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つんどく速報ライター☆イマガワです。
2001年ごろに、有名かばんメーカーの経営者が残した2枚の遺言状をめぐる骨肉の争いがありました。いちどは最高裁で敗訴になったものの、再度の訴訟によって『偽造』が証明された結果、大どんでん返しが起きたのです。
1度目の『筆跡鑑定』の結果がひっくり返ったことによる、原告側の逆転勝訴でした。
つんどく速報ライター☆イマガワです。
2001年ごろに、有名かばんメーカーの経営者が残した2枚の遺言状をめぐる骨肉の争いがありました。いちどは最高裁で敗訴になったものの、再度の訴訟によって『偽造』が証明された結果、大どんでん返しが起きたのです。
1度目の『筆跡鑑定』の結果がひっくり返ったことによる、原告側の逆転勝訴でした。
実績1,100件以上の筆跡鑑定人が記した、筆跡鑑定に関する実録・エピソード集。
『私が誤った鑑定書を憎む理由』
『異なる文字による筆跡鑑定』
『クレジット会社の恐るべき不誠実』
『人気の「池上彰」さんを裸にする』
『一澤帆布事件の真相』
『「不倫はやめなさい」という怪文書の鑑定』など、全43話収録。
※製品版は、ヨコ書きです。下記プレビューはPC向けです。
脅迫状や遺言状を読み解く仕事
本書『新しい筆跡鑑定への挑戦』は、誘拐事件の脅迫状の字形によって容疑者の犯行を断定したり、偽造された遺言状の真贋を見極めたりという、筆跡鑑定の実際をわかりやすく解説した1冊です。
このレビューの冒頭で触れた『一澤帆布工業 遺言無効確認訴訟』に関しても、くわしい解説が掲載されています。けっして堅苦しい文章ではなく、筆跡画像と平易なことばを用いたコラム形式の全43話が収録されてます。
文字は体をあらわす
本書には、いまだ冤罪の可能性を指摘されている『狭山事件』や、オウム真理教による『地下鉄サリン事件』など、刑事事件にまつわる鑑定エピソードが収録されています。
しかし、いちばん面白いのは『歴史上の偉人』や『存命の有名人』の筆跡を鑑定しているくだりです。これは『筆跡心理学』という著者独自の鑑定方法であり、鑑定の精度を高めるための新しい手法だそうです。
たとえば、豊臣秀吉の書簡を分析して『分裂的な傾向が見られる』と判定しています。
左:松下幸之助 右:豊臣秀吉
秀吉の筆跡には、松下幸之助と共通点がある。さらに秀吉には、2つの異なった性向をあらわす筆跡学的な特徴が見られるという。
ご存知のとおり、秀吉は信長亡き後に天下人になったわけですが、もともと協調タイプだった人間が、時勢の要求によって強引な権勢タイプにならざるを得なかった『心理的不統合の苦しみ』が、現存する筆跡から読み取れるというのです。
他にも、NHKから依頼された『孫文』の筆跡鑑定を紹介しているコラムもあります。孫文の或る書簡は『海軍中将・秋山眞之』の代筆ではないかという説があり、その真偽を検証しています。
ちなみに、秋山眞之は『坂の上の雲』の主人公であり、皆さんの大好きな巡洋艦『音羽』『出雲』『伊吹』の艦長を歴任したこともある人物です。
情熱的でユニークな専門家
ほかにも、安藤美姫さんや舞の海関からサイン色紙をもらってきて筆跡鑑定して見せたり、2013年現在では偽造説が優勢な『小沢一郎夫人の離縁状』の真偽に関する鑑定もおこなっています。(とても過激なことが書いてあり、これは本書における最大の見どころ)
著者の根本さんは、すでにPHP研究所などから数冊の出版経験があります。ご本人いわく、NHK等のテレビ局や、新聞や雑誌から求められて寄稿することもあるようです。本書の品質と読みやすさは折り紙つきです。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 新しい筆跡鑑定への挑戦
- 著者:根本寛
- 価格:500円
- 読了にかかる時間:約3時間(個人差があります)
- 「ためになる」度
- ★★★★☆(4)
- 「わかりやすい」度
- ★★★★★(5)
- 「自分の筆跡が気になってくる」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
根本寛さん。『ねもと・ひろし』と読みます。1940年生まれ。東京都弁護士協同組合指定・筆跡鑑定人。筆跡アドバイザーとして日本筆跡心理学協会および日本筆跡鑑定人協会を自ら設立し会長を務める。中小企業診断士の資格も持つ。
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