こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

ざっくり言うと


・兄はヤクザ。妹は中学3年生。
・生き別れだった2人。同居生活をはじめる。
・兄の暴力団的おせっかいが笑いどころ。

そんなライトノベルです。

悪兄!!悪兄!! [Kindle版]
砂鐘 大河 (著), yuuki (イラスト)
出版: 砂鐘大河; 1版 (2013/8/21)


親に捨てられ、施設で育った燕は、突然兄と名乗る龍之介に引き取られる。

しかし、その兄龍之介は、町の悪党――ヤクザだった。

頭も性格も悪く、無鉄砲な兄龍之介に振り回される妹燕。だけどちょっぴり人情も。 兄妹愛に泣けると言われるお話です。

※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。

とある兄妹の同居生活


本書『悪兄!!』は、ふたりぼっちの兄妹が、ぎこちないながらも絆を育んでいく物語です。

腹ちがいの兄と妹。母親が異なるふたりは、幼いころには別々の場所で育てられました。共通するのは、血のつながり親に捨てられたという事実。

そんな兄妹が年月を経て、はじめて顔を合わせます。孤児院で暮らしていた妹のもとに、実兄を名乗る男が現れたのです。照れくさくて慌ただしい、ふたりの同居生活が始まります。

兄 - 龍之介


20代前半。職業、ヤクザ。親に捨てられたあと、親戚の家に身を寄せることに。しかし、ネグレクト(養育放棄)同然の扱いを受けて育ちます。

心身ともに荒んだ日々を過ごし、ヤクザに目をつけられるほどのロクデナシに仕上がった頃、名のある親分の命を救った縁により、暴力団の一員として迎えられます。

妹 - 燕(つばめ)


おっとりしているけど、芯は強い15才、中学3年生。親に捨てられて以来、ずっと孤児院で育ちます。

燕ちゃんは、中学卒業後は就職する予定でした。しかし、迎えにきた兄の金銭的援助を受けて高校進学を目指すことになり、心から喜びます。

涙のスーパーファミコン事件


表紙の雰囲気では『やんちゃなお兄ちゃんが妹のために暴れ回る痛快青春ストーリー』っぽく思うかもしれません。コメディ要素も豊富ですが、一方で、かなり切実なエピソードを含みます。

いもうとの燕ちゃんは、孤児院の仲間たちと離れたくないと思えるほど、不幸中の幸いともいえる環境のなかで成長しました。

その一方で悲惨なのは、兄――龍之介の少年時代における体験談です。

預けられた親戚の家では、いらない子扱いされていました。与えられるわずかな生活費を節約をして、自販機の底を漁ってまで小銭をためて、やっとの思いで中古のスーパーファミコンのソフトを手にいれます。

胸を踊らせながらゲームソフトの箱をあけた龍之介は――愕然とするのです。

持っていない『ゲーム機』と『テレビ』がなければゲームを遊べないことを、このとき初めて知ります。このくだりは、決して笑えませんでした。個人的に、身に覚えがあるエピソードだからです。

親に捨てられた子供の未来は?


いじめでもなく登校拒否でもない理由によって青春期を奪われた子供を書いています。意義のあるテーマです。いち読者として、このあとの彼らの行く末が気になります。

勝手なことを申し上げるなら、妹が通いはじめた高校に、兄の龍之介が無理矢理編入してきたのち失った青春を取り戻す――とかいうメチャクチャな話を読みたいかも。(なにせ、XXを脅して妹のXX結果をねじまげようとするくらいなので……)

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

  • 悪兄!!
  • 著者:砂鐘 大河 イラスト:yuuki
  • 価格:146円
  • 読了にかかる時間:約2時間(個人差があります)
「貧乏はつらい」度
★★★★☆(4)
「不器用すぎるお兄ちゃん」度
★★★★☆(4)
「満足度」度
★★★☆☆(3)
「総合」
★★★☆☆(3)



著者について


砂鐘大河さん(@SakaneTaiga)。『さかね・たいが』と読みます。特撮とロボ、魔術士オーフェンが好き。pixivでも小説を発表している。


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