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つんどく速報ライター☆イマガワです。
海軍カレー、冷えた缶詰めし……日本の国防組織(軍隊とはいえない)の献立といえば、それらを連想してしまいます。しかし、普段は、ふつうの食事がおこなわれています。
今回ご紹介するのは、腹をくくったセルフパブリッシング作家が、取材費用など総額10万円以上を費やして、自衛隊に真正面から取材をおこなったノンフィクション本です。
本書『ほんとうの自衛隊のごはん 目達原駐屯地編』は、自衛隊員たちの普段の食事に注目した著者が、実際に取材交渉をおこない、何度も断られながらも、ようやく許可を勝ち取った末に書き上げたという貴重なドキュメンタリーです。
缶詰(戦闘糧食、ミリメシ)の情報ならば、いまどき珍しくありません。しかし、自衛官たちの普段の食事を1冊の本にまとめたものはレアであり、興味と食欲がそそられます。
これは『めたばる ちゅうとんち』と読みます。『原』を『ばる』あるいは『はる』と読ませる地名が、九州地方には90ヶ所以上も存在します。
目達原駐屯地は、佐賀県吉野ケ里町に位置する陸上自衛隊の物資補給基地です。目と鼻の先には遺跡もあります。
重装備のアパッチヘリや、映画でおなじみ『ブラックホーク』ことUH-60が配備されており、九州地方の大雨や火山噴火などの災害時には、この駐屯地から、食糧支援や救援のためにヘリコプターが飛んでいきます。
入隊して3ヶ月も経てば、どんなに貧弱な者も筋骨隆々に早変わり……というイメージがある陸上自衛隊。
どんぶり飯、大量の肉や魚、濃い目の味付けなど、さぞや通常の2倍~3倍の大量のカロリーを摂取しているかと思いきや……全然そんなことありませんでした。
味付けは薄く、1日の摂取カロリーは一般成人の1.3倍ほど。献立に肉や魚は含まれているものの、もしも育ち盛りの運動部男子であれば食卓で暴れだすほどの量に見えます。
つぎつぎと紹介される朝昼晩の献立の写真を見て、いち国民として、なんだか申し訳ない気持ちになってきました。
それどころか、食事待遇の不満がもとで国内有事が発生するのではないかという危惧を覚えたほどです。ぜひ、本書を読んで確かめてみてください。
ちなみに、著者は自衛隊OBなのですが、その肩書きをもってしても、あっさりとは取材許可がおりなかったそうです。
まあ、そうですよね。出版社や新聞社に属しているわけでもない無名の物書きが、何日にもわたって自衛官の普段の食事を取材したい、それを電子書籍にしたいなんて――ふつうはスパイかテロリストだと思います。
本書の後半では、自衛隊の窓口で何度も断られ、取材期間を調整して……等の、泥臭い過程が漏らさず収録されている取材体験記も読むことができます。本書の監修をおこなった駐屯地広報部の人たちには『取材体験記』のくだりも評判が良いそうです。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
廣川ヒロトさん(@gnd1720)。『ひろかわ・ひろと』と読みます。福岡市出身。元自衛官。
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つんどく速報ライター☆イマガワです。
海軍カレー、冷えた缶詰めし……日本の国防組織(軍隊とはいえない)の献立といえば、それらを連想してしまいます。しかし、普段は、ふつうの食事がおこなわれています。
今回ご紹介するのは、腹をくくったセルフパブリッシング作家が、取材費用など総額10万円以上を費やして、自衛隊に真正面から取材をおこなったノンフィクション本です。
ほんとうの自衛隊のごはん 目達原駐屯地編 [Kindle版]
廣川ヒロト (著)
出版: 電明書房; 1版 (2013/10/1)
陸上自衛隊の駐屯地の隊員食堂で3日間にわたってごはんを食べてきました。
そのほか、糧食班長、及び専属栄養士(代理)のかたのインタビュー、駐屯地の有料喫茶店での人気メニューの紹介などを収録しています。
後半部分には『目達原駐屯地取材体験記』として、取材に至った経緯、駐屯地の広報資料館についてなど、食事以外の点に的を絞った体験記を収録しています。
カレーと缶詰が主食なの?
本書『ほんとうの自衛隊のごはん 目達原駐屯地編』は、自衛隊員たちの普段の食事に注目した著者が、実際に取材交渉をおこない、何度も断られながらも、ようやく許可を勝ち取った末に書き上げたという貴重なドキュメンタリーです。
缶詰(戦闘糧食、ミリメシ)の情報ならば、いまどき珍しくありません。しかし、自衛官たちの普段の食事を1冊の本にまとめたものはレアであり、興味と食欲がそそられます。
目達原駐屯地……読めますか?
これは『めたばる ちゅうとんち』と読みます。『原』を『ばる』あるいは『はる』と読ませる地名が、九州地方には90ヶ所以上も存在します。
目達原駐屯地は、佐賀県吉野ケ里町に位置する陸上自衛隊の物資補給基地です。目と鼻の先には遺跡もあります。
博多駅から南へ50km。松田聖子の出身地である久留米市から西へ数十kmの場所にある。
重装備のアパッチヘリや、映画でおなじみ『ブラックホーク』ことUH-60が配備されており、九州地方の大雨や火山噴火などの災害時には、この駐屯地から、食糧支援や救援のためにヘリコプターが飛んでいきます。
自衛隊の食事っておいしいの?
入隊して3ヶ月も経てば、どんなに貧弱な者も筋骨隆々に早変わり……というイメージがある陸上自衛隊。
どんぶり飯、大量の肉や魚、濃い目の味付けなど、さぞや通常の2倍~3倍の大量のカロリーを摂取しているかと思いきや……全然そんなことありませんでした。
味付けは薄く、1日の摂取カロリーは一般成人の1.3倍ほど。献立に肉や魚は含まれているものの、もしも育ち盛りの運動部男子であれば食卓で暴れだすほどの量に見えます。
つぎつぎと紹介される朝昼晩の献立の写真を見て、いち国民として、なんだか申し訳ない気持ちになってきました。
それどころか、食事待遇の不満がもとで国内有事が発生するのではないかという危惧を覚えたほどです。ぜひ、本書を読んで確かめてみてください。
オマケの裏話もおもしろい
ちなみに、著者は自衛隊OBなのですが、その肩書きをもってしても、あっさりとは取材許可がおりなかったそうです。
まあ、そうですよね。出版社や新聞社に属しているわけでもない無名の物書きが、何日にもわたって自衛官の普段の食事を取材したい、それを電子書籍にしたいなんて――ふつうはスパイかテロリストだと思います。
本書の後半では、自衛隊の窓口で何度も断られ、取材期間を調整して……等の、泥臭い過程が漏らさず収録されている取材体験記も読むことができます。本書の監修をおこなった駐屯地広報部の人たちには『取材体験記』のくだりも評判が良いそうです。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- ほんとうの自衛隊のごはん 目達原駐屯地編
- 著者:廣川ヒロト
- 価格:250円
- 読了にかかる時間:約1.5時間(個人差があります)
- 「意外」度
- ★★★★☆(4)
- 「自衛隊トリビア」度
- ★★★★☆(4)
- 「著者の執念」度
- ★★★★☆(4)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
廣川ヒロトさん(@gnd1720)。『ひろかわ・ひろと』と読みます。福岡市出身。元自衛官。
あわせて読みたい
オモシロ自衛官観察日記 [Kindle版]
廣川ヒロト (著)
出版: 電明書房; 3版 (2013/1/11)
オモシロ自衛官観察日記2 [Kindle版]
廣川ヒロト (著)
出版: 電明書房; 1版 (2013/10/11)
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