こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
かわいいは正義、ごきげんようお姉さま、ごはんはおかず、\アッカリ~ン/ ゆるふわ百合コンテンツ愛好家の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
たまには、ガチな絡みをともなう作品もどうでしょう? 今回ご紹介するのは、女子たちが身も心も絡みあう本格ミステリ長編です。
はじめに言っておきますが、本書にはレズビアンが横溢しています。いっぱい。たくさん。びっくり。
具体的には、主人公は『バリネコ』で両刀使いの女探偵であり、助手はタチのレズビアンです。(バリ=とても、ネコ=女役、タチ=男役、両刀使い=バガボンド)
しかも、探偵と助手は浮気の間柄であり、探偵がいま付き合っているカノジョは助手の元カノです。(エロややこしいので、以下の図を参照)
本書『美少女キケン 薬科大生の甘い毒蜜』は、おなじ大学に通っている探偵と助手が、全編にわたってチュッチュッしたり過度なスキンシップをしながら殺人事件の真相に近づいていく、本格ミステリです。
まったくもって、物語の冒頭からマトモじゃありません。
主人公である自称・美少女探偵は、ヘロイン中毒死したと思しき女子大生の遺体の司法解剖に立ち会います。そして、遺体の開腹部を舐め回すように観察して、胃の内容物から漂うニンニクの匂いに着目して、事件性を見出すのです。
薬剤師ミステリといえば『QEDシリーズ』(高田崇史)がありますね。こちらは、薬科大学に通っている女子大生が主人公です。本書においても、薬剤に用いられている化合物ウンチクがたくさん登場します。
たとえば、前述した『ニンニクの匂い』は、事件当日における被害者の足取りに関する重要な手がかりです。現役薬科大学生である名探偵は、薬学的な発想によって、警察の捜査結果を覆します。
ほかにも、化合物にちなんだウィット溢れる目次は、きっと興味がそそられるはずです。
猫が死ぬという『アリルプロピルジスルファイド』は、身近なものに含まれています。これらの化合物は、ほとんどが事件の真相に関わりがあります。にくい演出ですね。
解決編に至るまで、探偵が何度も事実確認を繰り返してくれるので、読み終わったあとに『で、結局どういうことだったの?』などと、戸惑うことは少ないと思います。
本書『美少女キケン 薬科大生の甘い毒蜜』は、キワモノ設定が目立つ小説ですが、リーダビリティは高いです。とても読みやすい。
著者あとがきによれば、もとはウェブ上で公開していたものを加筆してリメイクするという作業を経ているようです。以下、引用。
この箇所を読んで『なるほどー』と得心しました。読んでいて、思い当たる部分があったからです。
本書のキャラクターや設定はあきらかにキワモノです。ところどころで、読者を置いてけぼりにしかねないような独りよがりな表現の痕跡が見られるのですが、うまくドリフトして正道を外れずエンディングを迎えることに成功しています。
つまり、読者と時間が『広義の編集者』の役割を果たしたのかもしれませんね。セルフパブリッシングをおこなうにあたって、大いに参考になる事例だと思いました。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
小波奈子さん(@nacoco_)。『こなみ・なこ』と読みます。フリーライター経験がある編集者。
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つんどく速報ライター☆イマガワです。
かわいいは正義、ごきげんようお姉さま、ごはんはおかず、\アッカリ~ン/ ゆるふわ百合コンテンツ愛好家の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
たまには、ガチな絡みをともなう作品もどうでしょう? 今回ご紹介するのは、女子たちが身も心も絡みあう本格ミステリ長編です。
美少女キケン 薬科大生の甘い毒蜜 [Kindle版]
小波奈子 (著), Frst (イラスト)
出版: 小波奈子; 1版 (2013/10/12)
薬科大学に通っている中学生にしか見えない女子大生の里香は、何もかもが対称的な二人の美少女を助手にして難事件の捜査に挑む探偵だった。
ある日、県警の監察医をしている神崎准教授のもとに違法薬物の過剰摂取で死んだお嬢様の変死体が運ばれた。
そして検視解剖に立ち会った里香は、事件が薬物の過剰摂取による事故死ではなく、過失を装った殺人事件だと推理した......
ラストに犯人の意外な行動と結末が待ち受ける本格ミステリー!
異色の三角関係が織りなす名探偵もの
はじめに言っておきますが、本書にはレズビアンが横溢しています。いっぱい。たくさん。びっくり。
具体的には、主人公は『バリネコ』で両刀使いの女探偵であり、助手はタチのレズビアンです。(バリ=とても、ネコ=女役、タチ=男役、両刀使い=バガボンド)
しかも、探偵と助手は浮気の間柄であり、探偵がいま付き合っているカノジョは助手の元カノです。(エロややこしいので、以下の図を参照)
キャッキャウフフしながら事件解決
本書『美少女キケン 薬科大生の甘い毒蜜』は、おなじ大学に通っている探偵と助手が、全編にわたってチュッチュッしたり過度なスキンシップをしながら殺人事件の真相に近づいていく、本格ミステリです。
まったくもって、物語の冒頭からマトモじゃありません。
主人公である自称・美少女探偵は、ヘロイン中毒死したと思しき女子大生の遺体の司法解剖に立ち会います。そして、遺体の開腹部を舐め回すように観察して、胃の内容物から漂うニンニクの匂いに着目して、事件性を見出すのです。
化合物が事件のカギをにぎる
薬剤師ミステリといえば『QEDシリーズ』(高田崇史)がありますね。こちらは、薬科大学に通っている女子大生が主人公です。本書においても、薬剤に用いられている化合物ウンチクがたくさん登場します。
たとえば、前述した『ニンニクの匂い』は、事件当日における被害者の足取りに関する重要な手がかりです。現役薬科大学生である名探偵は、薬学的な発想によって、警察の捜査結果を覆します。
ほかにも、化合物にちなんだウィット溢れる目次は、きっと興味がそそられるはずです。
・L・システインは万能薬?
・トリカブトは湿度を好む
・アリルプロピルジスルファイドで猫が死ぬ
・トリプタミン誘導体で大爆笑
・ボツリヌストキシン500gで人類滅亡
猫が死ぬという『アリルプロピルジスルファイド』は、身近なものに含まれています。これらの化合物は、ほとんどが事件の真相に関わりがあります。にくい演出ですね。
作品に歴史あり
解決編に至るまで、探偵が何度も事実確認を繰り返してくれるので、読み終わったあとに『で、結局どういうことだったの?』などと、戸惑うことは少ないと思います。
本書『美少女キケン 薬科大生の甘い毒蜜』は、キワモノ設定が目立つ小説ですが、リーダビリティは高いです。とても読みやすい。
著者あとがきによれば、もとはウェブ上で公開していたものを加筆してリメイクするという作業を経ているようです。以下、引用。
公開時に寄せられた感想に基づき、明らかにしていなかった人間関係や、過不足ないトリック解説をオリジナルの倍以上の字数を使って加筆しています。(著者あとがき)
この箇所を読んで『なるほどー』と得心しました。読んでいて、思い当たる部分があったからです。
本書のキャラクターや設定はあきらかにキワモノです。ところどころで、読者を置いてけぼりにしかねないような独りよがりな表現の痕跡が見られるのですが、うまくドリフトして正道を外れずエンディングを迎えることに成功しています。
つまり、読者と時間が『広義の編集者』の役割を果たしたのかもしれませんね。セルフパブリッシングをおこなうにあたって、大いに参考になる事例だと思いました。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 美少女キケン 薬科大生の甘い毒蜜
- 著者:小波奈子 イラスト:Frst
- 価格:250円
- 読了にかかる時間:約2時間(個人差があります)
- 「化合物ミステリ」度
- ★★★★☆(4)
- 「同性愛」度
- ★★★★★(5)
- 「満足」度
- ★★★★☆(4)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
小波奈子さん(@nacoco_)。『こなみ・なこ』と読みます。フリーライター経験がある編集者。
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