こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
・ゲーム感覚で強請(ゆすり)を学べるウェブサイト
・違法ミッションをクリアして、あぶく銭ゲット!
・罠にはめられ、死体処理を手伝わされ、さらにヤバイ事態に
つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・ゲーム感覚で強請(ゆすり)を学べるウェブサイト
・違法ミッションをクリアして、あぶく銭ゲット!
・罠にはめられ、死体処理を手伝わされ、さらにヤバイ事態に
強請屋ドットコム [Kindle版]
夏居暑 (著)
出版: 夏居暑; 1版 (2014/1/9)
予測不能! 理解不能? 犯罪ゲームエンターテイメント!
無職の平城が辿り着いたのは、強請屋.comという闇サイト。強請の事をミッションと呼び、クラス分けされた仕事をゲーム感覚でクリアして上位クラスを目指していく。強請の手口と方法を、課金によって公開する違法サイトだった。
ミッションの最中に事件は起こる。これは何者かの張り巡らされた罠なのか? 浮かび上がるクラスAの謎。
~短編2作を同時収録~
『ROOMS』
『公園へ行こう』
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
ネットで見つけたうまい話
ハンドルネーム『ニート6』は、偶然たどりついた『強請屋.com(ゆすりやドットコム)』という闇サイトにハマります。
サイトマスターは『強請はクリエイティブな職業』という信念の持ち主であり、比較的安全で効率の良いゴトの手口を教えてくれると言うのです。
ただし、情報の代金は先払い。よくある情報商材詐欺かもしれないと疑いつつも、退屈していたニート6は『強請屋.com』に会員登録をおこないます。
恐喝トレーニングデイズ
はじめての強請(ミッション)は、生活保護の不正受給申請でした。ボーナスミッションと称して、初回にかぎり情報代金は後払いでOK。
ニート6は、拍子抜けするほど簡単に生活保護をゲットすることに成功。さらなる難易度のミッションに挑戦しては、つぎつぎと強請を成功させていきます。
しかし。ここで浮かれてしまったのが運の尽きでした。指示されるがままに行ったミッションの現場で、ニート6たちは死体を発見するのです。
豹変するサイトマスター
「おまえたちには、その死体を処理してもらう。従わない場合は、いままでの犯罪や不正行為を、すべて実名をさらして世間に公表する」
m9(^Д^)プギャー やはり騙されていたのです。狼狽する『強請屋.com』の会員たち。
どうにか死体処理を終えて、しばらくすると。ニート6のもとに警察がたずねてきます。今までの悪行がバレた――のではありません。
ニート6こと主人公が、未成年の女性を暴行したうえで殺害した。という、まったく身に覚えのない殺人の嫌疑をかられてしまうのです。
感想
ごらんのとおり、犯罪や不正をおこなうことで利益を得ようとする人々の物語です。
ただし、作者の考え方あるいは思想は、『強請屋.com』のサイトマスターとは真逆であるという印象を感じました。
首謀者の口から発せられる暴言――『弱者から金を取るのは平気なのかって? もちろん平気です』『道徳の時代は終わり、不道徳の時代が到来する』などとは裏腹に、現代社会における不公平や不誠実なものへの告発をおこなおうという意志が、本編のところどころから垣間見えます。
興味深いのは、すべての黒幕である『強請屋.com』のサイトマスターが『ナナロク世代』であるという設定です。ここでは詳しく論じませんが……ピンときた方は、ぜひ読んでみてください。
同時収録の短編『ROOMS』について
本書『強請屋ドットコム』には、本編以外にも短編を2作品収録しています。いずれも捨て曲にあらず。
とくに『ROOMS』という脱出ゲーム小説が良質なので、ご紹介します。
大筋は、事故に遭ったあと、気がついたら出口のない部屋に閉じ込められていた、というもの。いちばんの特徴は、食糧切れによる制限時間があることです。せいぜい1週間ほど。
食べるものがなくなったら、誰かが助けに来ることもなく、ひっそりと死ぬしかありません。主人公は、部屋のなかにあった赤いペンと約30冊の本にヒントを得て、用意されていたパズルを解きはじめます。
『お前たちの中に鬼がいる』のような変化球ではなく、短編小説『ROOMS』は直球の脱出ゲーム小説です。「そんなところにカギがあったとは!」という、驚きを体験できます。『CUBE キューブ』ではなく『SAW ソウ』寄りの系統です。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 強請屋ドットコム
- 著者:夏居暑
- 価格:250円
- 読了にかかる時間:約2.5時間(個人差があります)
- 「極限状況」度
- ★★★★☆(4)
- 「現代社会への怒り」度
- ★★★★☆(4)
- 「満足」度
- ★★★★☆(4)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
夏居暑さん(@ATu72i)。『なつい・あつ』と読みます。ダジャレですね。きっと来年の『暑』は『夏』いでしょう。
2013年7月以来、つぎつぎと新作小説をKindleストアで発表している。→ 夏居暑: Kindleストア
強請(ゆすり)の語源
ヤクザ者が社会的地位のある人から金品を脅しとる――。テレビ番組の2時間サスペンスにありがちな、よくある強請(ゆすり)の図式です。
しかし、語源をさかのぼると、強請をおこなっていたとされるのは朝廷から派遣された下級役人たちです。(ただし、諸説あります)
むかし『例幣使』という幕府と朝廷の友好関係を保つための慣例行事がありました。一行は、京都と日光東照宮のあいだを往復します。
その際。随行している下級役人が、駕籠で移動しているときに、わざと身体をゆすり、行列のスムーズな進行を妨げることがあったそうです。(なかには、わざと駕籠から転げ落ちてみせる人もいたらしい。吉本新喜劇かっ)
要は、天皇の威光を利用して、駕籠かきや幕府の役人にイチャモンをつけることで袖の下(金銭)を要求していたわけです。
ほかにも、勅使や随行員たちは、立ち寄る先々で無銭飲食や金品要求を繰り返していたそうで、強請ということばの成り立ちに関わりがありそうですね。
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