こんにちは!
子供が大好き、つんどく速報ライター☆イマガワです。
今回レビューするのは、読者を選ぶ作品です。けっして女性にはオススメできない内容の小説。
子供が大好き、つんどく速報ライター☆イマガワです。
今回レビューするのは、読者を選ぶ作品です。けっして女性にはオススメできない内容の小説。
藍の炸裂 [Kindle版]
著者:不狼児
(2012-10-13)
サスペンスもない、ミステリーもない、純文学ノワール小説。
その実態はランボーの散文詩『地獄の一季節』の忠実なパロディにして、幼児性愛者、教師、人殺しの告白。悔いるふりをしながら自己弁護し、卑下しながらも際限なく他者を罵倒する。人生はゴミ箱の底にある。
「弁護の余地のない傑作!」「この上なく不快な人物造形」「読まずに捨てた方がまし」「汚らわしいだけ」と各界から絶賛の批評は全くない、本を読む楽しみとは無縁な「とある身近な犯罪記録」。
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
ある性犯罪者の告白
元・小学校教諭の男性。小学1年生の女児2人を連れ回し、暴行を加えたのちに殺害しました。その所業は許されるはずもなく、この物語の冒頭時点では、すでに極刑に処されています。(ネタバレではない)
自動書記(オートマティスム)
ユニークなのは、語りの形式です。本書の大部分は、ある20代前半の女性の唇から発せられる自動書記(オートマティスム)によって構成されています。死刑になった元・小学校教諭の霊魂がその女性の唇を借りて、懺悔と回想をかねた一人語りを繰り広げるのです。
俺の生活は饗宴だった
容姿に優れていたのか、それとも強力な催眠術を使えたのか……。複数のあどけない少女たちは、元・小学校教諭に引き寄せられるようにして肌と肌を重ね合い、校内で、屋外で、手を変え品を変えて、ゆるされざる交情を繰り返していました。
イタコ役は、かつての小さな恋人
作品内にて自動書記(イタコ語り)を担っている女性は、元・小学校教諭とただならぬ関係にありました。交際は小学2年生の頃からはじまり、中学校に進学したあたりまで続いていたのです。
珠玉の文章表現が楽しめる
主人公である性犯罪者の所業に対しては反吐が出ますが、被害女性の自動書記によって繰り出されるさまざまな言葉は、憎らしいくらいにキマっています。
俺が出没するあらゆる地点で、少女たちが恥ずかしい思いをした。
たったのワンセンテンスで、元教師の異常性と鬼畜っぷりを表現することに成功しています。はじめは扱っているテーマにうんざりしましたが、10ページほどを読み進めたあたりで、卓越した表現力と文体から目が離せなくなりました。
あの作品を彷彿とさせる
本書『藍の炸裂』の良き読者となりうるであろう一部の大きなお友達の皆様のために申し上げるなら、まさに『ろりとぼくらの。』(クジラックス)のノベライズ版の様相を呈しており、もしかしてご本人なのでは?と、疑いながら読んでいました。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。
- 藍の炸裂
- 著者:不狼児
- 価格:159円
- 読了にかかる時間:約2.5時間(個人差があります)
- 「反倫理」度
- ★★★★☆(4)
- 「ナボコフ」度
- ★★★★☆(4)
- 「クジラックス先生ですよね?」度
- ★★★★☆(4)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
不狼児さん(@furoji)。『ふろうじ』と読みます。作者ブログの記事(リンク)を拝見したところ、ワールド文学カップと称して、好きな文学作品がいくつも挙げられていました。『眼球譚』(J.バタイユ)、『黒いユーモア選集』A.ブルトン、など。
レビューにて言及しましたが、本書『藍の炸裂』でも自動書記(オートマティスム)を扱っています。なるほど『シュルレアリスム宣言』の著者であるブルトンの名が挙がるのは必然ですね。
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殺す以外更生の道は無い