こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
東尋坊と富士山。この2つの地域に共通するものは、なーんだ?
正解は『気象レーダーが設置されている地域』です。ちなみに『自殺の名所』と答えた人は、今回ご紹介する本を読むといいかもしれません。あと、よく寝たほうがいい。
つんどく速報ライター☆イマガワです。
東尋坊と富士山。この2つの地域に共通するものは、なーんだ?
正解は『気象レーダーが設置されている地域』です。ちなみに『自殺の名所』と答えた人は、今回ご紹介する本を読むといいかもしれません。あと、よく寝たほうがいい。
「自殺の名所」で出会った一風変わった少女の願いは、現役厚生労働大臣の暗殺だった――
ひとりの男子大学生が型破りな幽霊たちに翻弄されながら、「生きること」に向き合っていく。
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
生者と死者が出会った
菅原創、大学2年生。ある日、自殺の名所として有名な『山羊山橋』を通りかかったときに、ひとりの女性と出会います。
「よく言うじゃないですか、この辺出るって。私、幽霊とか苦手なんですよ」
日下弥生、19才。足がない。でも立っている。すなわち、キャリア30年の地縛霊です。なぜか、幽霊が苦手。
「幽霊が幽霊を苦手でおかしいですか? 人混みが苦手な人っているでしょう? 似たようなものだと思うんですけど」
ごもっとも。
彼女が成仏できない理由
弥生の命を奪ったのは、30年前に発生したトンネルの落盤事故でした。同乗していた両親はかろうじて命をとりとめましたが、この事故によって、親子は永遠の別れを余儀なくされます。
死んだあとも成仏しきれなかった弥生は、30年ものあいだ、トンネル事故の原因を突きとめるために奔走します。(足はないけれど)
事故の原因は、トンネル天板のボルトが緩んでいたことによるもの。当時の県知事だった男がくだした『道路の維持管理費の大幅な削減』の決定こそが、弥生の命を奪ったのです。
その県知事は元・小児科医であり、トンネル事故が起きる以前に、削減した道路予算を医療業界にバラまいたという事実もありました。
私をあの世に連れてって!
「どうしても許せない人がいるの。その人に死んでもらうためのお手伝いを、あなたにしてほしい」
弥生の願いは、当時の県知事――現在では厚生労働大臣を務めている男を殺害すること。
しかし、弥生には呪い殺せるほどの力はないので、生者である主人公に協力を求めたというわけです。
ヤクザマンションに侵入せよ!
弥生のお目当ては『拳銃』でした。主人公とともに強奪作戦を実行します。
殺傷力が高く、管理が杜撰で、盗んでも公にならず、殺人の罪をなすりつけても心が痛まない。すなわち暴力団から『大臣殺害』のための凶器を調達するのがもっとも合理的です。おそろしい子!
少女は幻覚なのか?
本書のタイトルは『幻覚少女』です。主人公の創は、はじめ、弥生のことを地縛霊として認識していましたが、あるときから疑いはじめます。『孤独な自分が生み出した幻覚ではないか?』と。
本書は、おおむね『ミステリ要素を含むコメディタッチの青春小説』なのですが、後半において明らかになる登場人物たちのナイーブな秘密は、とても読みごたえがあります。
真実を知らなかった者、あえて真実を語らなかった者、じつは真実に関与していた者――1発の銃声をきっかけにして、止まっていたそれぞれの時計の針が、ふたたび動きはじめます。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 幻覚少女
- 著者:根本聡一郎 イラスト:ケルニー
- 価格:100円
- 読了にかかる時間:約1.5時間(個人差があります)
- 「会話がユニーク」度
- ★★★★☆(4)
- 「伏線回収」度
- ★★★★★(5)
- 「表紙がイイね」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
根本聡一郎さん(@Nemo_patitur)。『ねもと・そういちろう』と読みます。1990年生まれ。福島県いわき市出身。
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