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つんどく速報ライター☆イマガワです。

今回ご紹介する電子書籍は、日本SF大会でも絶賛されたという伝説の同人誌です!


絶滅!? SF研の死闘絶滅!? SF研の死闘 [Kindle版]
著者:都築由浩
出版:UpsideDown
(2013-04-12)

 たった3人残った会員全てが卒業予定者の弱小SF研究会。現役会員とOBの浅間を巻き込んで、SF研究会を命がけの危機が襲う。そしてSF研は生き残ることができるのか!?

 1998年に同人誌で発表され、日本SF大会会場で「大学SF研に所属してるならこれは読まなきゃ」とまで評されたSFファン必読の一冊が、新たに堺三保氏の解説を追加して電子書籍化。

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。



廃止確実な、大学SFサークル


土古園(どこぞの)大学のSF研究会は、廃会寸前でした。現会員の3名は、ちかぢか卒業することが決まっています。新入生はゼロ。見学には来たものの、結局は定着しませんでした。

新入生が寄り付かなくなった理由は、ただひとつ。現会員の1人が『SFの必読書』を押し付ける、いわゆる古典原理主義者だったからです。ミステリファンの間でも、おなじみの光景ですね。

起死回生の秘策


SF研究会の存続をあきらめて部屋の掃除をしていたとき、腹をパンパンにしたまま死んでいる蚊(か)を発見します。

蚊はヒトの血を吸います。現会員のひとりは、遺伝子工学を専攻していました。そこで、蚊の体内にあった血液から人間のDNAを摂取することを試みるのです。

OBたちのSF遺伝子を移植する


蚊の死体は古く、腹のなかで凝固していた血液はSF研究会のOBたちのものでした。OBたちは、筋金入りのSFファンであり、当然のことながら先天的なバイタリティーを備えています。

そこで、蚊の体内に残っていた血液をもとに、SF研究会OBたちのすぐれたDNA情報を含む製剤を開発します。あろうことか、それを新入生たちに飲ませるのです。

バイオハザードが発生


狙いどおり、新入生たちは古典SFを読むことを厭わない、いわばSF強化人間ともいえる存在に生まれ変わりました。しかし、同時にとんでもない超能力を使えるようになってしまったのです。

空想具現化能力。彼らの手にかかれば、おもちゃのレーザーガンが殺傷力を備えてしまいます。このバイオハザードを沈静化する手段は、たったひとつ。暴走している彼らに『ダイゲンスイ』の似顔絵を突きつけることでした。騒動の行方は、いかに!?

対象読者が限られる


この『ダイゲンスイ』というのは、SF作家の野田昌宏氏のことです。海外のスペース・オペラ作品をいちはやく紹介していたことから、当時のファンのあいだで『大元帥』と呼ばれていたそうです。(参照リンク

もともとはSFファン向けの同人誌だったという事情もあり、対象読者は1980~90年代にSFジャンルを謳歌していた人たちに限られます。往年のファンたちが当時を懐かしむのには、うってつけの一冊ですね。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。

「SFパロディ」度
★★★★☆(4)
「スラップスティック」度
★★★☆☆(3)
「なつかし」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★☆☆(3)



著者について


都築由浩さん(@y_tsuduki)。『つづき・よしひろ』と読みます。作家・マンガ原作者。代表作は『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』(ノベライズ)、『災厄娘inアーカム』など。

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