つんどく速報（電子書籍の感想・レビュー）

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いちゃラブ大好き！ つんどく速報ライター☆イマガワです。

いまや出版界の花形となったライトノベル。そのなかでも人気を集めるのは、主人公1人にたいして大勢の美少女キャラがむしゃぶりついてくる設定のハーレム型ラノベです。

サクラ戦線異状アリ！？ [Kindle版]
著者：七ケ島　喬介
出版：七ケ島　喬介
(2013-02-02)

一人が一つだけ使える超能力を使える『デバイス』。佐倉友造の仕事はそんな『デバイス』能力で犯罪者を捕まえる事である。

笑いあり恋あり青春ありちょっぴりバイオレンスありな青春活劇ここに開幕。

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。

あらすじ

大橋重工。『デバイス（潜在能力覚醒装置）』を発明した、国内最大手の複合企業です。大橋市を実効支配しており、警察権までも掌握しているという巨大企業。

本書は、いわゆるハーレム型のライトノベルです。大橋市の学園に通う美少女たちが、デバイスによって引き出された超能力を駆使して、巨悪たちと死闘を繰り広げます。

大橋重工＝オムニ社

まさに『ロボコップ』と同じ世界観ですね～。デトロイト市を支配するオムニ社。ロボコップは、警察組織すら民営化してしまった多国籍企業オムニ社によって造られたという設定のヒーローです。

作品の出自がおもしろい

本書『サクラ戦線異状アリ！？』には、特徴的な点がひとつあります。それは、句点『。』の打ち方です。セリフ文とカギ括弧の間に、わざわざ句点を打ち込んでいるのです。以下は、本文からの引用。

「オオハシを敵にまわすつもりか？ 相手は警察権を持ってるんだぞ。そんなことをしたら捜査妨害だとか、そういうことになるだろう。お前自身のためになるような事はひとつもない。」

2013年現在における日本語の文章作法としては誤りだとされている記法です。これを著者の無知によるものと決めつけるのは簡単ですが、ここはひとつ戯れに、仮説を立ててみようと思います。

ノベルゲーム用に書かれたシナリオ？

これには根拠があります。本書のあとがきに明記してあるからです。さかのぼること10年前。当初は『友人同士で美少女同人ゲームを作って一山当てよう！』という動機から企画されたものだったそうです。

あくまでも推測ですが、ノベルゲームエンジンである『NScripter』で作ろうとしていたのかもしれません。 前述した独特なセリフ記法は、NScripter製の同人ゲーム『なく頃にシリーズ』において特徴的だからです。

『うみねこのなく頃に散』（07th Expansion）

引用画像のようにカギ括弧を閉じる直前に句点を置くことで、ゲーム開発がすこし楽になるという記法なのです。

いずれにしても

超能力者たちが繰り広げる戦闘シーンは圧巻ですし、ハーレム型のライトノベルとしても楽しめます。ところどころ、くせのある記法で書かれていますが、ストーリーは良質なので細かいことは気にせずに目を通してみることをオススメします。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。

著者について

七ケ島喬介さん。『なながしま・きょうすけ』と読みます。好きな作家は、西尾維新、西村京太郎、奈須きのこ、池波正太郎。幅広い作家をカバーしていますね。

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