こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
今回ご紹介するのは、2013年9月上旬に開催された『第二回 「風立ちぬ杯」』の優勝作品です。生きねば!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
今回ご紹介するのは、2013年9月上旬に開催された『第二回 「風立ちぬ杯」』の優勝作品です。生きねば!
よいこの有害図書 [Kindle版]
星井七億 (著)
出版: ナナオクプリーズ; 1版 (2013/9/2)
累計アクセス100万超えのショートショート集。
きれいな小説が好きないい子ちゃんはお断り!ブログで発表され「ツイッター」で20000ツイートされた実験小説「制約だらけの桃太郎」他、どこに出しても恥ずかしい低俗ストーリー七編を収録。
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
超バリアフリーレストラン
すなわち 車イスの人間しか利用できないレストラン のお話。お客はもちろんのこと、出迎えるボーイも車イス利用者で、シェフもソムリエも、さらには清掃員さえも車イスを使っています。
物語が急展開をみせるのは、このレストランに強盗団が闖入しきてから。車イスの利用者たちが抵抗できないのをいいことに好き勝手しはじめるのですが、なんと! 思ってもみなかった反撃が――。
なんとなくあの騒動を彷彿とさせますねえ。これ以上は言えません。
現代嗅覚文化研究会
とある大学における奇妙なサークル活動が紹介されています。『嗅覚文化研究』の文字通り、世の中の様々なニオイを研究している団体です。
まあ、ここまでは何の変哲もないのですが、特筆すべきは登場人物たちの名前です。
わかりますか? コウサカ、サキ――漫画『げんしけん』(現代視覚文化研究会)の主要キャラクターの名前です。ビミョーに設定を変えてありますね。
単に名前を借りるだけに留まらず、コウサカの飄々とした人柄は元ネタを連想せずにはいられません。ちなみに、後半ではオオノという女子も登場します。コメディタッチのパニックアクションとして仕上がっており、原作を知らなくても楽しめるはず。
制約だらけの桃太郎
本書『よいこの有害図書』の圧巻は、文句無しにこの作品です。
先に紹介した2作はパロディの域を出ていませんが、この『制約だらけの桃太郎』は、確かな文章技術の裏付けと批評精神に基づいた傑作です。
本作は、使い古された『桃太郎』というおとぎばなしを、様々なフィルタを通して、いくつもの異質なエピソードへと昇華させています。いわばInstagram的なイリュージョンであり、単なる思いつきではない多彩な表現力の賜物です。
期待を裏切らない悪趣味フルスロットル!
『俺の妹が彼女で幼馴染で生徒会長で魔王で勇者で修羅場で中二病で友達が少なくてHができなくて……』は、いわゆる俺の嫁と称される美少女キャラに加齢という概念を付加したらどうなるか、というテーマを扱っています。
ほかにも、食虫という悪食趣味に魅入られた男の末路を描いた『ウツボカズラの会』や、鉄道オタクの偏執を描いた『理想の構図』など、計7作品が収録されています。
ご覧のとおり、キワモノなテーマが多いので誤解しがちですが、著者の実力は『制約だらけの桃太郎』や『ウツボカズラの会』がよくあらわしています。
今後は、ぜひとも中編あるいは長編小説によって、著者のストーリーテリングを堪能したいものです。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- よいこの有害図書
- 著者:星井七億
- 価格:99円
- 読了にかかる時間:約1時間(個人差があります)
- 「パロディ」度
- ★★★★☆(4)
- 「腕は確か」度
- ★★★★★(5)
- 「津田BLマダー」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
星井七億さん(@nnnn330)。『ほしい・ななおく』と読みます。沖縄県出身、1985年生まれ。会社員。趣味はブログ運営と同人活動。
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笑いたい奴こっち来い! [Kindle版]
星井七億 (著)
出版: ナナオクプリーズ; 2版 (2013/7/7)
レビュー有り
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