こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
・新ジャンル『野生児OL』もの
・まんがタイム系の未単行本化タイトル
・作者みずから電子書籍化。自主規制なしバージョン。
つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・新ジャンル『野生児OL』もの
・まんがタイム系の未単行本化タイトル
・作者みずから電子書籍化。自主規制なしバージョン。
わいるど・わんだふる [Kindle版]
笹野ちはる (著)
新入社員の美羽(みう)は可愛い顔をして実は…!?
笑いありアクションあり猫あり鳥ありその他色々ありのほのぼのアニマル4コマ漫画です!
全145ページ。(おまけ4コマ・6本含む)
※下記プレビューはPC向けです。
たのしい職場は実在するか?
『WORKING!!』という作品が大好きです。ファミリーレストランで働く若者たちを描いた4コマまんがです。
好きな理由は、ちびっ子ウェイトレスが可愛い、登場人物たちのラブコメ描写でニヤニヤする――等、いろいろな理由を挙げることができます。
でも、いちばんの理由は 楽しそうな職場 が描かれているからです。たとえフィクションだとわかっていても憧れます。あのファミレスならば、低賃金でも働きたいです。
今回ご紹介する『わいるど・わんだふる』でも、楽しそうな職場が登場します。読み終えたあと、ほっこりとした気分になること請け合いです。
野生少女ミウ
はじめに、野生児が入社してきます。名前は、美羽(みう)ちゃん。
社長の孫であり、ずっと山奥で暮らしていた女の子です。
野生児といっても、人間の両親と暮らしていたのでヒトの言葉を解します。それなりの常識を備えており、
ごく当たり前に動物と会話したり、
エレベーターや階段をつかわずに壁をよじ登って出社するなどして、慣れない社会人生活のなかで、文化的ギャップによるドタバタを繰り広げます。
笹野ちはる……先生と呼ばせてください
本書『わいるど・わんだふる』の主役は、野生児OLの美羽です。
その一方で、職場の人々が楽しそうに勤務時間をすごす光景が印象に残りました。
彼や彼女たちは、さしたる特徴がない人々です。いわば平凡の極みなのですが、そこへ美羽が加わるだけで、大きな声で笑ったり、はげしく驚いたり、けっして平凡でない毎日をすごしています。
今回レビューをするにあたり、おなじ作者の『せんせといっしょ!』という4コマ漫画にも目を通しましたが、こちらは幼稚園に勤める保母さんたちのお話です。やはり、楽しそうな職場が印象的に描かれていました。
感想を書くだけのつもりが、2作品を通じて『笹野ちはる』作品のファンになってしまいました。他の作品も読むつもりです。
出版社の自主規制
ところで。本書には、セルフパブリッシング作者には見過ごせない問題提起が含まれています。それは、表現にまつわる自主規制に関するものです。
『わいるど・わんだふる』は、『まんがタイム ラブリー(芳文社)』で2007~2009年のあいだ連載していた作品です。今回、作者みずから電子書籍化するにあたって、さらなるブラッシュアップを施したそうです。
ご本人いわく――雑誌掲載時において 野生児が全力ダッシュする描写 の変更を余儀なくされたそうです。
全力ダッシュ。これですね。(U^ω^)わんわんお!
美羽ちゃんが、2本の手と2本の足を同時につかって移動しています。猫ならセーフ、ヒトでそれを描くとNGということでしょうか? いずれにしても、具体的な理由は、作者と出版社にしかわかりません……。
真相については、巻末ですこしだけ語られています。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
表現規制は、性的なものだけとは限りません。地雷は思わぬところに埋まっているものです。今後、セルフパブリッシングが普及していくなかで、けっして無視できない事例だと思いました。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- わいるど・わんだふる
- 著者:笹野ちはる
- 価格:300円
- 読了にかかる時間:約1時間(個人差があります)
- 「野生児ギャグ」度
- ★★★★☆(4)
- 「武田さん、年増かわいい」度
- ★★★★☆(4)
- 「満足」度
- ★★★★★(5)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
笹野ちはるさん(@sasachiha)。20年ちかく、商業誌で活躍しているプロの漫画家。
代表作:『ときめきももいろハイスクール』,『ぽこぽこコーヒー気分』
『せんせといっしょ!』は1巻で終わってしまいましたが、最後まで面白かったです。
新キャラの有名子役タレントが登場して、ますます面白くなってきたところで……突然の最終回。園長先生が意外にもカタギな人生を送っていなかったり、超展開なラストも含めて、たいへん楽しませていただきました。
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