こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

今回ご紹介するのは、KDP本を対象とした書評集です。一部の個人作家(セルフパブリッシャー)たちを、不安と憤怒と戦慄がうずまく穴の底へと突き落とした(!?)という、いわくつきの1冊。

電子書籍の個人作家たち Vol1~3電子書籍の個人作家たち Vol1~3 [Kindle版]
Mizuki (著)
出版: Mizuki; 1版 (2013/9/14)

電子書籍のレビュー本です。個人作家作品のレビューを収録しています。

レビューはあくまで一読者の見解ですので、ご了承ください。ほか、ブログでは未公開のエッセイ2編を収録(Vol.1,2に収録のもの)各巻のあとがきを収録。

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。

概要


ことし2013年の7月ごろ。突如として『電子書籍の個人作家たち』というブログがスタートしました。

2日に1作品を上回るハイペースで更新される記事の内容は、おもに『KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)作品』の感想。書いているのは、匿名レビュワーのMizukiさんです。

本書『電子書籍の個人作家たち Vol1~3』は、同名ブログにて、2013年7月~9月中旬に掲載された45作品のレビューを収録したものです。書籍化にあたっては、加筆修正を施したのち、おまけコンテンツが追加されています。

辛口レビュワーによる "勝手" 小説添削


ブログ『電子書籍の個人作家たち』は、わたしもRSS購読しており、おなじKDP本レビュワーとして親近感を覚えるとともに、毎回の更新を楽しみにしています。

いちばんの見どころは、辛口レビュワーMizukiさんによる、いっさいの容赦がない鋭い舌鋒です。たとえば……

まずのっけから貶すのはどうかと思うけど、文体がすごく古くさい。

表紙がちょっと上滑りしている感じがする。物語も同じく上滑りしているような……。

少なくとも自分は、お金を出してまで買いたいとは思わない。

ほとんどの作品は、訴求力が低いように思う。つまり無料なら読むけど、有料では読まないよ、ということである。

このように、身も蓋もないことばが頻出します。

もはや単なる悪口のようにも見えますが、レビュー対象の作品を読んでいれば、かならずしも的外れではないことがわかります。言葉を選ばないだけであり、けっして、アマチュア作品を罵倒するのが目的ではありません。

一方で、貶めているばかりと思いきや、優しさというか温情をみせるときもあります。

●●●●さん(※)は小説を書く才能は微妙と言わざるを得ないものの、真面目な人柄なんだと思います。文体からそういう暖かい性格がにじみ出しているので。

(※)伏せ字にしました。『電子書籍の個人作家たち』本文にて、お確かめください

本書の収録ボリュームは400字詰め原稿用紙にして230枚! 半端な気持ちで書ける分量ではありません。どうやら、Mizukiは本気のようです。

いわば、覆面レビュワーと個人作家によるタイマン勝負の様相を呈している1冊ともいえるでしょう。

書評依頼が増えているらしい


こんな調子なので、KDP界隈の個人作家たちからは総ブーイングかと思いきや――最近では、作家みずからによる書評の申し出を受けることもあるようです。

メールボックスを確認すると新着が1件。

内容は「本を出したので読んで欲しい。ギフト券を送ります。●●●●(※)より」

私は思った。相当に自信があるんだな(皮肉ではなく)、と。辛口でレビューしていると分かってるだろうし。

(※)伏せ字にしました。『電子書籍の個人作家たち』本文にて、お確かめください

蓼食う虫も好きずきというか、飛んで火にいる夏の虫というか……。いずれにせよ、現状のKDP界隈を俯瞰するには悪くない1冊だと思います。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「過激」度
★★★★☆(4)
「個人作家は読むべき」度
★★★★☆(4)
「褒めている作品もある」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)



著者について


Mizukiさん。『みずき』と読みます。すべてが謎に包まれている覆面書評家。


バラ売りもしています


電子書籍の個人作家たち Vol1電子書籍の個人作家たち Vol1 [Kindle版]
Mizuki (著)
出版: Mizuki; 1版 (2013/7/26)


電子書籍の個人作家たち Vol2電子書籍の個人作家たち Vol2 [Kindle版]
Mizuki (著)
出版: Mizuki; 1版 (2013/8/8)


電子書籍の個人作家たち Vol3電子書籍の個人作家たち Vol3 [Kindle版]
Mizuki (著)
出版: Mizuki; 1版 (2013/9/12)



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