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つんどく速報ライター☆イマガワです。
本日ご紹介するのは、『日常の謎』を扱った青春ミステリです。
つんどく速報ライター☆イマガワです。
本日ご紹介するのは、『日常の謎』を扱った青春ミステリです。
光速文芸部 (九院高校文芸部シリーズ) [Kindle版]
著者:きうり イラスト:yukke
(2013-06-15)
片桐優実は九院(くいん)高校の一年生。孤独癖があり、いつもクールを装う彼女。
だが、謎めいた男子部員の言動にはいつも内心で翻弄されている。さらに容姿端麗の同級生からも言い寄られ、クールな顔を保つのもひと苦労だ。
個性的なキャラクターと「日常の謎」の積み重ねの果て、彼女は誰も知らない世界を目の当たりにする。予想不能の展開が待ち受ける青春ミステリ小説。
※製品版は、ヨコ書きです。下記プレビューはPC向けです。
理論武装系メガネ女子
メガネ・女生徒・読書が好き・孤独・文芸部。おーとのなーいせかーいにー。つまり、そういう話です。
ただし、気が強い。無口キャラでもなければ、『あわわ』とか『ふぇぇ』などと言ったりもしません。この物語の主人公・片桐優実は、理論武装系メガネ女子なのです。
たとえば優実は、学年でいちばんのプレイボーイにしつこく言い寄られます。しかし、眉ひとつ動かさず華麗にスルー。
そのプレイボーイの取り巻きの女子生徒が食ってかかってきても、怖気づくことなく、理路整然と相手の弱みを指摘して、完膚なきまでに論破してみせるのです。
入部希望の美少年
優実ひとりきりだった文芸部に、入部希望者があらわれます。
高柳錦司(たかやなぎ・きんじ)。学年でも有名な美少年。寡黙で『瞳は求道者のそれのように深く澄み、そして鋭い』。
毎日の放課後。ふたりきりの文芸部。なにをしているかというと、ふたりとも原稿を書いています。
ふたりは記述する
じつは、優実は小説家志望の女子高生です。
表現したいものがあるからではなく、自分にとって残酷で無慈悲な世界から逃避するために、優実は読書に溺れ、一日でも早く小説家になりたいと願っています。
いっぽう、錦司は中学生の頃から書いている『20th century flight』あるいは『21th century flight』と銘打たれた原稿を仕上げていました。いわく『究極の光速読書法』にまつわるノウハウ集。本書タイトルの由来ですね。
青春ミステリだけど……
とくに派手な事件が起こるわけではありません。日常の謎、おなじセルフパブリッシング作品でいうと『彼女のための幽霊』と同ジャンルに属します。
主人公が精神的な問題をかかえており、そこへ頭脳明晰な人物が登場し、いっしょに日常の些細な謎を解いていくうちに、心の澱(おり)がすこしずつ消えていく……みたいな。
卓越した語り口
わかりやすく言うと、文章がうまい。おさまりが良いのです。まるで測ったかのように、人間が一度に理解できる情報量を、一文のなかに納めています。
本書に含まれるすべて文章が、ことごとく完成度が高い。正確なだけではなく、表現もなめらかで詩的でいちいち的確です。たとえるなら、いっさい釘を使っていないのに堅牢な建築物の美しさに通じるものがあります。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 光速文芸部 (九院高校文芸部シリーズ)
- 著者:きうり イラスト:yukke
- 価格:99円
- 読了にかかる時間:約1時間(個人差があります)
- 「青春」度
- ★★★★☆(4)
- 「ミステリ」度
- ★★★☆☆(3)
- 「モテモテ」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
きうりさん(@q_ridaisensei)。1980年生まれ。中学3年生の頃から小説を書きはじめ、高校時代は北村薫や加納朋子の影響を受けて『日常系ミステリ』の習作を重ねていたそうです。
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