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つんどく速報ライター☆イマガワです。

今回ご紹介するのは、コチラ!

緑眼魔女の事件簿 テロリズム・イン・チベット緑眼魔女の事件簿 テロリズム・イン・チベット [Kindle版]
狗界ゴウ (著)
出版: シロヤギ出版 (2013/9/24)

近未来中国を舞台にしたハイスピード小説!

国連治安維持局の特殊捜査官、《緑眼の魔女(グリーンアイズ・ウィッチ)》緑咲風夏が事件解決に乗り出す!

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。

プロの犯行


どうりで文章が整然としており、リーダビリティが高い――理解しやすい、読みやすいわけです。本書に関して、その点は絶対に保証できます。

何の話かというと、本書の『あとがき』において、著者のバックグラウンドが掲載されているのです。

 中国に長年住んだこともあり、近未来中国を舞台にした冒険活劇を書きたいと思い、数年前にこの原稿を書きました。

 別名義で商業出版もしているのですが、この作品も編集者に手を入れてもらったという経緯があったものの残念ながら出版に至らず、お蔵入りになっていました。

別名義で商業出版している、つまりプロの犯行ってことですね。

中国に住んでいた云々に関しても、本編中に散りばめられている古典ネタの数々を読んだあとならば、思わず納得するはず。

たとえば、夏王朝やら曹操やら道士やらマニアックな処刑方法やら女傑ネタなど、行間からは古代中国に関する興味と造詣の深さを存分に読み取れます。

悩める異能者たち


本書『緑眼魔女の事件簿 テロリズム・イン・チベット』は、古代"夏"王朝の超兵器である『封石(ほうせき)』をめぐって繰り広げられる、異能力者たちのバトルアクション小説です。

緑眼魔女の事件簿 テロリズム・イン・チベット

ヒロインは2人。印象的な表紙イラストに描かれている紅眼白髪の少女は『白月(パイユエ)』。抱っこしている緑眼の若い女性は『緑咲風夏(みどりざき・ふうか)』。ふたりは異能の持ち主です。

白月の能力は、秘宝『封石』を用いることで『封影(フォンイン)』という殺戮モンスターを召喚するもの。

緑咲風夏は、世界最強のSSS(トリプルエス)と呼ばれる『空壁(プレス)』という能力の所有者です。

大気をあやつり『空壁』を発生させることにより、飛んでくる弾丸すらも防ぎ、使いようによっては人間を圧死させることも可能――じつは、風夏は能力のせいでさんざん苦しんだ過去をもっています。

民主化を果たした中国


おもな舞台となるのは、チベットです。今回レビューを書くにあたってGoogleマップ中国版で『普夏』を検索すると……ビンゴ! 普夏を示す場所は『中国西蔵自治区』の領域内に実在していました。

チベットは、西蔵って表記するんですね。へえー。へえー。

本書『緑眼魔女の事件簿 テロリズム・イン・チベット』の設定では、中国は民主化されています。共産党が野党に転落しており、普通選挙によって成立した議会による統治が成立しています。まさに近未来ですね。

感想


白月や風夏以外にも、電磁ブーメランを操る忍者や、液体を自在に操る異能者などが登場します。現状ならば『とある魔術の禁書目録』シリーズが、その手のキャラクター設定をやり尽くしていますね。

いずれにせよ、本書の原稿は数年前に書かれたものなので、現在の爛熟したライトノベル文化を経ている読者にとっては、やや物足りないと感じるかもしれません。

とはいえ、すでにデビュー済みの商業作家が、いちからセルフパブリッシングに挑戦したことには十分意義があると思います。次回作は、ぜひとも新規書きおろし作品を!

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「読みやすさ」度
★★★★★(5)
「ストーリー」度
★★★☆☆(3)
「思いきった世界観」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)



著者について


狗界ゴウさん(@kindlezero)。『いぬかい・ごう』と読みます。ブログ『知識ゼロからのキンドル出版』を運営している。


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