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つんどく速報ライター☆イマガワです。

『沙粧妙子（さしょう・たえこ）』と読みます。『NIGHT HEAD(ナイト・ヘッド)』と読みます。準備はいいですね？

飯田譲治が語る「沙粧妙子最後の事件」と「NIGHT HEAD」 [Kindle版]

飯田譲治

2013-08-15

テレビドラマ『沙粧妙子最後の事件』『NIGHT HEAD』の脚本執筆者、飯田譲治が語るバックステージでの出来事集。

この作品は、DVD発売に合わせて飯田譲治がツイッターでつぶやいたものに新たなエピソードを加筆し、修正して1冊にまとめたものです。

※製品版は、ヨコ書きです。下記プレビューはPC向けです。

カルト的な人気をほこる脚本家の裏話

90年代におけるフジテレビドラマの脚本家といえば、この4人。

・野島伸司（101回目のプロポーズ,ひとつ屋根の下）
・北川悦吏子（あすなろ白書,ロングバケーション）
・三谷幸喜（古畑任三郎,王様のレストラン）
・君塚良一（踊る大捜査線,コーチ）

そして、もう1人。本書『飯田譲治が語る「沙粧妙子最後の事件」と「NIGHT HEAD」』の著者も、90年代のテレビドラマを語るうえでは欠かせない人物です。

ちなみに飯田さんは、本書以外にも、記憶喪失の青年を木村拓哉が演じた『ギフト』(1997年)の脚本家も務めています。

深夜ドラマから生まれたベストセラー

『NIGHT HEAD』(1992年)は、サイコキネシス能力を持つ『兄』とリーディング能力を持つ『弟』の逃避行を描いたテレビドラマです。

キャストは、豊川悦司と武田真治。『NIGHT HEAD』は深夜枠だったにもかかわらず、コアな視聴者は見逃さなかったようで、兄と弟をいろいろ描いた同人誌がテレビ局に送られてくる事もありました。

CLAMPのメンバーが『NIGHT HEAD』ファンだったことから、著者の飯田さんは『実写版 東京BABYLON』の監督を務めています。そのつながりで角川書店から小説版『NIGHT HEAD』を発行することになり、ベストセラーになったという経緯も明かされています。

本書では、まさに "『NIGHT HEAD』は1日して成らず" というべきすさまじい創作へのこだわりが綴られており、作家やシナリオライターを志望する人には必見の内容だといえます。

ケイゾクに至る源流、といえなくもない

『沙粧妙子 最後の事件』は、1995年にフジテレビ系列で放映された全11回のサイコサスペンスです。エヴァンゲリオン、阪神大震災、地下鉄サリン事件というキーワードがついてまわる時代でもありますね。

主演は浅野温子。連続猟奇殺人の疑いがあるかつての恋人を追いかけて、精神安定剤を常用している犯罪心理捜査官を熱演しています。

本書では、制作に関するさまざまな裏話が披露されています。『沙粧』という変わった名字の元ネタ、放送期間中に起きたハイジャック事件に救われた話など、連続ドラマの内情が生々しく伝わってきました。

『沙粧』における、洗脳や異常な死体（包帯ぐるぐる巻きにして、バラの花びらを口の中に詰めこむ）など、サイコシチュエーションの『テレビドラマ』を、深夜以外の時間帯でも放映できるようにした飯田さんの功績は大きいです。

感想

じつをいうと『沙粧妙子 最後の事件』は、10年以上ものあいだ露出（再放送＆メディア化）が自粛される状況にありました。放映後に起こったある重大事件に配慮したことによるものと言われています。（のち、2010年にセル＆レンタルDVD化）

テレビドラマ『ギフト』においても、キムタク演じる青年が護身のため持ち歩いていたバタフライナイフ描写と現実の少年事件がリンクしてしまい……2013年現在、再放送やDVD化がスムーズにいかない状況のようです。

著者の飯田さんは超能力やサイコサスペンスをよく扱っているせいなのか、たしかに現実を引き寄せているのかもしれません。そのへんのスピリチュアルなエピソードも、本書にはたくさん収録されています。読みごたえあり！

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。（スマートフォン、タブレットでもOK）

著者について

飯田譲治さん（@iidageorge）。『いいだ・じょうじ』と読みます。映画監督、脚本家、小説家。中村功一名義で、世にも奇妙な物語の『常識酒場』や『トラブル・カフェ』や『王将』などを手がけている。

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