こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
・やっぱり普通じゃない、ハーレム・ラブコメ・ラノベ第2弾
・キ印の危険な女子高生キタ━(゚∀゚)━!
・今回は病んでる(れ?)学級委員長が暴れます
つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・やっぱり普通じゃない、ハーレム・ラブコメ・ラノベ第2弾
・キ印の危険な女子高生キタ━(゚∀゚)━!
・今回は病んでる(れ?)学級委員長が暴れます
寂女小町さんは食事が偏りすぎです(二) (佐々木家は順調に病み続けます) [Kindle版]
じんたね (著)
出版: 株式会社ディスカス; 1版 (2013/12/10)
冴えない平穏な人生を過ごす高校生の佐々木司。先日までの事件も一段落し、いつものように学校に向かうと、そこには学級委員長の大家小町が待ち構えていた。そこで彼女は驚くべき提案を口にする。
「……女子高生と『お泊まり』旅行に行こう」
「小町さんは何を話しておいでですかっ!?」
そして二人っきりの「お泊まり」に見たものは――1組(だけ)の布団だった。
学級委員長との「お泊まり」旅行が、彼と彼女たちをめぐる人間関係を大きく動かす!?
シリアスハーレムラブコメ『佐々木家は順調に病み続けます』シリーズ、第二弾!!
※製品版は、タテ書きです。下記プレビューはPC向けです。
CAUTION!
本書『寂女小町さんは食事が偏りすぎです』は、連作長編ライトノベルの第2巻です。
当レビューは第1巻『暴女桜子さんはラノベの読みすぎです』を未読の読者に配慮していません。ややネタバレを含みますのでご了承ください。
第1巻のレビューはこちら
誰かにネタバレしたくなるほど面白いハーレムラノベ『暴女桜子さんはラノベの読みすぎです (佐々木家は順調に病み続けます) 』
これまでのあらすじ
佐々木桜子(ささき・さくらこ)は、小学1年生から高校2年生の現在にいたるまで不登校を貫き通していた。
主人公の佐々木司(ささき・つかさ)は、担任の頼みによって、桜子の学校復帰を請け負う。おなじ苗字のよしみで。
司には打算があった。もしも桜子を教室に迎え入れることに成功した暁には、宿願の奨学金を得られる。亡き母の思いに報いるためだ。
桜子は快活な性格であり、成績は校内上位クラスでもある。なぜ、不登校を続けているのか?
原因は、1冊のライトノベル。それは小学生時代に急逝した父の遺品だった。死の直前━━入学記念に贈られた『○○の△△が□□』というタイトルのライトノベルが、いまだに桜子を苦しめていた。
渇いていた。桜子は、つねに飢えを感じていた。
父を見送った日から10年ちかくが経つ。それなのに、亡き父の形見である『○○の△△が□□』よりも面白いライトノベルに出会えない。苛立ちを募らせる日々。
桜子が不登校を続ける理由。それは、毎月発売される新刊ライトノベルすべてに目を通すためだった。どれだけ貪り読んでも━━時にはみずから筆を執ってライトノベルを自作してみても、一向に渇きは癒えない。
あるとき、桜子は錯乱する。亡き父への報われない憧憬がピークに達したからだ。木刀を振り回し、目につくものすべてを破壊し尽くそうとする。
もはや手がつけられない。とまどう、佐々木司。このままでは宿願である奨学金ゲットが遠のいてしまう。運悪く、その場に居合わせてしまったがために深手を負いながら━━佐々木司は、佐々木桜子に起死回生の提案をする。
「僕と桜子さんで、『家族』にならない?」
シリーズ第1巻『暴女桜子さんはラノベの読みすぎです』から引用
ふたりの盟約
すでに第1巻を読んだ方は、ご存知のとおり。ふたりは、従来の戸籍にはとらわれない『佐々木家』の一員として共に歩みはじめます。
婚姻でもなければ不純異性交遊でもない。父子家庭の司と、母子家庭の桜子が、精神的に補いあうという一種の盟約です。これによって、桜子の危機(第1巻参照)はとりあえず回避されました。
ところで。精神的危機を乗り越えるにあたって、親しい他者が寄せてくれる理解をよりどころとする。このような共依存に陥ってしまった場合、ひとりで苦しんでいた時よりも、かえって病状が悪化しがちですが━━本件の場合は事情が異なります。
桜子も司も、これまで必要以上に悩み苦しんできたわけです。
彼女は、早すぎる喪失に……。彼は、抑圧への反抗心が向かうべきだった相手の消失に……。
突然ノブをはずされてしまったドアの前で、どうすることも出来ずに、ずっと佇んでいた。ふたりとも、精一杯やれることはやってきた。
それでも行き詰ってしまった末の『佐々木家』結成なわけです。いわば、前向きな共依存といえるのではないでしょうか。
今回のヒロインは学級委員長
部屋に閉じこもってライトノベル新刊を読みふけり、司のことを下僕扱いしては木刀で小突きまくる。そんな正真正銘のキ印である桜子が病んでいるのは言うまでもありません。
「ただ僕は、対等な関係を望んでいるだけなんですけど」
「あら私は、帯刀な関係を望んでいるだけなのだけど?」
『寂女小町さんは食事が偏りすぎです』から引用。以下おなじ
しかし。第2巻である本書において、桜子を上回る精神異常者が登場します。学級委員長の大家小町(おおいえ・こまち)です。
彼女の名前は大家小町。2年2組の学級委員長を務める。
幼い顔立ちに長い睫毛。唇は小さく、黒縁メガネをかけている。小柄で細く、短い髪はシャギーのレイアー。そして何より、大変恵まれた胸の持ち主でもある。
性格は冷静沈着。学業成績は学年トップ。言葉少なに話す特徴がある。どことなく寂しそうな雰囲気を持っており、クラス内のどの女子グループにも属さない。
周囲から嫌われることなく、尊敬の眼差しを集めるが、誰に対しても距離感がある。
世が世なら、否、ライトノベルがライトノベルならば生徒会長を務めていてもおかしくない優等生キャラです。
しかしながら。繰り返しになりますが、この大家小町は……佐々木=ウッドソード=桜子を遙かに上回る、キ印のキ険人物キタ━(゚∀゚)━! です。
被害者は━━今回も、我らが佐々木司くん。一方的に思いを寄せる小町は、司を『お泊り旅行』に誘います。卑劣な手段によって。
「……痴漢は犯罪。少年は罪人。罪人は刑務所」
(※小町は、司のことを「あなた」ではなく「少年」と呼ぶ)
くわしい犯行の手口は、本編で繰り広げられているとおり。奨学金を質に取られてしまった司は、渋々ながら小町との一泊旅行を承諾するのです。
背筋が凍る、妹キャラ
旅先において。自縛していた抑圧を解き放った幸子は、学校における委員長キャラを捨てて、キマっちゃってる妹キャラで佐々木司に甘えて甘えて甘えまくります。
「えへへ、そだよっ! 小町が好きすぎて、お兄ちゃんは恋人できないくらいだもんねっ!」
「やっぱりそうなんだー。お兄ちゃんも可愛いね☆」
「うんっ! 可愛いお兄ちゃん、小町も大好きっ!」
(中略)
「もっもっ! さっきはどしてっ!?」
さっきから僕の背中を殴り続ける彼女。
(中略)
「まずは人格探しからしない? まだ近くに落ちてると思うし、誰か拾ってくれてるんじゃないかな」
「酷っ! 今の小町が小町だよっ!」
「僕の知ってる委員長はこんなんじゃないです」
「もっ! もっ!」━━というのがツボにハマりました。かわいい(*´∀`)
このように、昼は妹キャラを演じているのですが。同室に宿泊することになった夜には、淫乱キャラで司に迫ります。もはや学級委員長の面影はありません。
旅先での小町に限らず、盛りのついたメスほど手に負えないものはありません。わたし自身、興奮状態の女性に言い寄られた経験はないのですが、メス猫に迫られたことなら何度もあります。
ほんとうに怖いのです。なんど引き離しても懲りずにカラダをすり寄せてくるメス猫は。その勢いたるや、器用な肉球によって服を脱がされ「このまま貞操を奪われてしまうのかも」と錯覚したほどです。
小町が司に迫るくだりを読んでいて、いつかのメス猫との日々が脳裏によみがえりました。
感想
本書『佐々木家は順調に病み続けます』シリーズは、ハーレムラブコメの皮をかぶった━━なんでしょうね、これは? わかりません。玄妙複雑な作品です。
木刀を振り回したりイチャイチャしたりと、飽きさせないコメディ要素がある一方で。
とつぜん、言語に関する哲学談義が始まったり、刃傷沙汰が発生します。笑ったりニヤニヤしながら読んでいたのに……。読者が(・_・)←こんな顔になってしまうシリアス展開が、イレギュラーに待ち構えています。
言語哲学のくだりや、カフェや旅館に『Socrates』や『Plato』などと命名するあたりからも、著者のじんたねさんには抑えてもにじみ出るインテリジェンスがうかがえます。
基本おバカなライトノベルのはずなのに、どうしてもバカになりきれていない部分があるのです。
2014年5月現在のKindleストアにおいて、『佐々木家は順調に病み続けます』シリーズは第6巻まで発売中です。はたして、ハーレムラブコメ要素と書生のような青臭さの混淆は、物語が完結したときに吉とでるのか?
これからも目が離せないライトノベルシリーズです。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 寂女小町さんは食事が偏りすぎです(二) (佐々木家は順調に病み続けます)
- 著者:じんたね
- 価格:102円
- 読了にかかる時間:約2.5時間(個人差があります)
「狂ってるラブコメ」度 ★★★★★(5) 「擬似家族もの」度 ★★★★☆(4) 「満足」度 ★★★★☆(4) 「総合」 ★★★★☆(4)
著者について
じんたね さん(@jintanejintane)。同シリーズは、元々は『pixiv』内で発表されていた作品です。シリーズ全9作は、すでに完成済みのようです。
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