始めたのがきっかけです。
ジャンプでいうなにわ小吉の『王様はロバ』みたいな感じの。当時メチャメチャ好きだったので。
今では箸休めどころかぐにゃくんがメインの活動になっちゃってます。


続きはこちらから:http://kindou.info/8489.html#more-8489


第55回:「大東京共和国の一日」作:杉崎淳


「煙草と俺は似ているな」「・・・・・・どこがですかね」「嫌われ具合がさ」

今回ご紹介しますのは、ホラー小説。日本の北関東に存在する独立国家「大東京共和国」を舞台にした短編小説だ。本文全体に漂うアイロニーな空気は病みつきになりますね。ほんと、怪奇小説といった体で素敵です。どうにもヘンテコリンな国営放送、不気味な同僚、そして連続する飛び降り自殺。練り上げられたストーリーの結末にきっとご満足いただけるでしょう。

大東京共和国の一日大東京共和国の一日 [Kindle版]
著者:杉崎淳
(2013-01-06)


――この作品を書いたキッカケを教えてください
意図的に文体を変えながら、ホラー短編をいくつも書いていた頃の作品の一つです。
この作品はハードボイルド調でいこう、と決めて書き始めたはずが、テレてしまったのか結果的に自分の作品としてはとてもギャグ要素の多いものになってしまいました。
テーマである、全体主義国家で異国人が独り翻弄される不条理さ、というのは、特別政治的な主張や信念や批判精神がバックボーンにあるわけでもなく、「こういう状況って怖いよね」というアイデアの一つとして書いてみただけです。


続きはこちらから:http://kindou.info/8586.html#more-8586


次回予告


「倒す以外に選択肢はないだろ。月面までブッ飛ばしてやる!」
「もう、あっちゃんたら。ここからが聞かせどころなのに」
『”弱さ”を表現しようとして、いざ書こうとしても、僕は何から手をつけて良いのか、判らなくなっていた。』
『断言します。かならずお子様は変わります。』
「終わらせるとは言ったが助けるとは言っておらん。刀を抜いた以上、斬るか斬られるかだ。違うか」


次回は編集者、プロのイラストレーターもついた本格ライトノベルから、女の子の可愛さをお楽しみ頂ける落語本、少し不思議な神様と女の子を探すおはなし、子供を勉強好きにさせる本、そしてプロ小説家の歴史活劇をお送りするぞ!これからもKDP最前線をよろしくぅっ!


きんどるどうでしょう http://kindou.info/
このサイトはAmazonKindleってどうなんだろう?という疑問からスタートし、著者の声や新刊、値引き本などKindleのあらゆる情報をお届けしています。

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