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つんどく速報ライター☆イマガワです。
生きた原子炉、主食は核物質……何を言ってるのか わからねーと思うが、だまされたと思って、以下のレビューを読んでみてください。
つんどく速報ライター☆イマガワです。
生きた原子炉、主食は核物質……何を言ってるのか わからねーと思うが、だまされたと思って、以下のレビューを読んでみてください。
高速ぷるん1 [Kindle版]
なかせよしみ (著)
出版: まるかふぇ電書; Kindle用初版 (2013/3/17)
2009年11月に自費出版で発行のドタバタSF漫画の第1話(全4話)
苦労性な小学生、高月大樹君は引っ越し先で少女「ぷるん」に出会う。彼女は「生きた原子炉」だった。
『原子力』考察まんが(その1) も収録。(本文40ページ)
※下記プレビューはPC向けです。
あらすじ
新生活の初日。小学生の大輝は、迷子であるとおぼしき女の子に出会います。
『ぷるん』と名乗るその少女は、じつは『生きた原子炉』なのです。ぷるんちゃんは、大輝たちが住んでいる町の電力供給を一手に引き受けている――
あらゆるものが不確定な第1巻
本書『高速ぷるん1』は、全4巻のまんがです(完結済み)。初出は2009年のCOMITIA90。2013年10月現在、電子書籍化されているのは第1巻のみ。
上図の『なーんてな』は、本編からの引用です。放射線防護服らしきものを着用しているのは、ぷるんちゃんが住んでいる『新代替エネルギー研究所』の所員たち。
いちおう彼らが否定しているので、この第1巻の時点では、ぷるんちゃんが生きた原子炉であるとは断言できません。
とはいうものの、主人公の大輝はひそかに確信しており、作中においても彼女が発電していることは明らかです。ひとつずつ紹介していきましょう。
ぷるんのひみつ
(1)頭の上でお湯を沸かすことができる
他の場面においても、肌に触れるとヤケドするほど体温が上昇することが描写されています。どうやら、水を沸騰させる――蒸気タービンを回せるくらいの熱量を発することができるようです。
ヤカンの代わりに巨大なプラグを装着すれば、電力が町全体に行き渡る仕組みになっています。
(2)主食は『核物質』
第1巻で登場するのは『劣化ウランごはん』。所員いわく、劣化ウラン以外の日もあるようです。トリウムチャーハンとか、プルトニウムカレーライスとか?
ぷるんちゃんが摂取した核物質は、定期的に『無害の鉛』として排出されます。
サステイナブル! ちなみに、本書『高速ぷるん』のAmazon.com版のタイトルは、
『Fast Breeder Reactor』つまり、高速・増殖・炉・もん……アッー!
感想
作者のなかせよしみさんは、電柱を擬人化したり、おなじ顔の少女たちを12人同時に動かしたりと、現実とよく似た異世界を、さりげなく活写することに定評がある漫画家です。
なによりも、まんがとして面白い。何度読み返しても飽きさせない濃密さがあります。ぷるんちゃん、かわいい。頭ナデナデしたらヤケドしますけど。
まんがは、この世のあらゆるものが題材になるわけですが、チェルノブイリや福島原発事故を経た2013年現在においても、それは例外ではありません。
ひとりの表現者・漫画家が挑んだ、読み物あるいはエンターテイメントとしての『原子力検証まんが』として、本書はたいへん完成度が高いものだと感じました。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 高速ぷるん1
- 著者:なかせよしみ
- 価格:200円
- 読了にかかる時間:約20分(個人差があります)
- 「世界観」度
- ★★★★☆(4)
- 「もやしもん」度
- ★★★★☆(4)
- 「満足」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
なかせよしみさん(@yosimin)。漫画家。コミティア等の創作系自費出版漫画イベントに多数参加。
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