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つんどく速報ライター☆イマガワです。

森見登美彦ファンならば、きっと楽しめる! 今回ご紹介するのは、京都にまつわる『日常の謎』を満喫できるミステリです。

夕餉を買いに / それから、蓮見先生は (京都詭弁案内)夕餉を買いに / それから、蓮見先生は (京都詭弁案内) [Kindle版]
著者:川人千慧
(2013-05-31)

自称、普通の女子大生、財井美希。
詭弁家、嵐堂環。

京都、錦市場で出会った二人が、市場に伝わる秘宝「錦の心」にまつわる謎解きに挑戦する第一話――「夕餉を買いに」。

毎年大学に置かれる不思議な像と、街中に現れた謎の落書きをめぐって、交差する人々の思惑に翻弄される第二話――「それから、蓮見先生は」。

お騒がせ大学生コンビ、碁盤の目を縦横無尽。
「百万遍系」謎解き小説シリーズ、豪華二本仕立てでお贈りします。

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。

百万遍系、謎解き小説シリーズ


本書『夕餉を買いに / それから、蓮見先生は (京都詭弁案内) 』は、京都の四条大橋/百万遍/市内の某国立大学/鴨川デルタなどを舞台にした、連作のミステリ短編集です。

おかっぱ女と詭弁男


財井美希(たからい・みき)は、自称・普通の女子大生。その実態は『恋人はおろか、そう多くの友人がいるわけではない』とっつきにくい性格のおかっぱ頭です。

そんな美希と、自称『詭弁家』の男子学生である嵐堂環(らんどう・たまき)のコンビが、古都にうずまく日常の謎に挑みます。

夕餉を買いに


収録作『夕餉を買いに』の舞台は、錦市場(にしき・いちば)。京都ならではの食材を求めて地元の人たちが毎日のように足をはこぶ、古都の台所です。

ある日、美希は錦市場にある行きつけの『からあげ屋』を訪れました。しかし、店主の様子がおかしいのです。

骨董品専門の盗賊が来ちゃう!


からあげ店主いわく――『怪盗N』から犯行予告状が届いたといいます。

狙われているのは、400年以上前から伝わる『錦の心』という秘宝。この骨董品は、錦市場の店子のあいだで3年ごとに持ち回りで保管する決まりになっており、現在は『からあげ店』の主が担当していました。

『怪盗N』は、さいきん京都市内を騒がせている骨董品専門の盗賊。変装の達人とも言われています。犯行前にはかならず予告状を送り付けてきて、狙った獲物はけっして逃さないことで有名でした。

そして指定されている日時というのは、まさに美希が『からあげ店』を訪れた当日の17時だったのです。

変装の達人ともいわれる『怪盗N』が指定した犯行時刻が迫りくるなか、美希と詭弁男子の即席コンビが、ひと癖もふた癖もある京都人たちを相手に推理を展開していく、という筋書きです。

詭弁を弄する名探偵


本書『夕餉を買いに / それから、蓮見先生は (京都詭弁案内) 』には、森見登美彦の小説でおなじみの地名がたくさん登場します。そして、主人公のふたり――美希も詭弁男子も京都大学っぽいところの学生です。

特に、自称『詭弁家』こと嵐堂環(らんどう・たまき)が所属している『第二詭弁論部』は、京大に実在するサークルだといいます。

『詭弁』こそ至上のものだと信じて疑わない嵐堂が、ほかの登場人物たちを相手に珍妙な理屈をまくしたてるシーンでは、何度も笑いを誘われました。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「日常の謎」度
★★★★☆(4)
「京都ローカルネタ」度
★★★★☆(4)
「唐揚げが旨そう」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)



著者について


川人千慧さん(@melissa_exe)。『かわひと・ちあき』と読みます。1985年、徳島生まれ。京都大学法学部在学中に執筆活動を開始。尊敬する作家は森見登美彦。


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