こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
・土方歳三は女だった!
・牙突でおなじみ、斎藤一とのラブロマンス
・死んだ新撰組隊士たちが霊になって総出演
つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・土方歳三は女だった!
・牙突でおなじみ、斎藤一とのラブロマンス
・死んだ新撰組隊士たちが霊になって総出演
歳と一 [Kindle版]
橋北 千鶴 (著)
この作品は新撰組副長土方歳三の性別を変えた架空設定時代小説です。
第一部 斎藤一・編
斎藤一は土方に惚れていた。函館戦争から二年経ったある日、元新撰組三番隊組長斎藤一は新政府の糾問の後、罪のとかれた元新撰組副長土方歳三の元を訪ねる。
第二部 こちらの歳と一・編
全十七章。前述のとおり、注意点として、土方歳三の性別は女性となる「架空設定」小説です。
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
幕末の架空歴史小説
斎藤一(さいとう・はじめ)。元新撰組の三番隊組長。維新後、警視庁に所属していたときには西南戦争に参加して活躍した剣の達人であり、歴戦の勇士です。牙突(がとつ)!
土方歳三(ひじかた・としぞう)。元新撰組の副長(組織のナンバー2)。たいていの人は、学校の教科書で目にしたことがあるはず。モノクロ写真。洋服を着て座っている荒木飛呂彦っぽい顔つきをした、あの人物です。
史実では、どちらも男性です。しかし、本書『歳と一』は、土方歳三が女だった――というIF設定に基いて、明治維新後にも生き延びた新撰組隊士たちの人生を描いています。
土方歳三は、維新後も生きていた!?
史実によれば、土方歳三は、明治2年に戊辰戦争(箱館五稜郭の戦い)で戦死しています。
いっぽう本書においては、歳三が美しい女であったが故に同情を集めた結果、罪を赦免されて生き延びます。(おなじく旧幕府軍で、降伏した榎本武揚が特赦を与えられた史実を、うまく参照している)
物語のはじまりは、明治3年。戊辰戦争が終結して、故郷の石田村(現在の東京都日野市)でひっそりと暮らす歳三(♀)のもとを、斎藤一が求婚のために訪れます。
ふたりは、戊辰戦争中に1度だけ身体を重ねており、とくに斎藤一のほうが未練タラタラでした。求婚に対して、なかなか首を縦にふらない歳三(♀)。そこへ――
亡き新撰組隊士たちの『霊魂』が
おせっかいをはじます。
えっ!?
どういうことかって? 一言であらわせば、亡き隊士たちが『霊の力をつかって、歳三(♀)と牙突野郎をくっつけるべく奔走する』のです。ここから先は、三谷幸喜脚本の『新選組!』のキャストを交えながら説明しましょう。
斬首刑になった近藤勇(香取慎吾)はもとより、内紛で切腹を命じられた山南敬介(堺雅人)、上野戦争で戦死した原田左之助(山本太郎)、若くして病死した沖田総司(藤原竜也)などが、霊魂として登場します。
おもしろいのは、生前の隊士たちが歳三(♀)のことを好きだった、あるいは肉体を狙っていたという設定です。志なかばで斃れた新撰組の面々が、斎藤一にオイシイところを全部持っていかれるのを悔しがりながらも、生きているふたりの幸せを願って奔走します。
新撰組の女性化ネタは楽しい
つかこうへい『幕末純情伝』は、沖田総司が女性だったら、という話ですね。
『萌えよ剣』というゲームがありますが、あれは史実とは異なる機動新撰組という組織の話です。ゲーム『行殺・新選組』(ライアーソフト)や、アニメ『飛べ!イサミ』も同様です。
これらの作品については小一時間語りたいところですが……今回はやめておきましょう。とにかく、土方歳三を女性化っていうのは、珍しいように思います。(ほかに前例があれば、メッセージをお寄せください。参考にさせていただきます)
本書は、あくまでも史実における土方歳三の女性化であり、作品のノリは、天海祐希主演でドラマにもなった『女信長』(原作・佐藤賢一)によく似ています。あれは、信長(♀)と明智光秀のロマンスを描いた話です。
いずれにせよ、本書『歳と一』は、女性化という飛び道具を用いつつも、うまく史実とからめて書いてあります。読み応えがありました。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 歳と一
- 著者:橋北 千鶴
- 価格:350円
- 読了にかかる時間:約5時間以上(個人差があります)
- 「歴史よりも恋愛描写多め」度
- ★★★★☆(4)
- 「キャラ萌え」度
- ★★★★☆(4)
- 「満足」度
- ★★★★☆(4)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
橋北千鶴さん。『はしきた・ちづる』と読みます。ほかにも、Kindleストアにて『遠き伝説』などの電子書籍を発売中。
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コメント
このたびは「歳と一」をご紹介、レビューしていただきありがとうございました。一字一句かみしめてレビューを読ませていただきました。
話は脱線するのですが、ライターのイマガワさんとは、あの忌川さんでしょうか?
だとすると、KDPで初めて出版する際、右も左もわからぬままの出版の中で、色々と忌川さんのブログ記事を参考にさせていただきました。特にカテゴリ変更の問い合わせ方法など、かなり参考にさせていただきました。
この場を借りてですか、ありがとうございました。なんかもう、すべてにありがとうございます。
「歳と一」の著者・橋北千鶴。