こんにちは!
つんどく速報☆カンザキです。コミケ楽しかったです!

『みちくさ』とは、馬が道端の草を食っていて、進行が遅れる。転じて、目的地へ行く途中で他のことに時間を費やす。途中で手間取る。(goo辞書)
今回は、あえて自ら草を食んでみる。目的を持って脱線する。そんな路上観察の指南書をご紹介します。




みちくさ学会は、みちくさの専門家と言えるブロガーさんらの寄稿記事による集合体です。

彼らが見ているものは実にさまざまで、たとえば「坂道」というテーマを扱うブロガーさんがいるかと思えば、「換気口」や「マンホールの蓋」というテーマを扱う方もいます。「坂道」は言わば地形ですから、ともすれば江戸やそれ以前から続く歴史やロマンと絡め鑑賞することができるでしょう、しかし、「換気口」「マンホールの蓋」となると、これはもう現代に入ってからの観察対象であり、「換気口」が歴史的なロマンをまとっているのか・・・正直、首を傾げざるを得ません。ですがそんな「換気口」「マンホールの蓋」すらも面白く見れてしまうのが、みちくさの鑑賞眼です。

ビルの側面に並んだ「換気口」を注意深く観察したことがありますか?
あるいは、家から一番近いところにある「マンホールの蓋」はどんな柄か、即答できる人がどれだけいるでしょうか?
おそらく気に留めたことも無かったという方が大半だと思いますが、みちくさ学会の記事に触れることで興味の視野が広がり、みなさんの日常の風景が面白く変わってゆくことになれば嬉しいです。

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。



そう、たとえば「超芸術トマソン」


あなたはこんな建築物を見たことはありませんか?

・2階外壁の玄関扉 (高所ドア)

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右奥にあります。よじ登って帰宅すればいいんでしょうか?

・上階にたどり着けない階段 (純粋階段)

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ただ登って降りるだけの純粋さから。

・防水対象の無い庇 (無用庇)

003

かつては郵便受でもあったのでしょうか…。

・家が無い門 (無用門)

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一見普通の日本家屋の門ですが…

こうなってる。

005


・隣家と思われるシルエットが映った壁 (原爆タイプトマソン)

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語源はヒロシマの被爆者の影から。例え方が秀逸です…。

昭和や平成初期の建築物が、時代の流れでリフォームされて奇妙な姿になっている。そんな無駄を極めた建築を「超芸術トマソン」と言います。

それらを見つけては眺めて、みちくさするための指南書です。

人はなぜ『みちくさ』をするのか?


そこに浪漫があるからさ!

この本では『超芸術トマソン』のほかに『マンホール』『通気口』『坂』などなど、路上に転々とあるモノを芸術品として愛でています。
景色に溶け込んでしまって見落としがちですが、感性で見つけ、慈しみ、そっと写真に収める。
みちくさ学会は、ただの物好き集団ではありません! 各対象の愛好家たちによる、非常にエコでアクティブな記録活動なのです。

道中で時間を忘れて観察し、よいものがあると聞けばカメラを担いで自転車を駆る。そんなみちくさ学会の活動が電子書籍になりました。
簡潔な説明とマニア的解釈、想像をうながす写真が満載ですので、どうぞお手にとってご覧ください。
見えてなかったモノが見えるようになりますよ。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「無駄こそ美」度
★★★★★(5)
「つい探しちゃう」度
★★★★★(5)
「学術」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★★(5)




関連書籍


超芸術トマソン (ちくま文庫)
赤瀬川 原平
筑摩書房
1987-12



みちくさ学会 研究報告第2集 街のめずらしい景色 (impress QuickBooks)
みちくさ学会
インプレスコミュニケーションズ
2013-06-27



みちくさ学会 研究報告第3集 近代歴史(昭和) (impress QuickBooks)
みちくさ学会
インプレスコミュニケーションズ
2013-06-27



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