こんにちは!
カボチャの天ぷら(゚д゚)ウマー。つんどく速報ライター☆イマガワです。

中国の人件費上昇にともなってベトナムへ工場移転する動きがあったり、民主化されたミャンマーが盛り上がりを見せていたり。これからしばらくは、東南アジアから目が離せません。

今回ご紹介するのは、『アンコール・ワット』等で有名なカンボジアを描いた青春小説です。


セームセーム・バット・ディッファレンセームセーム・バット・ディッファレン [Kindle版]
著者:八幡謙介
出版:八幡謙介
(2013-03-21)


 『ずっと、このまま ”いい人” でいれば人生失敗せずに済むのかなって』

 ”いい人”ということだけが取り柄の大学生、ユウは、『いい人だから』という理由で彼女に振られ、自我と共に、今まで見えていた世界が一気に崩壊する。

 そこに一瞬垣間見えた世界の外側を探しに、ユウは旅の計画を立てる。そんな彼に旅慣れた保阪先輩はカンボジアを薦めた。

カンボジアを舞台にした、明るく、切ない青春小説。著者KDPデヴュー作!

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。



傷心男子のロードノベル


本書は、カンボジアでの短期滞在を描いた小説です。

失恋したばかりの男子大学生のユウは、春休みを利用してカンボジアを訪れます。世界遺産である『アンコール遺跡』へ向かうバスに同乗したことがきっかけで、美しい日本人旅行者のジュリと意気投合します。

新しい恋の予感


ふたりは、そのまま行動を共にすることに。旅先の開放感もあって、ユウとジュリは良い雰囲気になっていきます。美しいジュリと言葉を交わすうちに、男子大学生のユウは、喪失していた自信を取り戻しつつありました。

しかし、そんな2人の急接近を見透かしたかのように、ジュリの顔見知りだという日本人の男性バックパッカーが現れます。はたして、これは偶然の再会なのか? それとも……。

カンボジアの光と影


いかにも旅慣れていない学生。やたら親切な美人旅行者。そこへ、偶然現れた男性バックパッカー。舞台が東南アジアということもあり、物語の途中からは、単なる学生の旅行記とは言い切れない不穏さが漂いはじめます。

その予感はあながち間違いではなく、案の定、「旅して、恋して、飲んで、食って」などという平凡な展開だけでは、この物語が結末を迎えることはないのです。……読めばわかる!

ネット掲示板で知識を仕入れる


印象的だったのは、ユウの情報源です。

カンボジアでの朝食時に、やけに所帯じみた服装の日本人に話しかけられます。いわゆる『沈没組』です。なるべく生活経費を切り詰めて長期滞在している人々。彼らは、おなじ日本人に先輩風を吹かせたがることで有名な存在です。

ユウは不快に感じますが、事前にネット掲示板で調べていたおかげで、ウザい連中をうまく追い払うことに成功します。カンボジアに生息している、あやしい長期滞在者の生態も知ることができる一冊です。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。

「旅をしたくなる」度
★★★★☆(4)
「リアリティ」度
★★★★☆(4)
「ピザが食べたくなる」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)

著者について


八幡謙介(@kensukeyahata)さん。『やはた・けんすけ』と読みます。ギタリストでありバークリー音楽大学に通っていたという経歴の持ち主です。バークリー出身のミュージシャンといえば『Dream Theater』『Steve Vai』『ミッキー吉野(ゴダイゴ)』などが有名。

八幡さんの場合、ミュージシャンの立場からの著作である『ギタリスト身体論 ー達人に学ぶ脱力奏法ー』も発売中です。

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