こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

全国2億人の昼ドラファンの皆様、おまたせしました。

ひとりの男をめぐって、実の姉妹がアノ手コノ手で愛欲を勝ち取る話が入荷しましたよ!

僕のセイシュンの三、四日僕のセイシュンの三、四日 [Kindle版]
藍田うめる (著)

「平穏だけを僕は望んでいた」

ついてない僕は、彼女の過去に出会う。そして、何を決めたのか……。どこにでもある、どこかでみたことある、きいたふうな、セイシュンフィクション

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。

性欲の尊重を獲得せよ!


物語は、ある若い男女間におけるいっぷう変わった性生活の事情説明からはじまります。

同棲中であり、付き合いはじめてから半年が経つというのに、夜の営みをたった2回しか許してもらっていないという、ヤリたい盛りである若い男――高橋祐介は、恋人の泉に切なさを訴えます。

君が眠ったりいなくなったりした時、トイレに行って一人でシてんだよ? 溜まるんだよ、本当に。

遠距離でもないのに、君をオカズにしてシてるなんてどうかしてる。そうだよ、僕は君がしたくないと言うのを尊重してきたはずだ。

じゃあ
僕の性欲は
誰が尊重してくれるの?

(´;ω;`)ブワッ とにかく、祐介は必死に『性欲の尊重』を懇願します。恋人の泉は、カマトトぶっているわけでも、愛が冷めたわけでもなく、ある秘密が原因で拒絶しているのです。

さんざんふたりで話し合った結果、3日に1回の約束で、泉が『お口でシてくれる』ことになりました。いわゆる、日本の伝統的な木管楽器的なものですね。わかります。

しかし、喜んでいたのも束の間。

ある日、ひとりの真面目そうなサラリーマン男性が祐介たちの前にあらわれます。その姿を目にして、顔色が青ざめる泉。男は口をひらきます。

「泉は僕の妻だ」


どうーなってるの?!


小倉智昭さんが司会をしていた情報番組です。表記は『どーなってるの!?』じゃないんですね。レビューとは全く関係ありません。

ともかく、どうーなってるのか? 祐介と同棲までしている泉に、なぜ、夫を名乗る男性が存在するのか?

このくだりが登場する本書全体の50%あたりから、泉およびその実姉とのあいだで繰り広げられた過去の愛憎劇が怒涛のごとく明らかになっていきます。

本書『僕のセイシュンの三、四日』は、タイトルにおけるポップな印象に反して、ドロドロの愛憎劇が描かれている長編小説です。

泉の現在の恋人であり、『僕』の1人称で語り手をつとめる大学生の祐介は、じつをいうと単なる『狂言回し』に過ぎず、ほんとうの主役はふたりの姉妹です。

姉は、鳴海。妹は、泉。

端的にいうなら、本書は、この姉妹がひとりの男をめぐって骨肉の争いを繰り広げる物語といえます。その男というのは、先に登場した『泉の夫』を名乗る人物です。彼は、姉妹が高校生のときに家庭教師を務めていました。あー、いやらしい!

じつに、一筋縄ではいかないセイシュンフィクションです。あまりにも複雑で、あまりにも醜い。綺麗事や美しさなどひとかけらもない、目を背けたくなるような欲望と執念の物語。

別離までのカウントダウン


ふたりが出会ったときには、既に破綻の準備が完了していました。すなわち、泉と祐介は決して幸せにはなれない運命のもと、同棲生活を送っていたわけです。

この物語は、読者が1ページ目の1文字目を認識した時点から、すでにハッピーエンドに帰結しないことが保証されています。『それでも構わない。むしろ大好物』という人には、激しくオススメの1作です。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「泥沼」度
★★★★★(5)
「女の深淵」度
★★★★☆(4)
「主人公(´・ω・)カワイソス」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)



著者について


藍田うめるさん。『あいだ・うめる』と読みます。ウェブ上に情報がありません。SNSアカウントもブログもない謎の作家です。


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