こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
・テレビでおなじみ!? チャンス青木の素顔
・ご本人が全面協力。
・おそらく最初で最後の評伝。
つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・テレビでおなじみ!? チャンス青木の素顔
・ご本人が全面協力。
・おそらく最初で最後の評伝。
ザ・浅草芸人 中二階の男チャンス青木 [Kindle版]
山中伊知郎 (著)
出版: 山中伊知郎 (2013/12/3)
「漫才協会の鬼軍曹」といえばチャンス青木。
本人は、平成に入ってテレビに出演したのは一回きりの、「売れない芸人」。しかし協会の理事として、ナイツやWコロンや、たくさんの若手たちが世に出るために尽力した男。
そんな彼の、たとえ40余年、日の目を見なくてもめげない不屈の人生は、脚光を浴びることなく黙々と生きる数多くの「凡人」たちを必ずや勇気づけてくれるはず。
※製品版は、ヨコ書きです。下記プレビューはPC向けです。
知られざる超マイナー芸人
チャンス青木。この名前を見てピンと来たあなたは、ナイツの漫才をよく目にしている可能性が高いです。彼らの漫才やトークにおいて、ごくたまにチャンス師匠の名前が登場します。
本書は、芸歴40年以上を誇るベテラン芸人の評伝です。チャンス青木ご本人が全面的に取材協力している一冊です。
元の芸名は、青木チャンス。ビートたけしとほぼ同期デビューの芸人さんであり、30年以上つづく低迷期を経て、ケーシー高峰、ルー大柴、ビートたけしなどに売れっ子命名法則を見出し、数年前にチャンス青木に改名しました。
意外な素顔
雷おこしを売るのがうまい。じつは漫才協会の初期に経理係として活躍した。舞台以外の場所では面白い。後輩の面倒見が良い。
その存在自体ほとんど知られていませんが、さらに知られざるチャンス青木のさまざまな一面が、好意的な筆致で語られています。
本書の内容紹介には、こう書かれています。
彼の、たとえ40余年、日の目を見なくてもめげない不屈の人生は、脚光を浴びることなく黙々と生きる数多くの「凡人」たちを必ずや勇気づけてくれるはず。
お笑い芸人を扱っている本なので、どこまで本気で書いているのかはわかりませんが。ぜんぶ読み終えたあと、チャンス師匠はいろいろ厄介なものを背負わされているなあ、という印象を受けました。
なぜ身内ウケするのか?
表層的な分析をするならば、40年経っても芽がでない高齢の芸人をあえてゴリ押しする、という笑いです。
しかし。ナイツの漫才や本書のなかで紹介されているチャンス青木評を眺めていると、かならずしも軽侮に基づいたものではないことがわかります。
チャンス青木は、たくさんの人たちから愛されている。と同時に、途方もない希望を託されている存在なのかもしれません。もはや偶像崇拝と言っても良いかもしれない。
いろいろ考えさせられる
本番に弱い。きわだった個性がない。いまだに抜けきらない訛りを、芸に活かせているわけでもない。
けれども、愚直に毎日をすごし、周囲の人々に感謝し、功徳を積んで、いつまでも耐え忍び続ければ、かならず報われるはず━━。
多産多死や死屍累々が当たり前である過酷な世界に生きる芸人たちによる、祈りにも似た願望のような何かが、チャンス青木という売れない高齢芸人に凝集しているような気がしてなりません。
お笑いの世界における一発逆転教の神に捧げられた生贄。
どんな形であれ、40年以上ものあいだ芸事の世界に籍を置き続けられたのだから幸せであるし偉大であるとも言えます。
しかし。売れる機会を逃したどころか、やめる機会も逃して、芸名とはかけ離れた不運を抱えてしまったとも言えます。
とても抽象的な感想になってしまいました。まさか、チャンス青木師匠について、こんなに考えさせられるとは思いませんでした。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- ザ・浅草芸人 中二階の男チャンス青木
- 著者:山中伊知郎
- 価格:250円
- 読了にかかる時間:約2時間(個人差があります)
- 「マイナー」度
- ★★★★★(5)
- 「浅草芸人伝」度
- ★★★★☆(4)
- 「満足」度
- ★★★★☆(4)
- 「総合」
- ★★★★☆(4)
著者について
山中伊知郎さん(@yamanakaichiro)。『やまなか・いちろう』と読みます。職業は、ライター・放送関係。
あなたの一冊をレビューします
つんどく速報では、電子書籍のレビュー候補を受け付けています。
ご応募はこちらから。
おもしろい電子書籍を教えてください(自薦・他薦を問いません)bookdi.gger.jp に関するツイート
コメント