こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
XXが嫌いな女子なんていません! 高校球児が嫌いなXXも(たぶん)いません! ちなみに『XX』には同じ単語があてはまります。
今回ご紹介するのは、ウホッ!いい本です。……読まないか?
つんどく速報ライター☆イマガワです。
XXが嫌いな女子なんていません! 高校球児が嫌いなXXも(たぶん)いません! ちなみに『XX』には同じ単語があてはまります。
今回ご紹介するのは、ウホッ!いい本です。……読まないか?
都立日昭高校、通称ニッショー。その硬式野球部ナインの終わってしまった最後の夏──。
進路への期待と不安、まだ燻りを残す後悔、女子マネージャーへの恋、はたまた道ならぬ同性への恋、放逸な夜遊び、放心の中に過ぎ行く夏、固い絆で結ばれた友情……
高校三年生の等身大のキーワードで彩られた、九つの小さな愛らしい青春物語!
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
あらすじ
本書『ナイン・ストーリーズ ー球児九人夏物語ー』は、夏の甲子園予選で惜しくも敗退してしまった、高校球児たち9名の夏休みを描いた長編小説です。
物語は、エース投手の『孝介(こうすけ)』から始まって、ナインそれぞれの心境が語られていき、最後には敗退につながるミスをやらかした『勝利(しょうり)』の抱える問題が明らかになったのち、エピローグにて大団円を迎えます。
各章において本人たちの口から語られる後悔、ためらい、悩み、秘密、そして将来の夢などは、9人いれば9通りあり、まさに『ナイン・ストーリーズ』が繰り広げられます。
これまで1つの目標に向かっていた球児たちが、甲子園出場の夢破れたあとに別々の道へと歩みはじめるさまは、星空めがけてまっすぐ打ち上がったあとに弾ける花火のようで、華々しくもあるのですが、一抹の寂しさも感じさせます。
このなかに "男の子が好きな男の子" がいる
さて、どの球児でしょう? せっかくキャラクターイラストがあるので、試しに見当をつけてから読んでみてください。『あなた』なら、きっとわかるはずです。
ちなみに、本書全体では男性のゲイが3名が登場しますが、濡れ場やきわどい描写はありません。このジャンルに不慣れな読者が不快感を覚えないよう配慮されています。安心して手にとってください。
著者について
晋太郎さん(@shintarawl)。『しんたろう』と読みます。ゲイを含む十代の少年を描いた作品を多く発表しているセルフパブリッシング作家です。
本書『ナイン・ストーリーズ ー球児九人夏物語ー』も同性愛要素を含みます。とはいえ、男性読者が目を背けるような露骨なものではありません。
あくまでもメインテーマは、高校野球という王道モチーフを用いて『敗者としての球児たち』の実像を描くことにあります。
同性愛要素に関していえば『9人もいるんだから、1人や2人くらい居ても……おかしくないよね?』という具合です。いずれにせよ、この著者は『高校野球もの』という土俵を使ってうまく自分の相撲をとっている印象を受けました。見事な仕上がりです。
キャラ設定表や校歌も収録されている
ナインたちそれぞれの名簿も収録されています。試合のときにブラスバンドが奏でる『応援曲』まで設定されており、しかも曲名がキャラクターの性格や内面を表しているという徹底ぶり。
実際にメロディが再生されるわけではないのですが、この校歌は、本書の大団円において小さくない役割を果たします。
本書は、とても完成度の高い青春小説です。作中において、ザ・ブルーハーツの『TRAIN-TRAIN』が好きな球児がいるので、バンドつながりで『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘監督で映画化してほしい! 観たい!
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- ナイン・ストーリーズ ー球児九人夏物語ー
- 著者:晋太郎 イラスト:村田 ポコ
- 価格:上下巻・各250円
- 読了にかかる時間:約5時間(個人差があります)
- 「青春」度
- ★★★★★(5)
- 「純愛」度
- ★★★★★(5)
- 「電子書籍としての完成」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★★(5)
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