こんにちは!
つんどく速報ライター☆イマガワです。
・門外不出だった随筆集をコミカライズ
・江戸時代の奇譚いろいろ
・『変な話』『不思議な話』を22編、131ページ収録
『耳袋(みみぶくろ)』という随筆集があります。
作者は、根岸鎮衛(ねぎし・しずもり)という江戸中期(1800年ごろ)の人物。勘定奉行や南町奉行を歴任した、立派なお武家様です。
あまり聞きなれない人物ですが、『妻は、くノ一』の作者である風野真知雄さんが、南町奉行時代の根岸鎮衛を主役に据えた『耳袋秘帖』と称して、シリーズ通算で20タイトル以上を刊行しています。
『耳袋』は、根岸鎮衛が同僚やお年寄りから聞かせてもらった『変な話』や『不思議な話』をコツコツと収集したものです。その数━━およそ1000編、全10巻。すごい!
将軍家にまつわる記述も含んでいたので、本人は門外不出を望んでいたのですが━━いつのまにか評判を呼び、複製本がたくさん作られたのち、広く世間に知られるようになりました。
今回ご紹介する『世にも奇妙な耳袋』は、本家『耳袋』をコミカライズしたものです。1000編から厳選した22話のエピソードを、ゆる~い絵柄で表現しています。
※『見出し』は、短編マンガのタイトルです
『世にも奇妙な耳袋』から引用。以下おなじ
医師が漁村を通りがかったところ━━。村の人々に、ことごとく死脈(死相)があらわれていた。
あまりにも多いので、賢明な医師は……気がつきました。
漁村に津波が迫っていたのです。察知した医師は、村人たちを山へ避難させて、事なきを得たといいます。(原典5巻『道三神脈の事』)
夜な夜な、布団が語りかけてくるようになった。「……きこえますか…ババア…きこえますか…」
はたして原因は? このエピソードでは、夏が来たら布団を質屋に入れるという江戸時代の風習について触れています。(原典5巻『修験忿意執着の事』)
ちなみに、冬には蚊帳を預けて、入れ替わりで布団を請け出します。収納と金融機能を兼ねた英知。
町人階級の恋人たちが、心中の約束をします。
待ち合わせて、ついに決行……したものの、男のほうは死にきれませんでした。
女の死体を見ると、タヌキが化けていたことを知ります。
おい(笑) タヌキさん、(´・ω・)カワイソス このあと、ふたりは結ばれたそうです。(原典8巻『狸縊死の事』)
京極夏彦さんが『旧(ふるい)怪談―耳袋より』という現代語訳を刊行していたり、『新耳袋』という、原典から着想を得て編纂された現代奇譚のアンソロジーがあったり。
さまざまな派生作品が存在するなかで、本書のような『耳袋』原典のコミカライズは珍しいので、とても稀少に感じました。
テレビや雑誌の特集、インターネットのまとめサイトにおいても、江戸時代にまつわる話題は人気があります。
「当時のユニークなエピソードをもっと知りたい」と思っている人はきっと多いはずなので、本書がたくさん売れることを願いつつ、続編の刊行を期待しています。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
「お江戸でござる」度 ★★★★☆(4) 「レア」度 ★★★★☆(4) 「満足」度 ★★★★☆(4) 「総合」 ★★★★☆(4)
まぶたゆりこさん。人物不詳。
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つんどく速報ライター☆イマガワです。
ざっくり言うと
・門外不出だった随筆集をコミカライズ
・江戸時代の奇譚いろいろ
・『変な話』『不思議な話』を22編、131ページ収録
世にも奇妙な耳袋 [Kindle版]
まぶたゆりこ (イラスト)
「耳袋」は、江戸時代中期の南町奉行、根岸鎮衛(1737-1815)が小耳にはさんだ諸々の小話を、30余年にわたって書きついだ随筆です。
奇妙な話、不思議な話の中から、気になるエピソードを漫画にしました。
本作はオールカラー、ろくろ首、人をだます狸、宝くじを当てる狐、しゃべる布団、虫よけの秘策、津波を避けた話など22話収録!
表紙を含めて131ページ収録。
知ってるつもり?!
『耳袋(みみぶくろ)』という随筆集があります。
作者は、根岸鎮衛(ねぎし・しずもり)という江戸中期(1800年ごろ)の人物。勘定奉行や南町奉行を歴任した、立派なお武家様です。
あまり聞きなれない人物ですが、『妻は、くノ一』の作者である風野真知雄さんが、南町奉行時代の根岸鎮衛を主役に据えた『耳袋秘帖』と称して、シリーズ通算で20タイトル以上を刊行しています。
『耳袋』は、根岸鎮衛が同僚やお年寄りから聞かせてもらった『変な話』や『不思議な話』をコツコツと収集したものです。その数━━およそ1000編、全10巻。すごい!
将軍家にまつわる記述も含んでいたので、本人は門外不出を望んでいたのですが━━いつのまにか評判を呼び、複製本がたくさん作られたのち、広く世間に知られるようになりました。
今回ご紹介する『世にも奇妙な耳袋』は、本家『耳袋』をコミカライズしたものです。1000編から厳選した22話のエピソードを、ゆる~い絵柄で表現しています。
※『見出し』は、短編マンガのタイトルです
『名医まなせ先生』
『世にも奇妙な耳袋』から引用。以下おなじ
医師が漁村を通りがかったところ━━。村の人々に、ことごとく死脈(死相)があらわれていた。
あまりにも多いので、賢明な医師は……気がつきました。
漁村に津波が迫っていたのです。察知した医師は、村人たちを山へ避難させて、事なきを得たといいます。(原典5巻『道三神脈の事』)
『布団がしゃべったの!』
夜な夜な、布団が語りかけてくるようになった。「……きこえますか…ババア…きこえますか…」
はたして原因は? このエピソードでは、夏が来たら布団を質屋に入れるという江戸時代の風習について触れています。(原典5巻『修験忿意執着の事』)
ちなみに、冬には蚊帳を預けて、入れ替わりで布団を請け出します。収納と金融機能を兼ねた英知。
『なにがしたい』
町人階級の恋人たちが、心中の約束をします。
待ち合わせて、ついに決行……したものの、男のほうは死にきれませんでした。
女の死体を見ると、タヌキが化けていたことを知ります。
おい(笑) タヌキさん、(´・ω・)カワイソス このあと、ふたりは結ばれたそうです。(原典8巻『狸縊死の事』)
感想
京極夏彦さんが『旧(ふるい)怪談―耳袋より』という現代語訳を刊行していたり、『新耳袋』という、原典から着想を得て編纂された現代奇譚のアンソロジーがあったり。
さまざまな派生作品が存在するなかで、本書のような『耳袋』原典のコミカライズは珍しいので、とても稀少に感じました。
テレビや雑誌の特集、インターネットのまとめサイトにおいても、江戸時代にまつわる話題は人気があります。
「当時のユニークなエピソードをもっと知りたい」と思っている人はきっと多いはずなので、本書がたくさん売れることを願いつつ、続編の刊行を期待しています。
Kindleストアでサンプルが無料で読めます。お試しください。(スマートフォン、タブレットでもOK)
- 世にも奇妙な耳袋
- 著者:まぶたゆりこ
- 価格:306円
- 読了にかかる時間:約30分(個人差があります)
著者について
まぶたゆりこさん。人物不詳。
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