こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
今回ご紹介するのは、ユニークな表紙が印象的な短編集です。
表紙デザインの衝撃たるや!著者近影 本書における最大のセールスポイントです。おもわず、表紙買いしました。『彼女はウワバミ』というネーミングも良いですね。端的で、かつ、センスを感じさせるフレーズです。
ご存じのように『ウワバミ』というのは大酒呑みのことをあらわす言葉です。
つまり、どうやら『酒豪の女性キャラクター』が登場する小説であり、ひと癖もふた癖もあるヒロインの話が読めるだろう……と期待していたら、単なるカワイイ酔っぱらいの話でした。
分量は本書全体の10%程度のショートストーリーであり、先頭に収録されているのでサンプルダウンロードにて全文を無料で立ち読みすることができます。
収録作のなかでいちばん出来の良いものを挙げるならば、表題作ではなく『彼女たちの事情(In a Grove)』という短編小説です。この作品においては、本領を発揮しています。
高校の同窓会。なかよし女子3人組が、10年ぶりの再会を果たします。しかし、笑顔とは裏腹に、それぞれが猜疑心に囚われていました。
あのとき、屋上から飛び降り自殺した男子生徒にまつわる記憶をめぐって――それぞれの視点から、当時における彼女たちの事情が明らかになっていきます。
今回ご紹介している『彼女はウワバミ』は、わたしと同じような、晴海さんの好意的読者ならばさほど不満を覚えない習作集ですが、まどか初体験の読者には、物足りなく感じるかもしれません。
え!? 取り上げておいてそれはないだろうと思うかもしれませんが、小説家も人間ですから、作品の質にバラツキがあるのは当然なのです。
たくさんのセルフパブリッシング作品を読んできましたが、同じ作者であっても完成度の振れ幅が大きいなんてことはしょっちゅうです。
1作品だけ読んで『つまらない』と思ったとしても、そこで切り捨ててしまうと才能や実力を見誤ります。ふつうの読者にそんな読み方を求めるのは酷ですが、あえてセルフパブリッシング作品と付き合おうという時には必要な考え方です。
ちなみに、晴海まどかさんは超オススメのセルフパブリッシング作家なので、はじめて読むのなら、長編で読みごたえのある『戦う僕らのRGB』や、このブログでもレビューした『そして、世界は静寂を迎える』を推奨します。
いずれにせよ、レビュー冒頭でも申し上げたように表紙デザインは星5つです。今後の作品においても、印象に残る表紙を期待しています。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
晴海まどかさん(@harumima)。『はるみ・まどか』と読みます。1983年生まれ、千葉県出身。テクニカルライター。好きなお酒はウォッカ・トニック。こよなく愛するのは、ムーミンと椎名林檎。
中澤茉以子さん(@maimosann)。『なかざわ・まいこ』と読みます。1991年生まれ。カメラマン。
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つんどく速報ライター☆イマガワです。
今回ご紹介するのは、ユニークな表紙が印象的な短編集です。
彼女はウワバミ (晴海まどか短編集) [Kindle版]
晴海まどか (著), 中澤茉以子 (写真)
出版: 白兎ワークス; 2版 作品一覧更新版 (2013/10/1)
表題作『彼女はウワバミ』ほか、酔っ払いにまつわるファンタジー風小説からサスペンス小説まで、短編小説6作を美麗な写真と共にお楽しみください!
<収録作>
・「彼女はウワバミ」
・「勇者さま一行のご帰還」
・「三月ウサギは知っている」(「わーくしょっぷ」掲載作 再録)
・「彼女たちの事情(In a Grove)」
・「不戦勝」
・「酔っ払いの国の佐藤くん」
こっち見るなー!
表紙デザインの衝撃たるや!
ご存じのように『ウワバミ』というのは大酒呑みのことをあらわす言葉です。
つまり、どうやら『酒豪の女性キャラクター』が登場する小説であり、ひと癖もふた癖もあるヒロインの話が読めるだろう……と期待していたら、単なるカワイイ酔っぱらいの話でした。
分量は本書全体の10%程度のショートストーリーであり、先頭に収録されているのでサンプルダウンロードにて全文を無料で立ち読みすることができます。
だれが彼を殺したのか?
収録作のなかでいちばん出来の良いものを挙げるならば、表題作ではなく『彼女たちの事情(In a Grove)』という短編小説です。この作品においては、本領を発揮しています。
高校の同窓会。なかよし女子3人組が、10年ぶりの再会を果たします。しかし、笑顔とは裏腹に、それぞれが猜疑心に囚われていました。
あのとき、屋上から飛び降り自殺した男子生徒にまつわる記憶をめぐって――それぞれの視点から、当時における彼女たちの事情が明らかになっていきます。
セルフパブリッシング作品とのつきあい方
今回ご紹介している『彼女はウワバミ』は、わたしと同じような、晴海さんの好意的読者ならばさほど不満を覚えない習作集ですが、まどか初体験の読者には、物足りなく感じるかもしれません。
え!? 取り上げておいてそれはないだろうと思うかもしれませんが、小説家も人間ですから、作品の質にバラツキがあるのは当然なのです。
たくさんのセルフパブリッシング作品を読んできましたが、同じ作者であっても完成度の振れ幅が大きいなんてことはしょっちゅうです。
1作品だけ読んで『つまらない』と思ったとしても、そこで切り捨ててしまうと才能や実力を見誤ります。ふつうの読者にそんな読み方を求めるのは酷ですが、あえてセルフパブリッシング作品と付き合おうという時には必要な考え方です。
ちなみに、晴海まどかさんは超オススメのセルフパブリッシング作家なので、はじめて読むのなら、長編で読みごたえのある『戦う僕らのRGB』や、このブログでもレビューした『そして、世界は静寂を迎える』を推奨します。
いずれにせよ、レビュー冒頭でも申し上げたように表紙デザインは星5つです。今後の作品においても、印象に残る表紙を期待しています。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 彼女はウワバミ (晴海まどか短編集)
- 著者:晴海まどか 写真:中澤茉以子
- 価格:120円
- 読了にかかる時間:約1.5時間(個人差があります)
- 「表紙デザイン」度
- ★★★★★(5)
- 「アイデア」度
- ★★★☆☆(3)
- 「ドラゴンの味が気になる」度
- ★★★☆☆(3)
- 「総合」
- ★★★☆☆(3)
著者について
晴海まどかさん(@harumima)。『はるみ・まどか』と読みます。1983年生まれ、千葉県出身。テクニカルライター。好きなお酒はウォッカ・トニック。こよなく愛するのは、ムーミンと椎名林檎。
中澤茉以子さん(@maimosann)。『なかざわ・まいこ』と読みます。1991年生まれ。カメラマン。
あわせて読みたい
そして、世界は静寂を迎える [Kindle版]
晴海まどか (著), 高橋里英 (写真)
出版: 白兎ワークス; 5版 作品一覧更新版 (2013/6/3)
レビュー有り
仕事しかできない男はダメだ。洪水のとき会社に取り残される『そして、世界は静寂を迎える』ホラーSF小説
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