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つんどく速報ライター☆イマガワです。
・マンガ連載枠ゲットの7割は、作者の人柄で決まる!?
・編集者を攻略するのがいちばんの近道
・小説家志望にも当てはまるアドバイスが多数
つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・マンガ連載枠ゲットの7割は、作者の人柄で決まる!?
・編集者を攻略するのがいちばんの近道
・小説家志望にも当てはまるアドバイスが多数
マンガで食えない人の壁 [Kindle版]
NPO法人NEWVERY内 トキワ荘プロジェクト (著), 園田ゆり (イラスト)
出版: NEWVERY; 2版 (2013/11/9)
プロ13人が語る「私はこうして漫画家になった!」 漫画家志望者、必読の書!
◆こんな漫画家志望者にオススメ!
・とにかくマンガで食べていけるのか不安な人
・持ち込みや投稿をしても結果がイマイチな人
・編集者との付き合い方に悩んでいる人
・受賞したのに、ずっと作品が掲載されない人
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
あらすじ
本書『マンガで食えない人の壁』では、漫画で食っていくための最初の関門である、編集者の壁を乗り越えるためのヒントが収録されています。
漫画で食っていく――定期的な収入を得るためのいちばんの近道は 雑誌連載 を獲得することです。
じつは、漫画雑誌の新人賞を受賞したからといって、必ずしも連載枠がもらえるわけではありません。受賞後の新人漫画家は『編集者の壁』を乗り越える必要があります。
たいていの新人漫画家は、連載向けネーム(キャラ・セリフ・ストーリー)を却下され、要求された修正を繰り返して、ようやく本紙の連載陣の仲間入りを果たすのです。
7割は運で決まる
ただし『人事を尽くして、天命を待て!』という精神論ではありません。
運というのは人柄なんですよ。きちんと挨拶をする。一人一人の編集者、漫画家さんに誠実に一つ一つの仕事に真摯に取り組むことで運勢とは高められると思います。
運と言われることのほとんどは、実は人間関係によるものですから自分が人様に可愛がられる人格形成をしておくのも大事なことなんです。(鍋島雅治)
考えてもみれば、新人賞を経ている漫画家は、水準以上の能力をもっている人たちなわけで、同じような実力であれば、そりゃあ付き合いやすい相手と仕事をしたいですよね。
編集者に媚びへつらえという助言ではなく、作品の質を高めていくためのコミュニケーション能力が要求されるという意味です。
思ったよりも喋る職業ですね。もちろん喋るのが苦手な先生もいるでしょうが……喋れた方が得なのは確かです(笑)。
例えば編集者に「次、どういう展開にする?」と聞かれたら十中八九、その場で喋らなきゃいけないんです。(緒方てい)
編集者を攻略せよ
漫画編集者は、いそがしい。1人で20人~30人の『持ち込み』を担当している例も珍しくないそうです。
『編集者の壁』を乗り越えるためには、記憶や印象に残してもらう必要があります。
たとえダメなネームであったとしても、1カ月に1本以上というペースで編集者に持ち込みをするんです。使い物にならなくても編集者は頻繁に持ち込みをしてくる新人漫画家に対して感情が動きます。絶対に。(おおひなたごう)
このアドバイスは、ネームを完成させるために2ヶ月も3ヶ月も費やしてしまう志望者たちへ向けたものです。
たった1話分のネームすら仕上げられない漫画家志望者などは問題外だとは言いつつも、プロの先生方はアドバイスをしてくれています。
月並みな結論ですが、全員に向けてということであれば「たくさん描け」と言うしかないです。描くたびに自然と課題は見えてくる。(うめ/小沢高広)
画力だけにものすごい才能があってもプロっぽい絵が描けたとしても、自分の漫画に何が足りないのかという気付きが弱いという人が伸びないのかなと思います。(田中圭一)
両先生とも、まったく同じことをアドバイスしています。さらにさらに『そういう理屈が頭でわかっていも描けないよ!』という志望者の皆さんには、次の言葉を紹介しましょう。
小池一夫先生は「何も描けなくてもいいから1日5時間は机の前に座って筆を持て。苦しくて苦しくて苦しくて、何かを描き始めるから」とおっしゃっています。(鍋島雅治)
さすが、高橋留美子や原哲夫を育てた巨匠。スパルタ式の精神論ではありますが、至極まっとうなアドバイスです。
連載以外の方法で食っていくには?
13名のインタビューのなかで、連載以外で『食っていく』方法をアドバイスしている人もいます。
すがやみつる先生。おなじみ『ゲームセンターあらし』で一世を風靡した漫画家です。
すがや先生は『あらし』のイメージが強いのですが、みずから出版社に企画を持ち込んでは、少年まんが以外のテリトリーにおいても数々のスマッシュヒット作品を手がけています。
石ノ森章太郎先生も、既にいっぱい連載をやっているような身でありながら、なぜか少年雑誌の表4(裏表紙)についていた広告の漫画を描いていたりしていました。
食べていくために「漫画の仕事ならなんでもやる」と割り切れれば、メインで目指している雑誌連載があるにしても、ツナギで他のアルバイトをやるよりよっぽどいいと思いますね。(すがやみつる)
そして、本書がユニークなのは、成年マンガ業界の識者にもインタビューをしている点です。
ウェブサイト『えろまんがけんきゅう(仮)』管理人の稀見理都さんが、成年雑誌の1ページあたりの原稿料、平均的なエロ漫画家たちの収入や、一般漫画誌とは異なるデビュー経路や、デビュー可能年齢のちがいについて詳しく語っています。
300ページ超を、夢中になって読みました。漫画や小説で食っていきたいと思っている人にとって実践的な1冊であり、漫画家たちのサバイバル戦略もドラマティックで面白いです。買って損なし!
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- マンガで食えない人の壁
- 著者:NPO法人NEWVERY内 トキワ荘プロジェクト イラスト:園田ゆり
- 価格:622円
- 読了にかかる時間:約4.5時間(個人差があります)
- 「実用度」度
- ★★★★★(5)
- 「デビュー秘話」度
- ★★★★★(5)
- 「満足」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★★(5)
著者について
NPO法人NEWVERY内 トキワ荘プロジェクト(@tokiwasopjt) 。大手出版社へ持ち込むための『東京在住』という環境を、できるだけ安価に実現するため、漫画志望者向けのシェアハウスを運営している。
2013年11月現在、100名以上の入居者が活動中であり、雑誌掲載や単行本発売などの成果をあげている。まさに平成のトキワ荘。
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