こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

ざっくり言うと


・ロストテクノロジーによって水着少女が空を飛ぶ
・コミックREXで連載中『たぶん惑星』の作者が描いている
・壮大なサーガの世界観を支えている作品群のひとつ

斥力構体斥力構体 [Kindle版]
粟岳高弘 (著)
出版: 粟岳高弘; 1版 (2013/3/24)

2008年12月制作のあわたけの同人誌。20ページの読みきりモノクロ漫画です。(※全年齢向)

原理不明のアンテナ状物体の飛行実験をしていた高校生たち。実験中に発生した異常により部室の隙間に隠された謎の物体を発見し…

※下記プレビューはPC向けです。

sekiryoku01

奇妙な絵です。いままでに味わったことのない感情を、見る者に想起させる1枚です。

Q:なぜ、アンテナと台車を組み合わせただけの物体が浮いているのか?

→A:正式名称は、斥力構体(せきりょく・こうたい)。ある地域の特殊な力場を受けたときのみ浮遊する。

Q:搭乗している女の子は、なぜスクール水着姿なのか?

→A:たいてい不時着するときは池か川だから、濡れてもいい格好をしている。

過去からやってきた少女


昭和61年のある日。部室(理科実験室)の壁が崩れ落ちて、隠し部屋の存在があきらかになります。収納されていた寝袋(カプセル)のチャックを開けると、女の子が入っていました。

sekiryoku02

目を覚ました本人は、15年前(昭和46)年から冬眠をはじめたと言います。生徒手帳には『千浜令子』と書いてありました。

たしかに、隠し部屋のなかにあった制服はカビだらけで、当時の生徒手帳も持参していました。でも、いまいち信用できません。そりゃそうだ。

家出少女の虚言だとしか思えないものの、とりあえず面倒をみることになります。

空飛ぶアンテナを復元する


部室の隠し部屋には、人工冬眠カプセルの他に、金属パイプの束がありました。数十枚の地図や設計図、写真も見つかります。地図は学校周辺のものであり、設計図は『斥力構体』のものでした。

こうして翌日以降から、科学部の面々たちの協力を得て、斥力構体の浮遊実験がはじまるわけです。

粟岳サーガの原型がここにある


粟岳高弘(あわたけ・たかひろ)さんは、商業でも活躍中の漫画家です。2013年現在、コミックスREX誌上において『たぶん惑星』を連載しています。

たぶん惑星(1) (REXコミックス)

レビューするにあたって『たぶん惑星』第1巻を読んだのですが、なんと本編中にアンテナ浮遊体が登場します。キタ━(゚∀゚)━! って思いました。

粟岳さんは、十年ちかく、ひとつの『サーガ(神話、伝承)』に基づく漫画作品を書き続けています。

今回ご紹介した『斥力構体』をはじめとする粟岳サーガの集大成が、コミックREXで連載中の『たぶん惑星』であると言えるかもしれません。

それらの作品は、毎年開催される同人誌即売会で発表しており、現在Kindleストアでも入手可能です。

わたしは、たぶん惑星→斥力構体→シリーズ続刊→他の粟岳作品という順序で読みました。伝承のはじまりを探る旅といった気分で、とても楽しかったです。

ボックスカルバートゲート (斥力構体) 杉登試験場 (斥力構体)

感想


アンテナと共に浮遊する少女の格好がスクール水着――理由は、池や川に不時着したとき濡れるから。単純明快です。

この設定をはじめとして、粟岳サーガにおいては、あどけない少女たちが惜しげもなく素肌を晒します。

sekiryoku03

彼女たちは年齢相応の恥じらいを備えていますが、いずれもサーガ世界の要請によってスクール水着になったり、ほぼセミヌードのふんどし姿になったりします。

早とちりは禁物です。それらは安易な萌え表現でもなければ、作者の趣味というだけでもありません。歴とした原理に基づいて、少女たちが自発的に脱衣するよう仕向けているだけなのです。粟岳サーガにおける法則であり、この世の理なのです。

粟岳サーガは、たとえるなら『ヨコハマ買い出し紀行』のような、ゆったりと、おおらかな河の流れを眺めているような気分にさせてくれる作品群です。

『斥力構体シリーズ』や『たぶん惑星』を読んでいると、種明かしなんて期待せずに、不思議な現象と共存する少女たちのなりわいを、ずっと眺めていたい感情が湧き起こります。まんがなら合法です。超オススメ!

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

  • 斥力構体
  • 著者:粟岳高弘
  • 価格:200円
  • 読了にかかる時間:約15分(個人差があります)
「絵柄・世界観の完成」度
★★★★★(5)
「作品のボリューム」度
★★★☆☆(3)
「シリーズ全体の満足」度
★★★★★(5)
「総合」
★★★★★(5)

シリーズ全体の評価も、文句なしの星5つです。すばらしい。


著者について


粟岳高弘さん(@AwatakeTakahiro)。『あわたけ・たかひろ』と読みます。漫画家。水着だらけの『取水塔シリーズ』というのもあります。もう最高です。


あなたの一冊をレビューします


つんどく速報では、電子書籍のレビュー候補を受け付けています。
ご応募はこちらから。
おもしろい電子書籍を教えてください(自薦・他薦を問いません)

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット