こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
・あまちゃんイラストで有名なプロ漫画家の同人誌
・藤子・F・不二雄の『異色SF短編』っぽい内容
・ロボット女児、という新しい嗜好
つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・あまちゃんイラストで有名なプロ漫画家の同人誌
・藤子・F・不二雄の『異色SF短編』っぽい内容
・ロボット女児、という新しい嗜好
夏とロボット [Kindle版]
青木俊直 (著)
「夏」と「ロボット」をテーマにしたショートストーリーマンガ集。2006年同人誌にて発行されたものの電子書籍版です。
波打ち際ではしゃぐ水着の男女とロボットと宇宙人。:「南風」(28P)
自らをロボットという女子大生の目的は?:「ちくえん」(22P)
夏の公園でみいちゃんが問う「命」。:「みいちゃんの来た夏」(4P)
幼い日のひまわりとロボットの思い出。:「ひまわり」(46P)
の4編を収録(全104ページ)
※下記プレビューはPC向けです。
SFまんが短編集
本書『夏とロボット』は、ひまわり、セミ、海、花火、恋愛。Summer――いわゆる『夏』を象徴する情景が描かれているマンガ短編集です。
『セミが乾電池で動作していることを発見してしまった少女の話』や『ロボットと魔法少女が全力で追いかけっこする話』を含む4作品(104ページ)が収録されています。
特に、電動セミが登場する『みいちゃんの来た夏』は、たった4ページの漫画であるにもかかわらず、強い印象を残します。まるで、藤子・F・不二雄の『異色SF短編』を彷彿とさせる読後感です。
自称ロボットの女子大生
そのほかでは、収録作の『ちくえん』という22ページの短編漫画がとっつきやすいと思うので、ご紹介したいと思います。
まず、ロボット工学を専攻している男子学生が、女子大生に迫られているシーンから始まります。
ご覧のとおり、彼女が催促しているのは『豊乳(豊胸)手術』です。???――医大生ならともかく、ロボット研究者である竹園くんは戸惑うばかりでした。
女子大生いわく『わたしはロボットだ』そうです。なるほど。ロボットのお胸を豊かにするのは、ロボット研究者にしかできない仕事ですね。
しかし、当の彼女はどうみても人間にしか見えません。
いいドヤ顔だ……。そこで、女子大生は証拠写真を取り出します。
いわく、むかしはイジメられていたそうです。――で、思春期をむかえる頃にはグレてしまい、絵に描いたようなスケバンになります。
そして、このあとロボ子(識別番号:RVT25XB)は運命の出会いを果たし、とある人物に、冒頭のような美しい姿に改造してもらった(ムネ以外は)――と言い張るわけです。
彼女の話は、はたして本当なのか?
特筆すべきは、女子大生の話はすべて本人の回想であるという点です。ホントかウソか、わからない。
もしも真相が、男子学生の気をひくためにロボットのふりをしている不思議ちゃん、であるならば、笑えるホラ話で済むのですが……。読者は最後の最後まで、彼女がロボットなのか否かを断定することができないストーリーになっています。
この『ちくえん』という作品は、ギャグ漫画として読むのが無難ではあるものの、ロボ子の生い立ちのくだりでは、すこし涙ぐんでしまいました。
おさげ髪&吊りスカート姿のロボット女児には、そこはかとない悲哀を感じさせます。
萌えではない、えもいわれぬ複雑な感情をよびおこすキャラクター造形であり、不気味さも併せ持っているので、もしも夢に出てきて追いかけられたら、眠りながら泣いちゃうと思います。きっと。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 夏とロボット
- 著者:青木俊直
- 価格:250円
- 読了にかかる時間:約20分(個人差があります)
- 「ファンタジー」度
- ★★★★☆(4)
- 「オチが秀逸」度
- ★★★★☆(4)
- 「満足」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
青木俊直さん(@aoki818)。『あおき・としなお』と読みます。漫画家。最近では『愛のある"あまちゃんイラスト"』で話題になりました。
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