こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。

ざっくり言うと


・熱狂的なファンが作った非公式ガイドブック
・非ハリウッド式手法で大ヒットした仕組み
・中国における興行収入100億円を突破!! なぜなのか?

映画『パシフィック・リム』をより語るために ~特撮と映画の視点から読み解く~映画『パシフィック・リム』をより語るために ~特撮と映画の視点から読み解く~ [Kindle版]
羽生えるざ (著)
出版: kaiju baby's / カイジューベイビーズ (2013/11/11)

特撮歴29年・生粋の特撮ファンが映画に隠された秘密の数々を伝授。

「レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎ってどんな人?」
「イェーガーの元ネタは?」
「マコの髪が青い理由って何?」
「KAIJUがみんな緑なのは何故!?」

そのほか、「ギレルモ・デル・トロ監督映画作品・全解説」や、「簡単に読める・日本映画特撮史まとめ」など、特撮ファンの視点のみならずデル・トロさんの映像的な仕掛けに踏み込んだ、とっても深い映画の見方も提案。

※製品版は、ヨコ書きです。下記プレビューはPC向けです。

特撮ファンによる渾身の1冊


著者の羽生(はにゅう)さんは、1984年公開の「ゴジラ(第16作)」を小学生のときに観て以来、特撮ファン歴29年。という経歴の持ち主です。

本書 映画『パシフィック・リム』をより語るために は、劇場公開後に、急遽Kindleストアで出版されたものです。

即日完売した公式ガイドブックには3万円のプレミアがつきました。本書は、詳しい情報が少なかった当時、興奮冷めやらぬ観客たちにとって有用な本でした。

しかし。この電子書籍を出版後――2013年12月11日にセル販売やレンタルが開始。数百円で借りられるレンタルDVDにも、監督本人によるオーディオコメンタリーが収録されています。

コメンタリーにおいては元ネタが惜しげもなく披露されており、自作解説はわかりやすい。完成度の高い本編とあわせて観ると――もはや『パシフィック・リム』の95%くらいは理解できてしまうのです。

要するに。本書は、残りのきわめて濃厚な5%を知りたい、理解したい人向けの一冊。ということになります。

シロウトでも楽しめる怪獣映画


映画『パシフィック・リム』。総制作費200億円。全世界の興行収入は400億円を記録しています。大健闘です。

劇場公開されるや否や、大御所SF作家のウィリアム・ギブスンをはじめ、日本の特撮業界や3DCC業界の著名人たちがこぞって称賛していました。これには理由があります。

大前提としては『巨大ロボットが、ひたすら巨大怪獣と殴りあう』という内容であるにもかかわらず、けっしてオタク趣味だけに走ることなく、多くの人が楽しめる超弩級の娯楽映画に仕上がっていたからです。

さらに。『パシフィック・リム』本編において、日本の特撮技術や怪獣映画やロボットアニメに対する並々ならぬリスペクトが示されていたことも挙げられます。(ゴジラ・ウルトラマン・マジンガーZ等

先人たちが達成したものを、さらに越えようという強い意志を感じ取ることもできました。(その点において、実写版マブラヴエヴァンゲリオンという例えは的外れではない)

パシフィック・リム』という作品の歴史的背景や薀蓄が、本書のなかでたっぷりと語り尽くされています。

感想


ネット上においてパシフィック・リム元ネタまとめと称するページが幾つもあります。画像やテキストは膨大ではあるものの、いずれも不特定多数から寄せられた情報であり、断片的な羅列にすぎません。

しかし。本書のように、1人の著者が、責任をもって1冊にまとめたもの。ひとりの人物の史観(観点)に沿ってパッケージングされた情報のほうが、体系的に理解しやすいように感じました。

Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)

「特撮ファンの情熱」度
★★★★★(5)
「映画批評」度
★★★★☆(4)
「満足」度
★★★★☆(4)
「総合」
★★★★☆(4)



著者について


羽生えるざさん(@hanyuELZA)。『はにゅう・えるざ』と読みます。特撮ファン歴29年。

著書ご本人のインタビューも必見です。
【KDP最前線】”特撮”と”KAIJU”と”ギレルモ・デル・トロ監督に関する熱いウンチク”「映画『パシフィック・リム』をより語るために」を執筆した羽生えるざさんにインタビュー | きんどるどうでしょう

あわせ読みたい


パシフィック・リム [本編映像&コメンタリー] 全解説パシフィック・リム [本編映像&コメンタリー] 全解説 [Kindle版]
羽生えるざ (著)
出版: kaiju baby's / カイジューベイビーズ (2013/12/24)


あなたの一冊をレビューします


つんどく速報では、電子書籍のレビュー候補を受け付けています。
ご応募はこちらから。
おもしろい電子書籍を教えてください(自薦・他薦を問いません)

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット