こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
今回ご紹介するのは、奇跡の駆逐艦『雪風』の乗艦歴もある元日本兵が、1942年にタイムスリップしてしまい、連合国軍の兵士を相手にAK-47をぶっ放すという、痛快な架空戦記小説です。
つんどく速報ライター☆イマガワです。
今回ご紹介するのは、奇跡の駆逐艦『雪風』の乗艦歴もある元日本兵が、1942年にタイムスリップしてしまい、連合国軍の兵士を相手にAK-47をぶっ放すという、痛快な架空戦記小説です。
西暦2003年冬――。疑惑の貨客船〈万景峰号〉が時空の渦に巻き込まれ、太平洋戦争真っ直中のガダルカナルへとタイムスリップ!ここに正史は歪んだ。
ソロモン海に戦艦〈金剛〉〈榛名〉が吠え“ガ島の虎”こと山下奉文中将が蠢動を開始する。
北朝鮮への支援米で腹を満たした日本兵が、九七式中戦車部隊と共に、米軍が死守するヘンダーソン飛行場へと殺到!
南海を割るは時空遡航戦艦〈大和〉。空を征くは垂直離着陸機〈覇電〉。そして暴露される新型肺炎SARS(サーズ)の正体とは? 波乱と怒濤の一大戦争巨編。ガダルカナル撤退成功70周年記念出版!
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
皮肉たっぷりの仮想戦記
『戦国自衛隊』(半村良)というベストセラー小説があります。陸上自衛隊の一団が、上杉謙信が生きている時代にタイムスリップするという物語です。
本書『飽食戦線ガダルカナル』でタイムスリップするのは、なんと『万景峰号(まんぼんぎょん・ごう)』。おなじみ、北朝鮮籍の貨客船です。
しかも日本からの救援食料物資を満載した状態で、1942年のガダルカナル島にタイムスリップするというのですから、なかなか皮肉が利いています。
病死・餓死者1万5千人の悲劇
オーストラリアの北東に位置するソロモン諸島最大の島である『ガダルカナル島』は、後世において『餓島(が・とう)』と記述されることがあります。
1941年12月の真珠湾攻撃を皮切りに、資源確保を目的としたマレー侵攻、ビルマ、シンガポール作戦において、日本軍は次々と勝利をおさめます。
『ガダルカナルの戦い』とは、そんな日本優勢の状況に対して、連合国軍の反攻拠点になりうる餓島の占領を巡って繰り広げられたものです。
結果は、日本軍の全面撤退。しかも、補給作戦がことごとくうまくいかず、2万人以上もの戦死者のうち1万5千人程度が餓死や病死したと言われています。
キムチラーメンに救われた命
時空跳躍系の仮想戦記には、タイムパラドックスが欠かせません。本書の主人公である、ガダルカナル戦の生き残り『佐騨洋史』老人も同様です。
1942年当時の餓島において、仲間たちが病気や餓えによって息絶えていくなか、本書の主人公である佐騨だけは『ザ・カップ麺・キムチ味』によって、どうにか生き長らえることができました。
言うまでもなく、1942年においてそのような商品は存在せず、タイムスリップした万景峰号に積載されていた北朝鮮向けの救援物資です。
1942年に存在しないはずのキムチラーメンのおかげで生き残った男が、数十年の時を経て、おなじキムチラーメンを携えてガダルカナル島に戻ってきたわけです。
この皮肉とも『粋なはからい』ともいえる現象は、けっして偶然ではありません。じつは、時空を越えた "ある勢力" の思惑が強く反映されたものなのですが……。
実在の軍艦や軍人が多数でてくる
作中では、なぜかマレーの虎こと山下奉文大将が極秘行動によりガダルカナル島にやってきたり、若いころのブッシュ大統領(お父さんのほう)も登場します。
ほかにも、最新鋭のVLS(ミサイル垂直発射システム)を備えた戦艦大和が登場したり、オスプレイが登場したり。九七式中戦車(チハ)とM3戦車のタイマンシーンも見どころのひとつです。
ジャングル内における戦況を細かく描いているので、読んでいて眠くなってくるシーンもありますが、史実を踏まえながらも自由奔放な歴史改変イベントが続々と発生するので、オチも含めて楽しむことができました。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 飽食戦線ガダルカナル (Battleship Novels)
- 著者:吉田親司
- 価格:170円
- 読了にかかる時間:約2.5時間(個人差があります)
- 「戦記マニア向け」度
- ★★★★★(5)
- 「エスプリ」度
- ★★★★☆(4)
- 「艦これ!?」度
- ★★★★☆(4)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
吉田親司さん(@yoshidachikashi)。『よしだ・ちかし』と読みます。福岡県出身。仮想戦記作家。11年間で82冊の本を上梓している。
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