こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
個室トイレで用を足しているとき、もしも、ドアをノックされたら――
(A) ノックを返す
(B) 声をかける
あなたは、どちら派ですか? ちなみに、わたしは『そっと息をひそめる』派です。
つんどく速報ライター☆イマガワです。
個室トイレで用を足しているとき、もしも、ドアをノックされたら――
(A) ノックを返す
(B) 声をかける
あなたは、どちら派ですか? ちなみに、わたしは『そっと息をひそめる』派です。
恵の友達の玲美はドアを毎晩ノックされて困っていた。
ある日玲美からの電話を受けた恵は電話越しにドアをノックする音を聞く。
かすかな悲鳴とうめき声。それが玲美の最後の声だった。
玲美は死んだ。友達を失った恵は悲しみにひたっていたが、
今度は彼女がドアをノックされるようになった。
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
あらすじ
3人組の仲良しOLのうちの1人が、不可解なストーカー事件において殺される。凶器は刃物。いまだ犯人は逮捕されていない。
主人公の恵(めぐみ)は、殺されてしまった友人の死を悲しむが、やがて自分もストーカー被害に遭いはじめる。
手口はおなじ。真夜中に自宅のドアを何度かノックされる――それが連日繰り返されるという不気味なもの。
相談を持ちかけた最寄りの警察署がまともに取り合ってくれないなか、主人公の恵は、やけに親切な男性刑事と知り合いになる。はたして、本当に正義感に基づく行動なのか?
『けっして尻尾をつかませない』と作者が豪語する、正解率0.01%未満(!?)の超難問のミステリ&ホラーサスペンスです。
発展途上の才能!?
本書の著者である牛野小雪さんは、とても特徴ある作風の持ち主です。
前作『火星へ行こう君の夢がそこにある』は、ある一般市民が選考を受け、訓練をして火星に向かい、到着して調査したのち、ふたたび地球へ帰還するまでの様子が粛々と書かれているSF小説でした。
その『火星~』においては、時間経過や思考などが省略されていることは少なく、やや冗長とも思えるほど、主人公の行動を一から十まで書き出していました。
本書『ドアノッカー』でも、登場人物たちの行動や思考が、事細かに書かれています。(朝に何と何を食べてとか、会話はきまって説明口調。)
誤解しないでほしいのは
けっして小説を書き慣れていないわけではなく、本人が意識しているかどうかはわかりませんが、もはや芸風というか作風の域に達しているということです。
レビュワーとしてのごく主観的な印象を申し上げるならば、星新一が書くような無味乾燥な人物描写を彷彿とさせる――あるいは、一部の東野圭吾作品(『白夜行』『容疑者Xの献身』)のような筆運びすら感じさせるのです。
さらに言うならば 得体の知れない才能の持ち主 であるような気もしています。ただし、2作品を読んだだけでは確信がもてない。まだまだ発展途上のような気もします。ぜひ、みなさんの意見をうかがいたい。
犯人は誰か?
著者いわく『この作品はホラー』だそうですが、けっして無視できない割合でミステリ要素を含んでいます。
じつは、あとがきにて 作者からの挑発的なメッセージ が記されています。
意訳するならば『正解率は0.01%未満。解けるものなら解いてみろ!』という内容。そうです。本書において、最後まで犯人は明かされていません。
恥ずかしながら、わたしはいまだに犯人を特定する合理的な説明を見出せていません。『あとがき』の口ぶりでは、登場人物のうちの誰かが犯人であるのは間違いないようですが……。
いずれにせよ、才能の見極めも含めて、なるべく多くの人に試してほしいセルフパブリッシング作家です。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- ドアノッカー
- 著者:牛野小雪
- 価格:250円
- 読了にかかる時間:約1.5時間(個人差があります)
- 「ミステリ&ホラー」度
- ★★★★☆(4)
- 「将来性」
- ★★★★★(5)
- 「全員あやしい」度
- ★★★★☆(4)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
牛野小雪さん(@cowfieldtinysno)。『うしの・しょうせつ』と読みます。ペンネームの由来は『書く速さが牛のように遅いことと、丑年生まれのおうし座だから』とのこと。好きな食べ物は、チーズケーキ。
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アッとおどろく結末のない星新一という感じ。科学考証がやや物足りないので、SF小説というよりも『SF風おとぎばなし』として捉えたほうがいいかも。
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